ティア氏が主催する禁止伝説,幻のみの仲間大会「第2回解き放て!伝説の威光 竜王祭」に参加させていただきました。

今回も好成績を収めることができましたので,使用構築を紹介しようと思います。


コンセプト

◯ムゲンダイナの毒菱展開からザマゼンタで詰める。

今大会では前回大会でTOP5であったコライドン,ミライドン,黒バドレックス,ザシアン(剣の王),ホウオウが禁止となった。



このうち,コライドンやミライドンの禁止によって,カイオーガが猛威を振るうと予想。

そのカイオーガに対抗できる枠として,神速アルセウスの採用が増えると考えられる。

そこで,神速アルセウスに後出しから強く,水テラスタルによってスカーフカイオーガと撃ち合える,鉄壁ボディプレスザマゼンタを軸として採用。

ザマゼンタのボディプレスが通用しない相手を毒菱によって消耗させられるムゲンダイナを相方として採用。

これだけではカイオーガ対策に不安が残ったため,テラスタルせずにスカーフカイオーガに強く,挑発+シャドークローでルナアーラに有利な剣舞神速アルセウスを採用。

また,純粋にパワーが高く,ノーマルアルセウスの選出を誘発できるスカーフカイオーガを採用。

今大会では初手起点作成グラードンが流行することが予想され,こちらのPTがグラードンに荒らされると面倒であったことから,HD特化のグラードンを冷凍ビームでワンパンできる眼鏡ホワイトキュレムを採用。

最後に,ここまでのメンツだけでは対処が不十分な瞑想ルギアやフェアリーアルセウスに強く,かつムゲンダイナにも有利を取れる竜舞日食ネクロズマを採用し,構築が完成した。


個体解説



ザマゼンタ

性格 陽気

持ち物 朽ちた盾

テラスタイプ 水

努力値 H140 A4 B164 D4 S196

最速120族抜き

C252カイオーガの雨しおふき確定耐え

実数値 185-141-181-x-161-190

技 鉄壁,ボディプレス,巨獣弾,吠える


本構築の軸。

主にノーマルアルセウスを起点に鉄壁を積み,ボディプレスで潰していく。

ゴーストタイプ等苦手な相手には,後述のムゲンダイナの毒菱で疲弊させていく。

瞑想ルギアやムゲンダイナ等に起点にされないように,吠えるを採用した。実際,身代わりを吹き飛ばしたりムゲンダイナの積みの起点を回避したりと,使い所は多かった。

巨獣弾はフェアリーアルセウスやフェアリーテラスタル対策として採用。

テラスタイプはカイオーガの水技を半減できる水一択。

実際タイマン性能は非常に高く,ボディプレスが等倍で通る相手は全て押し潰していく圧倒的パワーを持っていた。

テラスを切った後も,鉄壁を積んでいればアルセウスのテラス鉢巻神速(等倍)をHP2割強の状態から耐えてしまう圧倒的物理耐久力を誇っていた。

ただし,今回は身代わりを採用していないため,鬼火に弱いという欠点があった。

また,回復手段がないため,呪いで強制的にHPが削られる点がかなり厳しかった。


今回の勝ち馬と思って採用したのだが,考えることは同じだったのか,参加者の大半がザマゼンタを採用していた。




ムゲンダイナ

性格 臆病

持ち物 食べ残し

テラスタイプ フェアリー

努力値 H204 D124 S180

最速120族抜き

食べ残し最大効率(16n+1)

