『ねらわれた学園』
1981年日本映画 90分
監督:大林宣彦
製作:角川春樹 原作:眉村卓(角川文庫版)
脚本:葉村彰子 プロデューサー:逸見稔、稲葉清治
撮影監督:阪本善尚 美術デザイン:薩谷和夫 音響デザイン:林昌平
音楽監督:松任谷正隆 主題歌:「守ってあげたい」作詞・作曲・唄:松任谷由実
ピクトリアルデザイン:島村達雄、坂間雅子(白組)
作画合成:岡田明方、山田孝(チャンネル16)
編集:P・S・Cエディティング・ルーム ネガ:相沢尚子
記録:新沼恵子 ファッション・コーディネイター:斉藤のり子
助監督:山下稔 製作担当:隈部文康
出演:薬師丸ひろ子(三田村由香)、高柳良一[新人](関耕児)、長谷川真砂美(高見沢みちる)、峰岸徹(星の魔王子)、手塚真[手塚眞](有川正一)、三浦浩一(山形先生)、大石吾朗(清水先生)、明日香和泉[明日香いづみ](高倉先生)、岡田裕介(須田先生)、眉村卓(!)(校長先生)、山本耕一(由香の父・三田村卓也)、赤座美代子(由香の母・三田村圭子)、ハナ肇(耕児の父・関熊吉)、千石規子(耕児の祖母・関タケ)、長谷川真由美(耕児の妹・関道子)、鈴木ヒロミツ(関酒店店員・広志)、久里千春(正一の母・有川峰子)、大山のぶ代(関酒店の客・主婦A)、青木和代(同B)、宇野喜代子[友情出演](同C)、【剣道部員】船木浩行(副将・大野)、高橋克典(中堅・倉田)、茂木昌利(次鋒・茂木)、酒井通雄(先鋒・酒井)、大田衛、菅野博文、鈴木祐二、【応援指導部員】宮寺和彦(村瀬)、杉本智孝(野村)、松林達夫、杉京之助、大谷貴志、【2年B組の生徒たち】中川勝彦(友田)、西角雅教(竹村)、水島かおり(雨宮)、小森敬一(井口)、三留まゆみ(口紅の白坂)、岡本プク(マッチの岡田)、渡辺肇(ローラースケートのふたり)、大林千茱萸(同)、岩田光高(つっぱりのふたり)、永沢日和(同)、大山宣子(何もしなかった子)、橘井孝司、横山政幸、田中穂積、見沢武彦、関根輝政、菅原靖人、吉山和昭、斉藤陽子、飯塚容子、小杉可奈子、宮内理恵、小林恵、羽辺恵子、山本歩、長沢里見、根本里生子、【その他の生徒たち】井上浩一(新入生市川)、若林美智子(レモンちゃんのふたり)、浜田みどり(同)、小西恵子(ポップパンツのふたり)、池上千代(同)、【運動部員】塚越公子、会沢由香、佐藤玲子、菅野美和子、堀江嵩子、川野美加、戸梶ちほ、【生徒会役員立候補者演説会】佐藤吉郎(演説する本多)、安田裕治、島沢照代、岸正明、田沢仁章、山崎康雄、【生徒会(パトロール隊)】大野貴保(小川)、村上正仁(大木)、河地義博、高沢知一、橋爪康孝、大平和弘、小笹真弓、田中満優美、山本愉美、荒井恵美子、間仁田千晴、【城南高校剣道部】ジャンボ杉田(大将・嵐)、小池哲芳、白井徹也、田の頭保弘、松田政男[友情出演](部長先生)、【城北高校剣道部】坂根英功(先鋒)、小谷承靖[友情出演](部長先生)/角川春樹(!)(第1回主審)、高林陽一[友情出演](第1回副審)、平田穂生[友情出演](第1回大会委員長)、松原愛[特別出演](第1回アナウンス嬢)、大内勇吉[友情出演](第2回主査)、阪本やす子(第2回アナウンス嬢)、浅野光伸(ワルガキ小学生A)、橋満耕司(同B)、佐野大輔(同C)、秋永和彦(三輪車の男の子)、森本琴(眠る老婆)、大林万里江(乳母車の赤ん坊)、羽生杏子[大林恭子](みちるの母)、内藤忠司(クルージング)、山名兌二[友情出演](トランペットの男)、山名圭子[友情出演](踊る女)、ロッキー坂本(隣の長介)、広瀬正一(隣の老人)、代々木T-WAY[友情出演](ローラースケートの若者たち)、ジミー原田&オールドボーイズオールスターズ[友情出演](公園のジャズバンド)、田山力哉[友情出演](車椅子の男)、檀ふみ[特別出演](看護婦)、南田洋子[クレジットなし](関耕児の母・遺影)、藤田敏八[クレジットなし](三田村由香の祖父・遺影)、浅野温子[クレジットなし](アルタビジョンに映る少女)
