『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』 | 新・法水堂

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『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』

BORAT SUBSEQUENT MOVIEFILM: DELIVERY OF PRODIGIOUS BRIBE TO AMERICAN REGIME FOR MAKE BENEFIT ONCE GLORIOUS NATION OF KAZAKHSTAN

 

 

2020年アメリカ映画 96分

監督:ジェイソン・ウォリナー

原案・脚本・製作:サシャ・バロン・コーエン

原案・脚本・製作:アンソニー・ハインズ

原案・脚本:ダン・スワイマー  原案:ニーナ・ペドラド  脚本:ピーター・ベイナム、ジェナ・フリードマン、リー・カーン、ダン・メイザー、エリカ・リヴィノジャ

撮影:ルーク・ゲイスブーラー  美術:デイヴィッド・サエンス・デ・マトゥラナ
編集:ジェイムズ・トーマス、クレイグ・アラパート、マイク・ジアンブラ

衣裳:エリン・ナイト  音楽:エラン・バロン・コーエン

 

出演:サシャ・バロン・コーエン(ボラット・サグディエフ)、マリア・バカロヴァ(娘トゥーター・サグディエフ)、ダニ・ポペスク(ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領)、マヌエル・ヴィエル(ヤマク医師(ジプシーの涙))、ミロスラフ・トルジ(隣人ヌルスルタン・トゥルヤクバイ)、アリン・ポパ(息子ヒューイ・ルイス(ジェフリー・エプスタイン)・サグディエフ)、イオン・ゲオルゲ(息子ビラク・サグディエフ)、ニコライ・ゲオルゲ(息子ビラム・サグディエフ)、トム・ハンクス(本人)、メイシー・シャネル(インスタグラマー・クレジットなし)、マイク・ペンス(本人・クレジットなし)、ルディ・ジュリアーニ(本人・クレジットなし)

 

STORY

前作『ボラット』でカザフスタンを侮辱したかどで、ジャーナリストのボラット・サグディエフは終身刑を宣告され、牢獄に入れられていた。あれから14年、ナザルバエフ大統領はボラットを釈放し、アメリカのドラルド・トランプ大統領に取り入るため、文化大臣のおさるのジョニーを貢ぐように指示する。トランプには近づけそうにないため、ボラットは副大統領のマイケル・ペンスにおさるのジョニーを持っていくことにする。故郷に帰り、隣人にすべてを奪われていたことを知ったボラットは自分に15歳になる娘トゥーターがいることを知る。世界各地を巡りながらテキサス州に到着したボラットは変装して携帯電話を手に入れ、コンテナで運ばれてきたジョニーを迎えに行くが、そこにはジョニーを食べてしまった娘のトゥーターがいた。ボラットはナザルバエフにファックスして指示を仰ぎ、トゥーターをマイケル・ペンスに差し出すことにする。


日本でもヒットした『ボラット』の続篇。Amazonプライムビデオにて配信。

 

前作の番組プロデューサーに代わり、今回は娘のトゥーターとアメリカを旅するボラット。

このトゥーターが最初は納屋で暮らしていて見るからに小汚い服装、ボサボサの髪、繋がった眉毛といった外見をしていたのが、マイケル・ペンスに差し出すためにシュガーベイビーとなるべく変身を遂げていく。

前作同様、おバカでお下劣なボラットだが、その相手をしている人たちや遠巻きに見ている人たちの反応が可笑しい。ボラットのためにファックスをしてあげるおじさんやこれから豊胸手術を受けるトゥーターを本気で心配する女性、典型的なユダヤ人の格好をしてシナゴーグに向かったボラットに「私たちの鼻はそんなに長い?」と怒ることもなく教え諭すホロコーストの生き残りの老女たち(そのうちの一人、ジュディス・エヴァンズさんは亡くなられたそうで最後に弔辞が表示されるが、遺族からは訴えられているらしい。笑)などなど何だかいい人ばかり。

 

後半は新型コロナウイルスの感染が広がった時期となるが、ボラットは誰もいない街で出逢ったマスクをしないトランプ支持者の家へと向かう。サシャ・バロン・コーエンさんによれば、この時の撮影が一番怖かったとか。笑

更に明らかになる新型コロナウイルスの真実。まさかそんな陰謀があったとは!(ちなみに黒幕のナザルバエフ前大統領は6月に感染したそうで。笑)

 

そして最後に表示される"NOW VOTE"(投票しよう)の文字。

大統領選を間近に控えたこの時期にこの作品をぶつけてくるあたり、やりますなぁ。ボラットがこんな真面目なメッセージを出さなければいけないほど、現大統領がとんでもないということでもあるのだけど。