劇団黒テント 第78回公演
『ぼっかぶり』
2020年1月22日(水)~26日(日)
「劇」小劇場
演出:服部吉次
台本:服部吉次 山形裕子歌集『ぼっかぶり』より
音楽:荻野清子
擬闘:栗原直樹(WGK)
擬闘助手:水谷悟(WGK)
舞台美術:福田秋生
美術協力:篠川理湖、松島柚子、中村友香、波田野宇乃
舞台監督:佐藤昭子
照明:齋藤茂男(シアタ-クリエイション)、足立昌也
照明オペレーション:坂口瑞穂
音響:島猛(ステージオフィス)
音響オペレーション:中山美里
宣伝美術:伊波二郎 宣伝デザイン:小田善久
映像オペレーション:光田圭亮 票券:冨田訓広
出演:平田三奈子、本木幸世、内沢雅彦、片岡哲也、服部吉次、小篠一成、愛川敏幸、久保恒雄、山本健治、宮崎恵治
STORY
2005年、74歳の歌人・山形裕子(ひろこ)は脳梗塞を起こして入院。しばらくは短歌を読む気になれなかったが、妹尾河童の『少年H』を読み、詠っておきたいものを見つける。それは神戸の六甲で過ごした少女時代のことだった。裕福な家に育った裕子だったが、1937年に日中戦争が始まると父・正雄が出征。その後、不名誉除隊されて戻ってくるが、太平洋戦争が始まるに及び、裕子と妹の紀子は母・ちえに連れられて見知らぬ親戚に預けられる。堪りかねて親戚の家を飛び出した裕子と紀子は祖父の墓に供えてあった食べ物で空腹をしのぐが、村の者に見つかり「ぼっかぶりみたいな奴だ」と言われる。
劇団黒テント、2年ぶりの本公演。
山形裕子さんの歌集『ぼっかぶり』に収録されている短歌を基に演劇作品に仕立て上げている。ちなみに「ぼっかぶり」とはゴキブリのこと。
キャストは10人で、全員が入れ替わり立ち替わり複数の役を担い、裕子にしても2人の女優さんが入れ替わりで演じるため、一般的な演劇というよりはパフォーミングアートに近い。
物語としては裕子の幼少期から終戦を迎えるまでが描かれているのだが、25のパートで構成されているせいか、全体的にぶつ切りされていて最後まで乗れずに終わってしまった。せめて裕子役は固定した方がよかったのでは。
最後、キャストが演奏しての歌はなかなかよかったな。
上演時間約1時間46分。

