結城座『十一夜 あるいは星の輝く夜に』 | 新・法水堂

新・法水堂

年間300本以上の演劇作品を観る観劇人です。ネタバレご容赦。

結城座 三八五周年記念公演

『十一夜 あるいは星の輝く夜に』

Eleventh Night

 

 
2021年6月2日(水)~6日(日)
東京芸術劇場シアターウエスト
 
翻案・演出:鄭義信
原作:W・シェークスピア『十二夜』
 
人形デザイン(頭):伊波二郎 衣裳(人形・人間):太田雅公
音楽:久米大作 舞台美術:稲田美智子
照明プラン:増田隆芳 音響プラン:藤田赤目
舞台監督:吉木均、岸川卓巨 演出助手:柴田次郎
擬闘:栗原直樹 方言指導:中山陽子
宣伝美術:小田善久 宣伝写真:石橋俊治
 
出演:
結城数馬改め 十三代目結城孫三郎(ヴァイオラ/セバスチャン)
三代目両川船遊[十二代目結城孫三郎](オリヴィアの叔父サー・トービー/セバスチャン)
植本純米[客演](太鼓持ち/爺や/役人1/神父)
中村つぐみ(セバスチャンの友人アントーニオ他)
大浦恵実(オーシーノ公爵/他)
小貫泰明(伯爵令嬢オリヴィア)
湯本アキ(オリヴィアの求婚者サー・アンドルー/他)
結城育子(伯爵執事マルヴォーリオ/他)
 
STORY
双子のヴァイオラとセバスチャンは、船旅の途中で嵐に遭い、生き別れになってしまう。きっと兄は生きていると信じるヴァイオラは、流され着いたイリリアに残り、兄を探すことを決意する。けれど、一人で生きていくには女の姿では危ないと思い、男装することに……そして、シザーリオと名乗り、イリリアの領主オーシーノーに仕えることとなる。オーシーノーは貴族の娘オリヴィアに夢中だ。しかし、オリヴィアに何度求婚しても、亡くなった兄の喪に服すことを口実に断られ続けていた。いくら断られても、オーシーノーの恋の炎は消えることがない。一方、オーシーノーのそばで仕えるヴァイオラは、いつしか主人を愛するようになり……しかし、ヴァイオラは今は男。自分の恋心を押し隠さなくてはならないことに、悶々とした日々を送ることとなる。ある日、オーシーノーはヴァイオラをオリヴィアの元へ使いにやる。オリヴィアの気持ちを託されたヴァイオラは、しかたなくオリヴィアに会いに行く。ヴァイオラを一目見たオリヴィアは、またたくまに恋に落ちてしてしまう。かくして、やっかいな三角関係ができあがり……。【結城座公式サイトより】

結城数馬改め十三代目結城孫三郎襲名披露公演。
 
開演時、舞台上には金屏風があり、まずは十三代目を襲名する結城数馬さんとその父で十二代目の三代目両川船遊さんが登場して口上。
 
その後、金屏風が取り払われ、『伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段』を上演。
それが終わると、「十三代目!」の掛け声とともに植本純米さんが現れて本篇開始。
 
シェイクスピアの『十二夜』を通常に上演する際は、ヴァイオラとセバスチャンは双子でも何でもない2人が演じることになるが、こと人形なのでその点は便利。更に男装したヴァイオラとセバスチャンとは髪の色で区別するようになっていて、そこはセバスチャンが出てくるたびにネタにされていた。
 
台詞が福島弁だったのだけど、よほど勘の悪い人でなければ、これは何かあるなと思っていただろうけど、案の定、最後に「緊急地震速報」が流れてあの日へと繋がる。
正直なところ、この翻案は必然性が感じられず、うまく行っているとは言い難かった。
その点も含め、全体的に人形劇の世界に入り込めなかったのだけど、人形の衣裳が背景や人形遣いの衣裳と被ってしまっていて、もう少し人形を目立たせる工夫をして欲しかった。
 
ところで十三代目、襲名の口上もカーテンコールでの締めの挨拶も何だか頼りなさしか感じなかったんだけど大丈夫?(演技はよかったけど)
 
上演時間2時間35分(一幕1時間12分、休憩13分、二幕1時間10分)。