小松左京展「D計画」 | 新・法水堂

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小松左京展「D計画」

 

 

2019年10月12日(土)~12月22日(日)

世田谷文学館

 

小松左京さん(1931-2011)の企画展を最終日に駆け込み鑑賞。
「D計画」とは『日本沈没』に出てくるプロジェクト名。
 
本展では作家デビュー前の活動から(京大の同期・高橋和巳さんとの交流も)、漫画家としての活動、『復活の日』『果しなき流れの果に』『日本沈没』『首都消失』『虚無回廊』といった代表作、星新一さん、筒井康隆さん、大伴昌司さん、開高健さんら作家との交流、そして大阪万博や花博など小松さんが携わったビッグ・プロジェクトについて紹介。
 
やはりメインは『日本沈没』ということで、日本地図も駆使して詳細に解説。もちろん直筆原稿や創作メモもふんだんに展示。本当に書きたかったのは第二部とのことなので、今度改めて読んでみなくては。
その他には、来年Netflixで配信される湯浅政明監督のオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』の絵コンテも。大森一樹監督によって『日本沈没1999』が製作発表までされながら、企画自体が沈没してしまったというのは初めて知ったな。
 

書斎で使われていた机。
 
猫好きの一面も。
 
続いて1階にて来年4月まで開催のコレクション展《「新青年」と世田谷ゆかりの作家》も鑑賞。
 
 
 
横溝正史、小栗虫太郎、海野十三らの直筆原稿や書簡を展示。
中では何と言っても小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』の直筆原稿!
初めて生で見たけど、おお、こういう字を書いていたのかと感動することしきり(それに引き換え、横溝の字はちょっと弱々しくて感動はない。笑)。
最初は題名が「黒死病館殺人事件」となっていて、「病」を二重線で消してあったり(そのこと自体は知ってはいたけど)、校正一覧が表にしてあったり、貴重すぎる。
あ、ちなみに私のHN「法水」は法水麟太郎から来ておりまして、ネットを始めたときにちょうど『黒死館殺人事件』を読んでいたからという単純な理由でつけたのが十数年にわたって使うことになるとは。笑
無料で配布されている小冊子も三氏の交流についてまとめられていて必読よ。