シェイクスピアズ・グローブ『ハムレット』(2018) | 新・法水堂

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シェイクスピアズ・グローブ『ハムレット』

SHAKESPEARE'S GLOBE: HAMLET

 

 

2018年イギリス 2時間34分

作:ウィリアム・シェイクスピア

演出:フェデレイ・ホームズ&エル・ホワイル

美術:エレン・パリー  作曲:ジェイムズ・マロニー

振付:シアン・ウィリアムズ  擬闘:ヤリット・ドー

 

出演:

ミシェル・テリー(王子ハムレット)

ジェイムズ・ガーノン(デンマーク王クローディアス)

ヘレン・シュレシンジャー(王妃ガートルード)

コリン・ハーリー(先王の亡霊/墓掘り/役者)

リチャード・カッツ(宰相ポローニアス/僧侶)

ベトリス・ジョーンズ(ポローニアスの息子レアティーズ/役者)

シュバム・サラフ(ポローニアスの娘オフィーリア/従臣オズリック)

カトリン・アーロン(ハムレットの親友ホレイショー)

タニカ・イヤーウッド(将校マーセラス/ポローニアスの従者レナルドー/役者)

ジャック・ラスキー(将校フランシスコー/役者/ノルウェイ王子フォーティンブラス)

ピアース・クイグリー(ハムレットのかつての学友・ローゼンクランツ)

ナディア・ナダラジャ(同・ギルデンスターン)

 

音楽監督/トランペット:エイドリアン・ウッドウォード

パーカッション:ルイーズ・アナ・ダガン

トロンボーン:ヒラリー・ベルシー、ステファニー・ダイヤー

バス・トロンボーン:アダム・クライトン

 

STORY

デンマーク、エルノシア城。先代の王ハムレットが亡くなり、弟のクローディアスが王妃ガートルードと結婚して王位に就く。母が父の死後、わずか2ヶ月で再婚したことを許せずにいた王子ハムレットは、先王の亡霊から現王によって毒殺されたことを知り、復讐を誓う。狂気の振りをして復讐の機会を窺うハムレットだったが、誤って恋人オフィーリアの父ポローニアスを刺し殺す。そのせいで正気を失ったオフィーリアは川で溺死体となって発見される。怒りに駆られたオフィーリアの兄レアティーズと剣術の試合をすることになったハムレットだったが、クローディアスはハムレットを毒殺することを企んでいた。


シェイクスピア・グローブによる無料配信第1弾。

 

2018年、テムズ川沿いにあるグローブ座での上演を収録したもので、タイトルロールを演じるのは芸術監督でもあるミシェル・テリーさん。

ハムレットをはじめ、レアティーズ、ホレイショー、マーセラスなどを女性が演じ、オフィーリアを男性が演じる。そうしたジェンダーフリーな配役にくわえ、ギルデンスターンは聾啞の女優が演じている。

全体的に違和感はなかったけど、オフィーリア役のシュバム・サラフさんの胸毛だけはちょっと…。笑

 

 
最近、ナショナル・シアター・ライヴやらアンドルー・ロイド・ウェバー作品やらで海外の舞台作品を配信で観る機会が多くなったが、さすがにシェイクスピア作品は英語字幕付きでもなかなか難しい(そもそも現在では使われない言い回しもあるし)。お馴染みの作品なので筋を追うのは問題ないけど、時折、松岡和子さんの訳も見つつの鑑賞。台詞はちょこちょこカットされていた。

 

個人的にはハムレットは狂気を装っているのではなく、本当に狂っていると思っているのだけど、本作ではジョーカー張りの白塗りメイクをしたりなどして、あくまで演技なのだということを強調しているように感じた。

全体的にどの登場人物も人間味が感じられたが、中でもクローディアスは罪を犯した後ろめたさと地位を守ろうとする強欲さとを併せ持っていて一番興味を惹かれた(逆にガートルードだけは絶対理解できん)。

 

今回、初めてグローブ座での公演を見て驚いたのが、観客が立っていること。野球場のように周りに客席はあるのだが、グラウンドに当たる部分が立見席となっている。最前列の人なんて舞台に腕を乗せてかぶりつきで観ていた。

屋根もないので段々と暗くなっていくのも分かる。

セントラルパークの野外劇とこれは一度、体験してみたいなぁ。