笑の内閣『信長のリモート・武将通信録』シナリオ1「本能寺のzoom」 | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

笑の内閣 オンライン演劇

『信長のリモート・武将通信録』シナリオ1「本能寺のzoom」

 

 

2020年6月20日(土)

 

作・演出:高間響

バイオリン演奏:武田朗秀  ピアノ演奏:高間叔枝

映像テクニカル:淺越岳人(アガリスクエンターテインメント)  映像作成:竹崎博人

演出補佐:しんえな、中川ひなの  宣伝美術:脇田友(スピカ)

衣裳協力:時代衣裳おかむら  土佐弁翻訳:浜口真由美
制作:吉岡ちひろ(劇団なかゆび)、葛川友理(劇団トム論/気持ちのいいチョップ)

 

出演:

髭だるマン[笑の内閣](羽柴筑前守秀吉)

福地教光[バンタムクラスステージ](惟任(明智)日向守光秀)

大町浩之[拳士プロジェクト](織田上総介信長)

ラサール石井(柴田修理亮勝家)

神田真直[劇団なかゆび](惟住(丹羽)五郎左衛門長秀)
伊藤今人[ゲキバカ/梅棒](滝川左近将監一益)

中路輝[ゲキゲキ/劇団「劇団」](池田勝三郎恒興)

和泉聡一郎[劇団道草](矢部善七郎家定)

杉田一起(徳川三河守家康)
高瀬川すてら[劇団ZTON/Sword Works](お市)

淺越岳人[アガリスクエンターテイメント](筒井陽舜房順慶)

三遊亭はらしょう(古田重然(織部))

熊谷みずほ(帰蝶・エリカ様)
近藤珠理(帰蝶・川口春奈)

横山清正[気持ちのいいチョップ](北畠三介信意(織田信雄))

松田裕一郎(織田源吾長益(有楽斎))

松田琉太郎(三法師(織田秀信))

岡本昇也(吉田神祇大副兼兼見)
谷屋俊輔[ステージタイガー/焼酎亭](長岡兵部大輔藤孝(細川幽斎))

河合厚志[押ボタン制作](前田又左衛門利家)
田宮ヨシノリ(森武蔵守長可)

しんえな(森成利(蘭丸)・声の出演)

土肥嬌也(前田慶次郎利益)
三鬼春奈[gallop](ねね)

山下ダニエル弘之(ルイス・フロイス)

池川タケキヨ[ニットキャップシアター](星野源)

寺地ユイ[きまぐれポニーテール](語り・有働由美子)

中川ひなの(紀行語り)

 

STORY

時は1582年6月1日深夜(現在の暦で6月20日)、織田家はzoomを活用して軍議を行っていた。その日も本能寺滞在中の織田信長、丹波亀山城から出陣直前の明智光秀、北陸方面軍柴田勝家、関東方面軍滝川一益、四国方面軍丹羽長秀、中国方面軍羽柴秀吉の6人がzoomで軍議をする。秀吉への援軍に向かう光秀が早々と退出した以外は、いつものようにzoom軍議は進む。しかし、突如信長の画面の後ろに火の手が上がり謀反が起きたことがわかる。重臣たちは慌てて、逃げるように説得するが通信は途絶えてしまう。zoom軍議は、急遽その後の対応に変わる。一体、誰が信長を襲ったのか?信長は無事なのか?


THEATRE E9 KYOTOが立ち上げた仮想劇場《THEATRE E9 Air》上演作品。

 

天正10(1582)年にzoomがあり、リモート軍議を行っていたら――という設定で繰り広げられるオンライン演劇。配信トラブルにより15分押しての開演。

 

オンライン演劇数あれど、時代劇は初めてでは。

笑の内閣らしく、時事ネタをこれでもかと放り込みつつ(岡村発言、アベノマスク、星野源さんとのコラボ、帰蝶役が突然別人に、あつもりetc…)、要所要所は史実も踏まえてのやりとりが繰り広げられ、想像以上の出来。ワンアイディアに終わらず、例えば、光秀が退席した後、信長が光秀の貢献度を称え、国を2つ与えるつもりだという話を他の家臣たちにするシーンでは、光秀がまだ退席していなければ……と歴史のifを思わずにはいられない。

また、最後に清洲会議を対面で行うことを秀吉が提案し、以後の歴史の流れが変わってくるという点も心憎い(それによってzoom会議を取り仕切っていた矢部家定は用なしに)。秀吉の「やっぱり生が一番」という台詞は(若干下がかってもいるけど)、オンラインもいいけど演劇はやっぱりライブで、対面で行ってこそだよね、という意味合いにも通じる。

最後に「信長リモート紀行」と称して本能寺の辺りを紹介するあたりも凝っていた。

 

上演時間約1時間46分。

明日は明智側陣営を描くシナリオ2。

 

終了後、THEATRE E9 KYOTO芸術監督のあごうさとしさん、立憲民主党の衆議院議員・山本和嘉子さん、したため主宰・和田ながらさん、そして出演予定だった門川大作京都市長の代理で京都市文化芸術政策監の北村信幸さんが登場し、「コロナ禍と舞台芸術の未来を考える」というテーマでアフタートーク。