阿佐ヶ谷スパイダース『ともだちが来た』(Aバージョン) | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

阿佐ヶ谷スパイダース vol.28

『ともだちが来た』

 

 

2020年12月3日(木)~13日(日)

小劇場B1

 

作:鈴江俊郎  演出:中山祐一朗

舞台監督:足立充章、垣内美穂
照明:河野真衣、齋藤茂男  照明部:横原由祐、足立昌弥  音響:内藤勝博

美術:片平圭衣子  ヘアメイク:河村陽子  衣装:智順、志甫まゆ子

映像:ムーチョ村松  映像部:吉田りえ、本松そよ花、手代木梓、込山璃久

大道具:鈴木太朗、唐崎修、野末乾大郎、髙橋淳一
演出部:桂川裕行  演出助手:山田美紀  
ライブ配信:岩本剛、澁谷哲之、樋渡尚崇、石川純
宣伝美術:唐崎修  チラシ題字・イラスト:城野淳子

劇団制作:下村はるか、福澤諭志  制作お手伝い:山内一圭太
Web:伊達暁  制作協力:熊谷由子
プロデューサー:長塚圭史

 

出演:

坂本慶介(私)

本多力[ヨーロッパ企画](友)

 

STORY

蒸し焼きにされそうなある夏の日。畳の上で部屋着姿のまま床にはいつくばる「私」の前に、
高校時代の同級生「友」が現れる。話を聞くと、自転車に乗ってずいぶん遠くから走ってきたという。久しぶりの再会に喜ぶ二人は、じゃれあうように会話を楽しむ。しかし、ふとしたはずみで出る「友」の言葉は、二人の間には埋めることのできない大きな溝が横たわっていることを気付かせる。「友」は言う、「俺のこと忘れないでいて欲しいんだよ」二人の長い長い、別れ話が始まる。【公式サイトより】


『そして春になった』終演後、すぐさま小劇場B1に向かって二人芝居はしご。笑

『そして春になった』の上演時間が短く、劇場が徒歩2分もあれば行ける距離にあるお陰。

 

こちらも2組の俳優による競演となっていて、今回はAバージョン。

Bバージョンはヨーロッパ企画の土佐和成さんと森一生さんが出演。

本作は1994年に初演、その後、OMS戯曲賞・大賞を受賞して1997年にOMSプロデュースとして今はなき扇町ミュージアムスクエア他で上演されたが、その際、演出を務めたのが岩松了さん。出演は吹越満さんとオーディションで選ばれた中山祐一朗さんで、中山さんは17年前にも本作を演出している(その時は長塚圭史さんと伊達暁さんが出演)。

 

舞台は八畳一間の和室。周りは板敷き。奥の方にスロープあり。

事前情報は特に入れていなかったが、何となく「友」が死者であることを予想しながら観ていたら(後でチラシを見たら長塚さんがしっかり書いていたけど)、やっぱりそうだった。

「私」は白Tシャツに紺のスウェット、「友」はハンバーガーのイラストが描かれたライトグリーンのTシャツに短パン(ちなみに下着のパンツは赤。笑)。

ひょっとしたら、鈴江さん自身、ご友人を亡くされた経験があるのかなとも思ったけど、「私」と「友」の関係性がなんとも心地よい。先日、第一子が生まれた本多さんなんて40代でも短パンを履けば高校生に…いや見えないけど雰囲気は出せている。

最後の剣道の竹刀を振りながらの「私」の嗚咽にはグッと来た。

 

本日は千穐楽ということもあり、中山さんも最後に挨拶。

23年前、大阪公演の最後に鈴江さん、岩松さん、吹越さん、中山さんとで四股を踏んだそうで、それに倣って中山さん、坂本さん、本多さんで四股を踏みながらフェードアウト。笑

 

上演時間1時間11分。