カジュアルバトルで禁伝統一を使う上で,対策が難しい一般準伝パラドックスポケモンをキャラランクにまとめた。

このランキング以外にも強力なポケモンはいるが,特に対策が難しいポケモンに絞っている。


SS 禁伝以上のスペックを持つ。完全な対策は不可能。

S 上振れ要素の塊。対策がかなり難しく,対策しても運次第で突破される。特にSSランクに対策を厚くすると苦戦を強いられる

A 禁伝に非常に強い性能を持っており,対策が難しい。選出を歪める力が強い

B 禁伝に刺さりやすい能力を持つ。


各キャラについての解説(Bランクは一部のみピックアップ)

SSランク

・ディンルー…素早さ以外アナザーギラティナの完全上位互換の数値。異常過ぎる物理特殊両耐久,火力を補うカタストロフィ,地割れを持つ。テラスタルまで考慮すると対面有利な禁伝は不在。

・ヘイラッシャ…超物理耐久+天然で全ての物理を否定する。異常耐久で地割れの試行回数を稼ぐ。

エレキフィールドであくびを防ぐ場合地割れを拒否できず,浮いているポケモンはあくびを拒否できない点が極めて理不尽である。ミライドンで対面処理が可能であるにもかかわらずSSランクの評価をしているのはこのため。

・赫月ガチグマ…あくび型に勝てる禁伝は不在。耐久火力が非常に高く,微妙な特殊耐久もチョッキで補えるため,ミライドンで無理矢理突破できず,一切の隙がない。


Sランク

・パオジアン…S135からの氷柱落としの怯みと絶対零度が脅威。コライドン,ミライドンと同速であり,同速勝負と氷柱怯みの運が絡む。

・オオニューラ…フェイタルクローの追加効果と軽業による上振れ狙いが脅威。フェイタルクローが効かない鋼はインファイト又は襷起死回生で倒せる。テラスやシード系アイテムで耐久を上げて剣の舞を積んでくる型もある。

フェイタルの上振れが狙えない相手は軽業とのコンボによるシンプル火力に対応できない点が理不尽と言える。

・ハバタクカミ…古代活性で素早さを上げてからの電磁波による上振れが脅威。受け破壊系統に対して上から行動できる点も強い。


上記の3体は,SSランクとは異なり耐久面は一般ポケモンとして常識の範囲であり,技を通すことができれば倒すことは難しくない。


Aランク

・カイリュー

テラスタル+マルチスケイルの噛み合いの良さと異常な程の型の豊富さが脅威。特にアンコールを覚えたことで技を縛られて起点にされるリスクが増えた。

ただし,単純スペックそのものはSSランクやSランクのポケモンには劣る上,マルチスケイルありきの強さであることから,型が分かればまだ対処は可能な部類である。


・霊獣ランドロス

禁止級に非常に強いスペックを持つ。今作も威嚇による攻撃デバフと一致地面打点の刺さりの良さから,ザシアン,ミライドン,コライドン等の上位禁伝に強い。

ただし,汎用枠以上の強さはないため,一方的に蹂躙されることは少ない。


・メタモン

最凶特性かわりものにより,禁伝の能力をコピーし,禁伝以上に暴れ回る。

今作も黒バドザシアンへの強さは健在。

しかし,ザシアンの特性ナーフがかわりものにも反映されたことで脅威度は多少落ちた。また,8世代のように積みアタッカーや弱点保険が絶対的に強い環境ではなくなり,メタモンでは殴り勝てない禁伝も増えた。このため,前世代よりはマシになっている。


・オーロンゲ

先制壁貼りと電磁波捨て台詞によるサポート性能が凄まじい。特に積み技持ちの黒バドやコライドンとのコンビには現状明確な対処法は存在しない。

タイプ上黒バドに圧倒的有利であるため,黒バドの選出を抑制できてしまうのも長所。

オーロンゲ自体にボコられることはほぼない上に,スペック自体は最上位のパルデア組に劣る。壁ターンを上手く稼げればなんとかなることも。


・ドーブル

あらゆる技を覚えることでサポート技のスペシャリストとして君臨。特に小さくなるバトンが脅威で,決められた瞬間に勝ち目がなくなる。非常に豊富な技バリエーションにより全対応は極めて困難。

持ち物が襷で固定されることと,そもそもの個体数が非常に少ないことから最上位のパルデア組ほどの脅威とはならなかった。


Bランク(一部のみ)

