『ノマドランド』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『ノマドランド』

Nomadland

 

 

2020年アメリカ映画 108分

脚色・監督・編集・製作:クロエ・ジャオ

製作:フランシス・マクドーマンド、ピーター・スピアーズ、ダン・ジャンヴィー

原作:ジェシカ・ブルーダー『ノマド 漂流する高齢労働者たち』

撮影・美術:ジョシュア・ジェイムズ・リチャーズ
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ  録音:セルジオ・ディアス
衣裳:ハンナ・ローガン・ピーターソン 

 

出演:フランシス・マクドーマンド(ファーン)、デイヴィッド・ストラザーン(デイヴ)、リンダ・メイ(リンダ・メイ)、シャーリーン・スワンキー(スワンキー)、ボブ・ウェルズ(ボブ・ウェルズ)、テイ・ストラザーン(デイヴの息子ジェイムズ)、メリッサ・スミス(ファーンの姉ドリー)、ウォーレン・キース(ドリーの夫ジョージ)、エミリー・ジェイド・フォーリー(ジェイムズの妻エミリー)、ブランディ・ワイルダー(元教え子の母親ブランディ)

 

STORY

2011年1月。USジプサム社がネヴァダ州エンパイアの工場を閉鎖し、街そのものが消滅してしまう。仕事を失ったファーンは亡き夫との思い出をヴァンに詰め込み、車上生活をしながら日雇い労働の現場を渡り歩く道を選択する。アマゾンの物流倉庫で季節労働者として働き始めたファーンは、同僚のリンダ・メイからアリゾナで開かれるヴァンドウェラーのボブ・ウェルズの集会に誘われる。ファーンはノマドたちと出会って交流しながら、路上生活する術を身につけていく。やがてサウスダコタ州バッドランズ国立公園のキャンプ場で職を得たファーンはデイヴというノマドと知り合う。デイヴは病気になった後、ウォールドラッグのレストランで働き始めるが、そこに息子のジェイムズがやってきて一緒に暮らそうと持ちかける。デイヴはファーンについてくるように誘うが、ファーンはそれを拒む。その後、ヴァンが故障したファーンはカリフォルニアに住む姉のドリーに金を借りに行く。


ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、ゴールデン・グローブ作品賞、監督賞、アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞受賞作。

 

広大な自然、マジックアワーの淡い光、そこで営まれる人々の暮らし。特に大きなドラマはなくとも、それらを見ているだけで厳粛な気分にさせられる。

リンダ・メイさん、スワンキーさん、ボブ・ウェルズさんといった本物のノマドが出演して半ばドキュメンタリーのような様相も呈しているが、彼らノマドとマスクをしてそれを見ている我々と果たしてどっちが人間らしい生活なんだろうと感じてしまった。

フランシス・マクドーマンドさんも授賞式で映画館で映画を観て欲しいとスピーチしていたけど、これは間違いなくスクリーンで味わうべき映画だろう。音楽もよかった。

 

ただ少し残念なのは、ファーンがどれぐらいの距離を移動しているかがイメージしづらい点。地図で見ると、結構な移動距離なんだよねぇ。