STORY
春。第一学園の優等生三田村由香も二年生に進学していた。ある日、由香と級友の耕児が下校中、走って来るトラック前に出た三輪車が、矢の様に後戻りした。心の中で「戻りなさい」と叫んだ由香は不気味な不安を感じた。剣道部の選手、耕児は対校試合に出場した。敗けが続き、最後に残った耕児は危いところで逆転勝ちを続け、第一学園の勝利に終った。実は、観戦していた由香が「敗けないで」と心の中で念じ続けていたのだ。自分の奇妙な力に不安をつのらせる由香は、耕児に相談するが、彼は頭から取り合わない。そんな彼女に、成績のトップを競う有川が「お前みたいな奴は、そのうち復讐されるんだ」と訳のわからぬ事を話した。さらに、彼女のところに、京極と名乗る男がやってきて、「僕と手を組もう、世界を思うままに支配できる」と誘った。有川は学力向上のために「英光塾」という所に通っていたが、この塾は京極の手で操られているのだった。数日後、由香たちのクラスに高見沢みちるが転校してきた。みちるは不思議な魅力と魔力で生徒や先生を翻弄、先徒会会長になって、風紀を乱した生徒を取締る学内パトロールを組織して自分の思い通りに学園を作り変えていく。それが超能力の仕業と気付く者はなく、唯一人、由香だけが疑問を抱き始めた。パトロールはエスカレートし、耕児たちの不満はつのった。そして、みちるのやり方に批判的だった山形先生が交通事故に遇い、瀕死の重傷を負った。また仲間の野村や村瀬も不自然な事故に遭うに至ってついに由香と耕児は立ち上がった。すべての原因は「英光塾」にあると、由香、耕児はそこへ向った。由香が超能力で京極を倒し、操られていたみちるも元に戻る。そうして学園は昔と同じ明るさを取り戻すのだった。【「KINENOTE」より】
大林宣彦監督を追悼してAmazon Prime Videoにて鑑賞。
大林監督は近年の作品がどれもこれも好きすぎるんだけど、正直なところ、80年代の作品は後追いということもあって、あまりちゃんと観て来なかった(『時をかける少女』はさすがに観てるけどね)。
本作は薬師丸ひろ子さんありきで作られた正真正銘の“アイドル映画”ではあるが、やはり大林監督だけあってかなりクセの強いものとなっている。
今見るとCGのチープさや峰岸徹さん扮する星の魔王子のビジュアルに笑ってしまうのだけど、フィルムを部分的にモノクロにしたりカラーにしたりとこだわりが感じられた。
松任谷由実さんの「守ってあげたい」がこの映画のために書き下ろされた曲だったとは知らなかったけど、これが2年後の「時をかける少女」に繋がっていくわけですな。
薬師丸ひろ子さんはふっくらしていて可愛らしい。長谷川真砂美さんの方が美人だけど(いかにも大林監督好みの外見)、だからと言って芸能界で生き残れるわけではないのよねぇ。
若き日の手塚眞さんやしょこたんパパの中川勝彦さんなんかも出ていたのかー(イマイチ、どれがしょこたんパパか分からなかったけど、眼鏡をかけていた生徒ね)。
その他にも特別出演、友情出演のオンパレードで、エンディングクレジットでは原作者と製作者の名前の後にそれぞれ(!)がついているご丁寧さ。それはいいんだけど、「橋爪」が「橘爪」になっていたり、「檀ふみ」が「壇ふみ」になっていたり、とミスも目立つ。
そうそう、誤植と言えば、終盤、新聞の見出しに思いっきり「原因以前不明」と書いてあった。
実際にこんなミスやらかしたら、クビが飛びまっせ。笑