今回から,禁止級伝説のAランク,最上位クラスには劣るがかなり強力な禁止級伝説について解説する。

初回はルナアーラの解説をする。


タイプ エスパー,ゴースト

特性 ファントムガード(HP満タンの時,型破り持ちの攻撃を含めて受けるダメージを半分にする)

種族値 H137 A113 B89 C137 D107 S97 T680

専用技 シャドーレイ(威力命中100PP5,特性貫通,ただしファントムガード等は貫通不可)


7世代のパッケージ伝説。

専用特性のファントムガードが非常に強力なことで知られる禁止級伝説。

その耐久力は凄まじく,4倍弱点でありながらA252パオジアンの噛み砕くをH振りだけで耐え,HBにほぼ特化すればA特化悪テラスタル噛み砕くすら確定で耐えてしまう。

この耐久力にテラスタルの耐性変更が加わることで猛威を振るうことを警戒されたのか,今作では技没収による弱体化を受けてしまっている。

前作で覚えられた電磁波,今作で技マシンに復帰した吠える,前作でも過去作技であった羽休め,毒毒を失った。


これにより使い勝手が大きく下がることが予想された…と思われていたが,今作では唯一無二の役割を持つようになり,更なる躍進を果たした。

それは,月の光による対コライドン性能の高さである。

今作で過去技が使えなくなったことで羽休めを完全に失い,月の光で代用せざるを得なくなったのだが,寧ろこの月の光が非常に役に立つ結果となった。

月の光は,雨,砂嵐,雪の時は回復量が下がる代わりに,晴れの時は2/3に上昇する。

コライドンの特性は日緋色の鼓動。場を晴れにする特性である。

つまり,HBに振り切って対面で月の光を連打しているだけで,晴れ鉢巻フレアドライブすら受けきってしまうのである。

火力アイテム持ちでなければ後出しから受け切ることすら可能である。水や炎にテラスタルすれば更に安心。

この対コライドン性能が評価され,大きく立場が上昇したと言える。


このポケモンはコライドンピンポイント対策枠というわけでもなく,瞑想+月の光による耐久性能で,赫月ガチグマ等の特殊ポケモンに対しても強く出られるため,汎用性が高く腐りにくい。

この対応力の高さもルナアーラの強みと言えるだろう。

技範囲もかなり広く,スカーフを持たせたアタッカーで意表を突くのも面白いだろう。


しかし,瞑想なしでは遂行力が大きく落ちてしまうことから,基本的には瞑想+月の光を採用した耐久型に固定されがちであり,やることが読まれやすい。

このため,挑発やステルスロック+吠える,毒毒や毒菱等耐久型に強い戦術に弱いのが欠点。

技構成も瞑想+月の光が確定で入るため,物理耐久を上げるにはアッキの実を持たせるか,1ウェポンでかつ鬼火を採用する必要があり,技構成や持ち物の自由度があまり高くない。

吠えるの没収により受け流し型が消滅したことも,型の自由度の低下に繋がっている。

また,4倍弱点すら余裕で耐えるとはいえ,流石に受け切るスペックは持ち合わせておらず,性能を最大限に生かすならテラスタルに頼る必要がある。

コライドンやミライドンの超火力アタッカーは場合によってはテラスタルしても受け切れない場面も存在する。

回復が月の光頼りであることもあり,カイオーガには明確に不利を取ってしまうのも懸念点。

ただ一致で殴るだけなら黒バドレックスの方が汎用性が高いのも辛いところ。


とはいえ,特性を絡めた数値受けのしやすさとテラスタルによる4倍弱点の誤魔化し,そして月の光による対コライドン性能は非常に強力であり,技没収による弱体化を吹き飛ばす活躍が期待できる。

立ち回りの柔軟性も高く使いやすいため,要塞アタッカーとして今後も需要は上がっていくだろう。


炎テラスルナアーラ