『戦国自衛隊』(斎藤光正監督) | 新・法水堂

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『戦国自衛隊』

 

 

1979年日本映画 139分

監督:斎藤光正

製作:角川春樹 プロデューサー:元村武

原作:半村良(角川文庫版) 脚本:鎌田敏夫
特撮監督:鈴木清 闘技監督:千葉真一
撮影:伊佐山巌 美術:植田寛、筒井増男

録音:橋本文雄 照明:遠藤克巳 編集:井上親弥

監督補:戸田康貴 プロデューサー補:鍋島壽夫 

助監督:山下稔 記録:堀北昌子

衣裳:柳生悦子 擬斗:菅原俊夫、斉藤一之

音楽:羽田健太郎

音楽プロデューサー:鈴木清司、高桑忠男

主題歌:「戦国自衛隊のテーマ」松村とおる

挿入歌:「ENDLESS WAY」「DREAMER」井上尭之


出演:

千葉真一(伊庭義明三等陸尉)

夏木勲[後に夏八木勲](長尾平三景虎)

中康次(三村泰介一等陸士)

江藤潤(県信彦一等陸士)

速水亮(森下和道一等陸士)

にしきのあきら[現・錦野旦](菊池弘次一等陸士)

三浦洋一(野中学一等陸士)

かまやつひろし(根本茂吉二等陸士)

倉石功(丸岡正男)

高橋研(平井正芳)

渡瀬恒彦(矢野隼人陸士長)

河原崎建三(加納康治一等陸士)

角野卓造(須賀利重一等海士)

鈴木ヒロミツ(西沢剛一等陸士)

竜雷太(木村治久三等陸曹)

三上真一郎(島田吾一三等陸曹)

辻萬長(小野章一郎三等海尉)

伊藤敏孝(高島春美一等海士)

加納正(清水英雄二等陸曹)

清水昭博(大西里志一等陸士)

古今亭志ん駒(堀健児二等陸士)

佐藤仁哉(関おさむ二等陸士)

小野みゆき(みわ)

岡田奈々(菊池の婚約者・新井和子)

会沢萌子[会沢萠子](後家・ゆい)

大前均(景虎家臣・栗林孫市)、工藤堅太郎(同・石庭竹秀)、片岡五郎(同・館川勝増)、内田勝正(同・浅葉頼親)、岸田森(小泉の家臣・直江文吾)、石橋雅史(勝竜寺城城主・細川藤孝)、中田博久(黒田長春)、角川春樹(真田昌幸)、鈴木瑞穂(十五代将軍・足利義昭)、成田三樹夫(西本願寺十一世・光佐)、仲谷昇(摂政関白・九条義隆)、小池朝雄(小泉越後守行長)、田中浩(武田信玄)、真田広之(信玄の息子・武田勝頼)、飯塚浩司(祥吉)、谷口香(祥吉とまいの母)、大塚麻衣子(祥吉の妹・まい)、奈三恭子(百姓娘)、高見あさ(同)、今生きよみ(同)、夏山美樹(哨戒艇の女)、長沢真紀(同)、末宗俊子(同)、久保田薫(同)、花園友子(同)、佐藤蛾次郎(よばいの男)、達純一(同)、永井雅春(同)、トビー門口(小泉家重臣)、杉江廣太郎(同)、加賀麟太郎(同)、中山剣吾(同)、鈴木登四男(同)、橘英二(同)、江幡高志(光佐の使者)、八木隆(文吾の使者)、大辻慎吾(景虎の側近)、沢美鶴(同)、新海丈夫(同)、きくち英一(同)、辰馬伸(同)、本間文子(老婆)、宇崎竜童(落武者)、中庸助(同)、晴海勇三(同)、勝野洋(森下のマラソンコーチ)、薬師丸ひろ子(子供のような武士)、草刈正雄(正吉)

 

STORY

伊庭三尉を隊長とする二十一名の自衛隊員は、日本海側で行なわれる大演習に参加するために目的地に向かっているとき“時空連続体の歪み”によって四百年前の戦国時代にタイム・スリップしてしまった。東海には織田信長が勢力を伸ばし、上杉、武田、浅井、朝倉らが覇を競いあい、京へ出て天下を取ろうと機をうかがっていた時代。成行きから彼等は、のちの上杉謙信となる長尾平三景虎に加担することになり、近代兵器の威力で勝利をもたらした。戦いの中で、伊庭と景虎は心が通じあうなにかを感ずる。隊員のひとり菊池は、恋人和子と駈け落ちすることになっていたが戦国時代にスリップ、和子は約束の地で菊池を待ち続けた。三村は農家の娘みわに出会い、恋に落ちていく。そんな中で、矢野は、自分たちだけで天下を取ろうと、加納や島田を誘って反逆を起こし、魚村を襲い、手あたりしだいに女を犯すが、伊庭たちの銃撃のはてに殺される。近代兵器を味方につけた景虎は、主君小泉越後守の卑怯さに我慢がならず、春日山城で斬り殺し、天守閣からヘリコプターにぶら下がって脱出する。そして戦車が春日山城を陥落させた。その勢いで景虎と伊庭は京へ攻め上がろうとする。景虎は浅井・朝倉の連合軍と戦い、伊庭は川中島で武田信玄と戦闘をまじえることになった。「歴史がなんだっていうんだ。俺たちが歴史を書きかえるんだ」と、自衛隊員と二万人の戦いが始まった。戦車、ジープ、ヘリを駆使しての互角の勝負、そして目指す武田信玄の首を取ることにも成功するが、その激しい戦いの中で、伊庭たち隊員も死んでいった。隊員の中で生き残ったのは、農夫となってその時代に生きようと決意した根本だけであった。


半村良さんの同名小説を実写映画化。

千葉真一芸能生活20周年・ジャパンアクションクラブ (JAC) 発足10周年記念作品。


2005年に公開された『戦国自衛隊1549』は観ているが、本作は未見。

今まで観る気がしなかったのは、『~1549』が大駄作だったせいだ。間違いない。


今回は共感シアターで開催された「追悼千葉真一『戦国自衛隊』同時鑑賞会」で鑑賞(ゲストの町山智浩さんのトーク目当て)。

そこでも千葉ちゃんの軍服やかまやつひろしさんや高橋研さんの長髪&グラサン、渡瀬恒彦さんの狂犬っぷりなどにツッコミが入っていたけど、良くも悪くも当時の角川映画の勢いが感じられる作品となっている。

自衛隊から協力を得られず、戦車を作ってしまうというのもすごい(後に『ぼくらの七日間戦争』でも使われたとか)が最後に焼け落ちる荒れ寺のセットも見事。


ドラマ『俺たちの旅』を手掛けた斎藤光正監督、鎌田敏夫さん脚本作品ということで、青春映画としての側面もあり、音楽をバックに伊庭と景虎が砂浜でイチャイチャするのも微笑ましいが、女性たちの台詞が一切ないというのが驚き。岡田奈々さんの可愛さたるや。逆にどこまでも無言でついてくる小野みゆきさんの怖さたるや。笑

戦国時代を生きていく中で、狂気じみてきて一人称が「わし」になってしまう伊庭三尉役はまさに千葉真一さんに適役。千葉さん自身、確かに生まれてくる時代を間違えたのかもなぁ。