・ガブリアス

テラスタルとの噛み合い+剣舞スケイルショットによる全抜き性能+禁伝に刺さりやすい攻撃範囲が非常に厄介。

コライドン等の火力ゴリ押しは半減テラスorテラスしない時に不安定であるため,ルナアーラやルギア,吠えるアルセ等テラスなしで対応できる禁伝で対処したい。

テラス前提なら対処できる禁伝は一定数存在する(妖テラスダイナ,呪いギラティナ,鉄壁ザマゼンタ等)。


・ソウブレイズ

貰い火による対コライドン性能,襷砕ける鎧+炎霊闘の範囲によるタイマン性能の高さがメジャーな禁伝に刺さる。

挑発で吠えるを防がれ,ビルドアップや剣舞の起点にされることもある。

ギラティナやルナアーラ等にテラスタルを切って殴り合うか,耐久に厚めのミライドンや要塞型ムゲンダイナで押し切るか。

テラスを切らないと対面厳しい禁伝がかなり多く,決して侮ってはならないポケモンである。


・キョジオーン

特性により黒バドに強い。テラスの耐性変更により物理ポケモンが詰まされる可能性がある。

崩すのは難しくないが,テラスタルを切る切らないの択に左右される。


・ドオー

非常に高い特防,貯水による対カイオーガ性能,毒菱持ち。

特殊ポケモンで崩すのが難しく,毒菱を撒かれるとサイクルで勝つのが難しくなる。

ザシアンや挑発物理アルセウス,サイコショック黒バドが安定した対策。


・ドラパルト

コライドン,ミライドンを上回るS142からの電磁波をはじめとした豊富な補助技が厄介。

コライドンやミライドンを使っている場合は鉢巻ドラゴンアローもきつい。

基本的に初手に出されることが多いため,ザシアンや黒バドで上から殴るのが手っ取り早い。

アルセウスの鬼火や電磁波等で弱体化させるのも手。


・テツノツツミ

ミライドンと組まれた場合の眼鏡型が厄介。水テラス眼鏡ハイドロポンプは等倍だとかなり多くの禁伝がワンパンされる。

チョッキ持ちで殴り合う,草分けザシアンで対抗する等。

アンコール型も多いため,吠える以外の安易な補助技は厳禁。


・チオンジェン

高耐久+宿木+イカサマによる受けループ適正の高さ。

一致弱点も耐える耐久もかなり厄介。

交代を読んで高威力技を徹底的に叩き込むか,悪巧み等特殊の積み技でゴリ押すか。


・オーガポン(主に炎)

蔦棍棒の急所とアンコールに要注意。

炎テラス蔦棍棒急所は殆どの禁伝がワンパンされる。晴れ下なら尚更。


・グライオン

毒毒とポイズンヒールによる無限嵌め戦術により,グライオンより遅いポケモンは完封される。

今作ではハサミギロチンの没収と吠えるの技マシン化により,7世代よりは多少対処しやすくなっている。

ただし,挑発や地獄突きといった,吠える対策の技を搭載していると途端に対処が難しくなる。

このため,アルセウスで挑発や吠えるを使う等,相手から見えない対策を採用することが望ましい。


・ミミッキュ

化けの皮で技を耐えてからのトリルや電磁波が厄介。

化けの皮貫通組の禁伝が現環境での活躍が厳しいポケモンが多く,トリル展開を止めづらい。

挑発アルセウスが最適解。


・テツノブジン

クォークチャージ発動からのアンコール,道連れが厄介。

素早さ操作でSを落として,コライ黒バドの起点にするか,吠えるで流すか。先制技も有効。


・原種ガチグマ

トリル下での通りの良い地面技+空元気による超火力。

とにかくトリル展開をさせないことが重要。

オリジンギラティナには基本的に打点がない。

ルナアーラでトリルを枯らすのもありだが剣舞に注意。


・イダイトウ♂

お墓参りによるスイープ性能。

陽気スカーフでコライドンミライドンを抜き去る。

高速移動を積まれると手がつけられない。

ノーマルアルセウスでお墓参りを潰して鬼火。

スカーフミライドンやニトチャコライドンで上から殴る。

スカーフでは最速ザシアンや黒バドを抜けないため場合によってはこの2匹が有利になる。


*その他要注意な戦術

・小さくなる…禁伝との数値差を回避運ゲーで補う,伝統的な禁伝対策。

吠える,挑発が禁伝PTで必須な理由の一つ。

呪いでも対処可能。

・毒菱…強力な性能の禁伝は毒菱を無効にできないことが多く,禁伝PTに刺さりやすい。

・アンコール…安易に補助技を使うと起点にされかねない。悪戯心持ちだと素早さが高くても上から技を縛られる。

・トリックルーム…高速アタッカーが多い禁伝PTに刺さりやすい。前述のガチグマを通すために使われることが多い。

・フィールドの上書き(サイコフィールド,グラスフィールド)…ミライドン対策としてフィールド持ちのポケモンが一定数採用されている。

タイマン性能が高いゴリランダー,力を吸い取るやミラーコートを持つオリーヴァ,神速アルセウスに強いイエッサンが該当する。

ミライドンを選出する場合はこれらのポケモンの後出しで隙を作られることがあるため注意。

・電磁波…体が痺れて動けない!1回痺れるだけでも勝敗を分ける悪魔の技。

・地割れ,絶対零度…一撃必殺!


以上が要注意一般準伝パラドックスポケモンのまとめである。

数を絞った割に記事が長くなってしまったが,それだけ禁伝に匹敵する性能を持つ一般枠のポケモンが増えてしまったということである。

特にSSランクやSランクは対策しても押し切られる程のスペックがあるため,最低でも対抗できる禁伝をPTに入れるようにしたい。