『翔んで埼玉』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『翔んで埼玉』

 
 
2019年日本映画 106分
監督:武内英樹
原作:魔夜峰央『翔んで埼玉』  脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE  主題歌:はなわ『埼玉県のうた』
撮影:谷川創平  照明:李家俊理  録音:加藤大和  編集:河村信二
美術:棈木陽次  衣裳:田中まゆみ  ヘアメイク:塚原ひろの
記録:渡辺美恵  監督補:森脇智延  助監督:楢木野礼
 
出演:二階堂ふみ(壇ノ浦百美)、GACKT(麻実麗)、伊勢谷友介(建造の執事・阿久津翔)、ブラザートム(菅原好海)、麻生久美子(菅原真紀)、島崎遥香(菅原愛美)、京本政樹(埼玉デューク)、中尾彬(百美の父・東京都知事・壇ノ浦建造)、武田久美子(百美の母・壇ノ浦恵子)、麿赤兒(麗の養父・西園寺宗十郎)、竹中直人(神奈川県知事)、間宮祥太朗(埼玉県の青年)、成田凌[友情出演](愛美の婚約者)、加藤諒(Z組生徒・下川信男)、益若つばさ(家政婦おかよ)、鈴木勝大(埼玉解放戦線員・東郷修)、福山翔大(同・岩村智史)、岡山天音(宗十郎の側近・猿橋)、間宮祥太朗(埼玉県の青年)、高月彩良(A組学級委員・高月貴子)、秋月三佳(A組女子)、田中明(同)、搗宮姫奈(同)、宮澤竹美(Z組生徒・山田昌子)、荒井レイラ(B組生徒)、つじかりん(同)、山田菜子(Z組生徒・松本うめ)、MISAKI、矢柴俊博(大宮支部長)、勝矢(浦和支部長)、水野智則(与野支部長)、江戸川じゅん兵(東松山支部長)、竹森千人(草加支部長)、廻飛呂男(深谷支部長)、沖田裕樹(川口支部長)、市川刺身[そいつどいつ](新座支部長)、佐野泰臣(上尾支部長)、西岡ゆん(熊谷支部長)、川口直人(川越支部長)、小沢真珠(千葉解放戦線員・浜野さざえ)、中原翔子(同・浜野あわび)、神戸浩(群馬県人)、菅登未男(春日部の埼玉県人)、井上依吏子(百美の担任)、松田リマ、小多田直樹、奥村知史、古口拓也、黒島蓮、柏崎隼風、渡邉達也、金剛地武志、保里ゴメス、山田眞央(マンホールから出てくる埼玉県人)、山田芳実、山田眞里江、二瓶拓也、善積元、海老澤英紀、花戸祐介、五頭岳夫(群馬県人)、大谷幸広(同)、落合由佳(テレビ埼玉アナウンサー)、パックン(声の出演)、佐々木もよこ(声の出演)、ふなっしー、チーバくん、ふかっちゃん
Special Thanks(登場順):YOSHIKI、高見沢俊彦、真木よう子、桐谷美玲、反町隆史、竹野内豊、小倉優子、小島よしお、市原悦子、JAGUAR、
埼玉ポーズ(五十音順):相島一之、アキラ100%、アバンティーズ、綾小路翔(氣志團)、安藤優子、飯田里穂、イジリー岡田、加藤綾子、小島進(深谷市長)、小嶋陽菜、小林克也、小林かれん、さいたまんぞう、鷺谷政明、島崎遥香、崇勲、DAIGO、ダイアモンド☆ユカイ、谷花音、TKda黒ぶち、デーブ・スペクター、長谷川俊輔(クマムシ)、波多江良一、はなわ、早川茉希、林純也、姫野佐和子、Maki、槙野智章(浦和レッズ)、宮澤智(フジテレビアナウンサー)、山本文香
 
STORY
埼玉県の農道を、1台のワンボックスカーがある家族を乗せて、東京に向かって走っている。 カーラジオからは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」に続き、DJが語る埼玉にまつわる都市伝説が流れ始める――。
その昔、埼玉県民は東京都民からそれはそれはひどい迫害を受けていた。 通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されるため、 埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた。
東京にある、超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子の壇ノ浦百美が、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、 生徒会長として君臨していた。 しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。麗は実は隠れ埼玉県人で、手形制度撤廃を目指して活動する埼玉解放戦線の主要メンバーだったのだ。 その正体がばれて追われる身となった麗に、百美は地位も未来も投げ捨ててついていく。
2人の逃避行に立ちはだかるのは、埼玉の永遠のライバル・千葉解放戦線の一員であり、壇ノ浦家に使える執事の阿久津翔だった。 東京を巡る埼玉vs千葉の大抗争が群馬や神奈川、栃木、茨城も巻き込んでいくなか、伝説の埼玉県人・埼玉デュークに助けられながら、 百美と麗は東京に立ち向かう。果たして埼玉の、さらには関東の、いや日本の未来はどうなるのか――!?【公式サイトより】

1982年から83年にかけて「花のゆめ』別冊に連載され、30年以上経ってからSNS上で話題となった魔夜峰央さんの同名コミックを実写映画化。
 
主演はなぜか揃って沖縄出身コンビの本作。
全然知らなかったけど、二階堂ふみさんは男役だったのね。
話が進むにつれ、ボーイズ・ラブ的展開になっていくのだけど、このあたりは『パタリロ!』(そういや加藤諒さんも出てたな)を彷彿とさせた。
ストーリー自体はやや中だるみもあったけど(麗が実は埼玉県人、というのはもう少し引っ張ってもよかったかも)、現代パートのオチはなかなかよかった。
なんだか最後の「日本埼玉化計画」のくだりは新型コロナウイルスのように感じられてしまったな。劇中でもサイタマラリアという感染症が出てきて笑ってしまったけど。
 
キャストは主演の2人をはじめ、伊勢谷友介さんや京本政樹さんも真面目に馬鹿馬鹿しいことをやっていて、その辺りはなかなか楽しい。麿赤兒さんがまさかの白塗りというのもナイス。
 
この作品自体は嫌いではないし、決してコメディ映画を下に見ているわけではないのだけど、これが日本アカデミー賞で優秀賞を最多受賞した作品というのはがっくりするものがある。最優秀作品賞はかろうじて『新聞記者』が獲ったものの、最優秀脚本賞と最優秀監督賞は受賞してしまったからなぁ。