ままごと『反復かつ連続』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

ままごと『反復かつ連続』

 

 

2020年9月22日(火・祝)

アトリエビル・HUNCH

 

作・演出:柴幸男

映像:須藤崇規  衣裳:瀧澤日似(PHABLIC×KAZUI)

出演:小山薫子(女1/女2/女3/女4/女5/女6)

 

STORY

慌ただしく朝食を食べ、学校に向かう小学生の四女。今日から部活動の夜練が始まる中学生の三女。地元で就職することを決めたものの、学校に行きたくない高校生の次女。交際相手を今夜連れてくる予定の社会人の長女。テレビでは『ズームイン!朝』。母は4人の朝食を用意する一方、祖母は一人お茶を飲む。


6月に上演が予定されていた2007年初演の初期短篇を配信版として再構成。

ZOOMウェナビーを用い、画面はリビング、洗面所、キッチン、玄関の4分割。

 

出演は小山薫子さん1人で、何気ない朝を迎えた四姉妹と母、祖母の6人を順に演じていく。

1つの役が終わると羽織っていた衣裳を椅子にかけ、次の人物へ。

多重録音の要領で徐々に台詞が積み重ねられ、同じシーンが段々立体的になる。

最後にそうした朝の騒がしさとは無関係にお盆に急須とお茶を運んできて、窓際に座ってお茶を飲むお祖母ちゃんが出てくるのだが、ここで描かれているのはとある一家の朝の風景というよりは人の一生ということに気づく。人はこうした日常を反復することで成長し、老いていき、そして死んでいく。わずか20分の作品でそんなことまで感じさせる柴さんはさすが。

 

終演後は柴さんと小山さんが視聴者からの質問に答える形でアフタートーク。

プレビューの時は曇りばかりだったが、本番の今日は朝日がいい具合に差し込んでいたと。

上演時間約21分。全体では約1時間5分の配信。