舞台『夜は短し歩けよ乙女』 | 新・法水堂

新・法水堂

年間300本以上の演劇作品を観る観劇人です。ネタバレご容赦。

テーマ:
『夜は短し歩けよ乙女』
The Night Is Short, Walk on Girl
 
 
【東京公演】
2021年6月6日(日)〜22日(火)
新国立劇場 中劇場
 
原作:森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」(角川文庫刊)
脚本・演出:上田誠(ヨーロッパ企画)
美術:長田佳代子 音楽:伊藤忠之 振付:EBATO
照明:倉本泰史 音響:加藤温 映像:大見康裕
衣裳:坂東智代 ヘアメイク:大宝みゆき
演出助手:山田翠 舞台監督:川除学 制作:佐々木康志(PRAGMAX&Entertainment)
宣伝美術:山下浩介 宣伝写真:神ノ川智早
宣伝衣装:酒井タケル 宣伝広告映像:AOI Pro.
 
出演:
中村壱太郎(先輩)
久保史緒里[乃木坂46](黒髪の乙女)
竹中直人(李白/木屋町のナガブチ)
鈴木砂羽(羽貫涼子/学園祭の客)
石田剛太(樋口清太郎/学園祭の客/心の中の先輩)
玉置玲央(パンツ総番長/詭弁論部OB/心の中の先輩)
白石隼也(学園祭事務局長/詭弁論部OB/織田作之助/心の中の先輩)
土佐和成(東堂/古本屋/模擬店店主/心の中の先輩)
酒井善史(京料理屋・千歳屋/クラブ部員/詭弁論部/落語研究部/ゲリラ演劇劇団員/心の中の先輩)
藤谷理子(古本市の少年/フォークデュオ/詭弁論部/学園祭の客)
早織(少年の母・和服の女性/フォークデュオ/ホステス/射的屋)
町田マリー(黒髪の乙女の姉/結婚式出席者/飲み屋の女将/古本市の客/6代目プリンセスダルマ)
尾上寛之(詭弁論部・高坂/偽電気ブラン開発者/ニシキヘビ/模擬店店主/心の中の先輩)
藤松祥子(象の尻作者・須田紀子/結婚式出席者/詭弁論部/古本市の客/白い機関車/学園祭の客)
中村光(新郎/京福電鉄研究会学生/学園祭事務局員/心の中の先輩)
山口森広(古本屋・蛾眉書房主人/式場のボーイ/「月面歩行」バーテン/客引き/射的屋/学園祭事務局員/心の中の先輩)
角田貴志(詭弁論部OB・内田医師/京都中央電話局職員/古本屋/ゲリラ演劇劇団員/心の中の先輩)
納谷真大(詭弁論部OB・赤川/京都中央電話局職員/古本市の老人/ゲリラ演劇劇団員/心の中の先輩)
日下七海(新婦・東堂奈緒子/古本市の客/マチアス)
池浦さだ夢(李白の部下/詭弁論部/古本屋/DJ阿呆/風の神様/心の中の先輩)
金丸慎太郎(李白の部下・石黒/クラブ部員/詭弁論部/古本市の客/学園祭事務局員/学園祭の客/心の中の先輩)
 
STORY
京都の大学で同じクラブの先輩と後輩。先輩は後輩の「黒髪の乙女」に恋をする。そして「ナカメ作戦」を決行!
「先輩、奇遇ですね」
「たまたま通りかかったものだから」
そう、ナカメ作戦とは
「なるべく かのじょの 目に留まるようにする作戦」のこと。
しかし「黒髪の乙女」は先輩の想いに気づかず、
先輩の一方的な片想い。
ある時クラブOBの結婚式があり、お祝いの席に2人も参加する。「黒髪の乙女」は飲み足りず夜の先斗町に繰り出し、先輩も後を追うが見失ってしまう。この後、2人は様々な場所で様々な人々や不思議で奇妙な出来事に遭遇する。そんな不思議で奇妙な一夜を先輩と過ごし「黒髪の乙女」の心にも少しずつ変化が起きてー【公式サイトより】

森見登美彦さんの初期代表作、2度目の舞台化。
 
アトリエ・ダンカンプロデュースによる最初の舞台化は劇団桟敷童子の東憲司さんが脚本・演出を務め、田中美保さんが黒髪の乙女を演じていた(今回のヒロイン・久保史緒里さんとはSeventeen所属モデル繋がり)。
今回はアニメ映画版の脚本も担当した上田誠くんが脚本・演出ということでまさに満を持しての舞台化と言えよう。
 
原作は春夏秋冬4つのパートに分かれていて、ほぼ忠実に舞台化。一幕で夜の先斗町を歩く春のパートと古本市の夏のパート、二幕で秋の学園祭のパートと李白風邪が猛威を振るう冬のパートが描かれる。
最後のあたりは新海誠監督作品のような壮大さもあり、全体的には賑やかで楽しめたのだけど、もう少しシェイプアップしてもよかったかなという気はした。逆に映画版はよく半分の時間に収めたな(映画版は未見)。
 
黒髪の乙女役の久保史緒里さんは恥ずかしながら今回初めて知ったけど、さすがに華があり、正統派な美少女っぷりを遺憾なく発揮。軽やかな歩き方がいい。
中村壱太郎さんは前半はややトチリがあったりもしたが、二幕の最初で「本気を出して」女性役をやってからは本調子に。
 
上演時間2時間56分(一幕1時間20分、休憩20分、二幕1時間16分)。