木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

木ノ下歌舞伎

『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』

Yoshitsune Senbon Zakura

 

 

【東京公演】

2021年2月26日(金)~3月8日(月)

シアタートラム

 

作:竹田出雲、三好松洛、並木千柳
監修・補綴:木ノ下裕一  演出:多田淳之介[東京デスロック]
 

美術:カミイケタクヤ  照明:岩城保  音響:小早川保隆
衣裳:正金彩  立師・所作指導:中村橋吾
衣裳アシスタント:原田つむぎ、陳彦君
演出助手:岩澤哲野、山道弥栄  舞台監督:大鹿展明
文芸:稲垣貴俊  宣伝美術:外山央  制作:本郷麻衣、堀朝美

 

出演:

大石将弘(源義経/源義朝/清盛の長男・平重盛 ほか)

三島景太(武蔵坊弁慶/平清盛/鳥羽上皇 ほか)

山本雅幸(義経の家臣・亀井六郎/藤原頼長/高倉天皇 ほか)

夏目慎也(知盛の家臣・相模五郎/信西入道/船頭/藤原朝方/銀平の仲間 ほか)
武谷公雄(同・入江丹蔵/源為義/源頼政/河越太郎/銀平の仲間 ほか)

佐藤誠(渡海屋銀平 実は平知盛/崇徳天皇/以仁王 ほか)

大川潤子(銀平女房・おりう 実は安徳帝の乳母・典侍局/後白河天皇/義経の妻・京の方 ほか)

立蔵葉子(銀平娘・お安 実は安徳帝/後白河天皇の従者/常盤御前/静御前 ほか)

佐山和泉(渡海屋下女・さやま/平忠正/源頼朝/清盛の娘・平徳子/安徳帝の従者/源頼朝の警備/狐の精 ほか)

 

STORY

平安時代末期、源氏の武将・源義経は、6年間におよぶ源平合戦で大活躍をみせ、敵対する平氏を屋島で撃破する。しかし、英雄・義経には思わぬ不遇が待っていた。兄・源頼朝に不信感を抱かれ、鎌倉に入ることを禁じられたうえ、謀反の疑いをかけられてしまったのだ。一転して追われる身となった義経はなんとか潔白を証明しようとするが、家来の武蔵坊弁慶が頼朝からの追手と衝突したことでさらに苦しい状況に立たされる。そこで義経一行は、ついに九州への都落ちを決めるのだった。
嵐の日、義経一行は九州への船を頼りに、大物[現在の兵庫県尼崎市]の渡海屋(船問屋)を訪れていた。雨が上がるまで渡海屋に泊まっていた義経たちだったが、そこに頼朝からの追手が現れる。主人の銀平や女房のおりうは追手を追い払い、すぐに船を出すと義経に申し出るが、実は銀平たちには計画があって……。【当日パンフレットより】


2012年に通し上演された『義経千本桜』のうち、「渡海屋・大物浦」を単独で上演。

2016年、東京芸術劇場シアターイーストでの上演以来5年ぶりの再演。

 

床に何ヶ所か穴の開いた八百屋舞台。花道が下手に続き、上手側には階段。

背景には日の丸。

 

歌舞伎等でお馴染みの演目を現代風にアレンジした本作、Clubhouseという言葉が出てきたり、多田さんがファンのPerfumeの「STAR TRAIN」や忌野清志郎さんの「イマジン」が使われたり、スピーディーに展開する演出面は申し分ない。

ただ、5年前もそうだったのだが、今一つノリ切れなかったのも事実。その大きな要因としては、失礼な書き方になるかも知れないが、役者が弱すぎることが挙げられると思う。本物の歌舞伎役者はそれぞれ華があり、個性が感じられるのに対し、本作のキャストで唯一印象に残ったのは弁慶役の三島景太さんぐらい。正直言って、演出に負けてしまっている。

本物の歌舞伎役者で観てみたい気もするなぁ。


上演時間2時間10分。