大鶴佐助・大鶴美仁音ふたり芝居『いかけしごむ』 | 新・法水堂

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大鶴佐助・大鶴美仁音ふたり芝居

『いかけしごむ』

 

 

2020年6月17日(水)・18日(木)

浅草九劇

 

作:別役実

構成・演出・出演:大鶴佐助、大鶴美仁音

 

STORY

暗い夜、幾晩も無駄に過ごす女の所へ、何かに追われてサラリーマンで発明家の男がやってくる。女はやけに事実にこだわりながら男にココロのヒミツを話させようとする。1人のリアリズムの世界がもう1人のリアリズムの世界をゆっくりと侵食した先に残るものとは、そしてもともとあったものとは。【公式サイトより】


浅草九劇のリニューアル企画第3弾。

 

1989年、かたつむりの会によって初演された別役実さんのふたり芝居に、大鶴美仁音さん、佐助さんの姉弟が挑む。

 

舞台には「ココニハスワラナイデクダサイ」と看板が立っているベンチと手相見の机。

天井からは赤い受話器が下がっている。

美仁音さんは珍しく眼鏡姿でサザエさんのような髪型。佐助さんは黒いゴミ袋のようなものを持って登場。女が男の妻が家を出たなどと事実を言い当てたかと思いきや、死んだ娘がいると言い出して男を狼狽させる。

実の姉弟が息の合ったところを見せ、これぞ別役流会話劇と唐十郎DNAの幸福な融合! などと思っていたら、最後の最後になな、なんと、幕が取り除かれるとそこには唐十郎さん。寄っていくカメラ。その表情、特に眼光は鋭いものがあり、「唐!」とベテラン唐組ファンのように声をかけたくなってしまった。

いやぁ、ええもん見せてもらいましたわ。

 

上演時間約58分。