愛知県芸術劇場 第18回AAF戯曲賞受賞記念公演
『朽ちた蔓延る』
2020年12月26日(土)~2021年1月17日(日)
PIA LIVE STREAMにて配信
作:山内晶 演出:篠田千明
ワヤンアシスタント:西田有里(マギカマメジカ) ドラマトゥルク:樅山智子
セノグラフィー/照明:Liam Morgan、Awattha Thanaphanit、上田剛
音響:塚本渉 仮面:soho 撮影:田中博之
翻訳(英語):山田カイル、樅山智子
墓守り/舞台監督:河内崇 墓守りアシスタント:荒井啓利、神尾紬
劇場舞台技術:世古口善徳、鷹見茜里
グラフィックデザイン:武部敬俊(LIVERARY)
配信映像:田中博之、山本理太郎、山崎のりあき
劇場プロデューサー:山本麦子
出演:
Nanang/アナント・ウィチャクソノ(元地元民の墓泥棒)
益山寛司[劇団子供鉅人](歴史学者の妻/客引き/王様の末裔)
MIKI the FLOPPY[情熱のフラミンゴ](日本人観光客/市民/モジャモジャ)
入馬券[てんぷくプロ](村の老人/左官屋)
STORY
架空の遺跡で日本人観光客や歴史学者の妻、かつて遺跡を築いた王など、時代や立場が錯綜する人物達が各々の視点で独白する。
山内晶(やまのうちあき)さんのAAF戯曲賞を篠田千明(ちはる)さんが演出。
2020年11月7日~9日、愛知県芸術劇場小ホールで行われた公演をアーカイブ配信。
いかにもAAF戯曲賞らしい作品。
はっきりとしたストーリーがあるわけではなく、様々な人物が独白するという構成をとっていて、戯曲というよりはテキストといった方が近い(オリジナル戯曲は愛知県芸術劇場のサイトで公開中)。
演出は戯曲賞の審査員でもある篠田千明さん。
かなり手をくわえていて、墓泥棒は台詞がほとんどインドネシア語でワヤンと呼ばれる影絵人形劇を取り入れたり、日本人観光客のシーンではオアシス21から愛知県芸術劇場小ホールに至るまでを遺跡に見立ててレポートするように見せたり、異教徒のシーンでは英語のナレーションに映像を組み合わせたりしている。
更に公募した市民役の観客が10名ほど舞台のあちこちに座っていて、中盤過ぎに集められて即興的な展開が繰り広げられる。当日、観客に配られたガイドブック(配信視聴者もメールで請求可能)に従って「口拍手」をしたりとか。
正直なところ、作り手の意図がどの程度理解できているのか怪しい面もあるが、この手の作品は劇場で体験した方がより楽しめただろうな。今回の配信も映像作品としてきちんと作られてはいたけど、1時間50分は長く感じた。
映像とは言え、久し振りにてんぷくプロの入馬券(にゅうまっけん)さんが見られたのが個人的には嬉しかった。笑
ところで日本人旅行者のくだりで「ガリバー旅行記の逆だ!」とあるんだけど、『ガリバー旅行記』には小人の国もあれば巨人の国もあることを御存知ないのかな…(ついでに言うと日本も出てくる)。
上演時間1時間50分。