実数値 241-94-115-165-131-190

技 ヘドロ爆弾,毒菱,ドラゴンテール,自己再生


ザマゼンタのサポート役。

ボディプレスが通らない相手(ルナアーラ等)を毒菱によって疲弊させる。

ムゲンダイナ相手に積んでくる相手への対策として,ドラゴンテールを採用。相手のザマゼンタに対する流しとしても有用。

技構成は前述の毒菱,ドラゴンテールを確定とし,残りは受け出し性能を高められる自己再生と,ルギアに対して毒を狙えるヘドロ爆弾とした。

ザマゼンタへの有効打が一切なかったため,再生の枠を大文字や火炎放射にしても良かったかもしれない。

テラスタイプは相手のドラゴン技を無効にできるフェアリーとしている。切ることはなかったが。

身代わりに非常に弱いのが欠点。



アルセウス

性格 意地っ張り

持ち物 命の珠

テラスタイプ ノーマル

努力値 H76 A236 S196

最速97族抜き

実数値 205-187-140-x-140-164

技 神速,シャドークロー,剣の舞,挑発


主にスカーフカイオーガ,ルナアーラ対策として採用。

挑発を採用することで補助技主体のポケモン全般に強い。

テラスタイプは神速のリーチを伸ばすノーマル。

神速の縛り性能や挑発による補助技封じは強力だったが,ザマゼンタが予想以上に多く,活躍は控えめだった。

素早さは最速97族抜きとなっているが,最速ルナアーラはいなかったので最速90族抜きで十分だった。





カイオーガ

性格 臆病

持ち物 拘りスカーフ

テラスタイプ 水

努力値 CS252 B4

実数値 175-x-111-202-160-156

技 しおふき,根源の波動,雷,冷凍ビーム


スカーフしおふきのパワーの高さと縛り性能の強さから採用。

今大会では,スカーフカイオーガ対策として採用される神速アルセウスの選出誘導としての役割が強く,実際は殆ど選出しなかった。

ザマゼンタ等物理で突破しにくいポケモンが多い時に選出する程度。

ただし,神速アルセウスの選出誘導としては十分に機能していたため,採用したこと自体は間違いではなかった。




ホワイトキュレム

性格 臆病

持ち物 拘り眼鏡

テラスタイプ フェアリー

努力値 H4 CS252

眼鏡冷凍ビームでHD特化グラードンを確定1発

実数値 201-x-110-222-120-161

技 フリーズドライ,冷凍ビーム,流星群,シャドーボール


初手グラードンワンパン選手権優勝候補。

初手に来ると予想された起点グラードンを全員ワンパンできる。

しかし,今大会では初手でグラードンが出てくることはなく,役割が腐り気味であった。

明確に活躍したのはスカーフでないカイオーガをワンパンしたことぐらいで,基本的に選出しても腐ることが多く,活躍としてはイマイチだった。

テラスタイプはドラゴン技,特にミラーの眼鏡流星群を無効にできるフェアリー。ただし,Bキュレム対面スケショ読みでテラスを切ったら,普通に氷柱針で貫かれてしまった。

技構成は対グラードンの冷凍ビーム,水対策のフリーズドライ,最大火力の流星群,ルナアーラへの打点となるシャドーボールとしている。




日食ネクロズマ

性格 陽気

持ち物 ラムの実

テラスタイプ 水

努力値 H52 A252 BD4 S196

S+1で最速130族抜き

実数値 179-209-148-x-130-134

技 メテオドライブ,フォトンゲイザー,地震,竜の舞


本構築の裏エース。

上記5体ではルギアやフェアリーアルセウスの対策が不十分だと感じたため,それらを崩しに行ける枠として採用。

また,タイプと特性の関係でムゲンダイナに有利であることから,ムゲンダイナ対策としての役割も持つ(寧ろ今大会ではこちらがメインであった)。

素早さも最速ムゲンダイナ抜きに調整している(実際は剣盾初期によく使っていた竜舞日食ネクロの流用)。

技構成は一致鋼打点のメテオドライブ,カイオーガや毒テラスルギアへの打点となるフォトンゲイザー,鋼対策の地震,積み技の竜の舞としている。

テラスタイプはカイオーガの水技を半減にできる水を選択。

ただし,ザマゼンタには不利を取ってしまうため,鉢合わせた時にボディプレスを半減にしつつフォトンゲイザーの火力を高めて大ダメージを与えられるエスパーテラスでも良かったかもしれない。

持ち物はラムの実を選択。

役割対象となるフェアリーアルセウスの鬼火や,ムゲンダイナの火炎放射の火傷を防ぐために持たせた。

実際に役立った場面は,死に出しで出てきた鬼火ゴーストアルセウス対面ぐらいだったが,状態異常の心配をする必要がないため安心して竜舞を積むことができた(特にムゲンダイナ対面)。


前述の通り,今大会で数が多かったムゲンダイナ対策として非常に強力であった。

単体性能も高く,レックウザやホワイトキュレム,格闘テラスザマゼンタ等にも殴り勝てた(役割対象となるルギアやフェアリーアルセとは当たらなかったが)。

本構築において,ザマゼンタに匹敵する大活躍を果たした,本大会の勝ち馬である。


重いポケモン

・身代わりザマゼンタ

本大会では,ルナアーラ等のゴーストタイプやルギア等に弱いザマゼンタはあまり採用されないと予想していたため,ザマゼンタの対策はかなり甘めであった。

ザマゼンタはムゲンダイナのドラゴンテールで流すことで対策していたため,身代わりで防がれると完全に詰んでしまう。

一応ミラーの吠えるで何とかならなくはないが,身代わりザマゼンタには基本なす術がない。

・鬼火神速アルセウス

神速持ちならザマゼンタで余裕www→まさかの鬼火採用で機能停止…。

ザマゼンタは身代わりを採用していないため,不意の鬼火に弱い。

・アタックデオキシス

非常に広い技範囲と高い火力,襷によるタイマン性能の高さから,非常に厄介であった。

サイコブーストの火力低下を上手く利用する立ち回りをしていたが,相手側がHP1の状態で引っ込めてきたため,毒菱が刺さり何とか撃破。

・モモワロウ

完 全 ノ ー マ ー ク

毒菱無効,超物理耐久のゴーストということもあり,毒菱ザマゼンタ構築の天敵と言える存在。

呪いで無理矢理削ってくるのも非常に厄介。

再戦時は日食ネクロズマで相手したものの,エスパー警戒で悪テラスを切ってきたため,結果的にザマゼンタが一貫してリベンジ成功。


戦績


9勝2敗 最高&最終レート1599.005  1位


感想

強いポケモンを通すことを重視した前回と異なり,今回は流行ポケモンを予想し,戦術コンセプトを考えて構築を組んだ。

事前考察が上手くハマり,今回は完全に実力で1位を勝ち取ることができたため非常に嬉しい。


個人的にこのルールでの伝説戦がとても楽しかった。

圧倒的パワーを持つ上位禁伝がいた環境とは異なり,選出噛み合いで一瞬で試合が終わることがなく,立ち回り次第で巻き返しが狙える点が大きい。

カイオーガや剣舞アルセウス等のパワー系禁伝も,コライドン等と異なりメタとなる戦術が多く,様々なポケモンで対策ができる点も評価できる。

構築の種類もプレイヤーによって多種多様であり,対戦していて楽しかった。

運要素の強いテラスタルも,全体的な火力デフレによってある程度理不尽さは抑えられている。


このルールが非常に楽しかったため,またこのルールで対戦する機会があれば是非参加したい。


最後に,この大会を主催していただいたティア氏に感謝いたします。


ティア氏のチャンネル


最後まで見ていただきありがとうございました。