冠の雪原で登場した新たな禁止級伝説バドレックスのフォルムの1つで,レイスポスを愛馬とし騎乗した姿。タイプはエスパーゴーストで,4倍弱点がゴースト悪の2つも存在。加えて防御方面の種族値が低く,特に物理耐久は幻を除いた禁止級最弱である。技範囲も特別広くはない。それにも関わらず,何故禁止級伝説の中でトップクラスの強さを誇るのか,カジュアルバトルでの使用感も含め解説する。

タイプ エスパー・ゴースト
種族値 H100 A85 B80 C165 D100 S150 T680
特性 人馬一体(緊張感+黒の嘶き)
緊張感は相手のきのみを食べられなくする。黒の嘶きは相手を倒すと特攻が上がる。
攻撃技候補 アストラルビット(威力120命中100,全体攻撃),エスパー技(サイコショック,サイコキネシス,ワイドフォース,未来予知),草技(エナジーボール,ギガドレイン,リーフストーム),ドレインキッス,マッドショット,破壊光線,バークアウト,花粉団子等
補助技候補 挑発,悪巧み,瞑想,身代わり,バトンタッチ,鬼火,光の壁,リフレクター,金縛り,宿木の種,怖い顔,黒い霧等
*ダイマックスは可能

まず強いのが,ゴーストタイプでかつ威力120命中100デメリット無しの一致技を放てる点。威力120は瞬間的に出せるゴースト技で最高の威力を誇る。等倍ならカプ・コケコぐらいの耐久であれば一撃で倒せる。次に,補助技がかなり豊富で,型が多い点。特殊アタッカーとしての運用が基本ではあるものの,その中でも補助技,持ち物の選択肢が豊富で,カスタマイズ性が非常に高い。対面性能を高める気合いの襷は勿論,崩し性能が非常に高い拘り眼鏡,レジエレキすら抜き去る拘りスカーフ,ダイマ性能が極めて高い命の珠,宿木の種と合わせて相手を嵌める食べ残し等…持ち物の候補だけでも多種多様。補助技に関しても,悪巧みで崩し+全抜き,起点阻止やサポート阻止の挑発,やどみが,不意打ち対策にもなる鬼火等,様々な戦術に応用可能なものが多い。そして最大の強みは素早さ種族値150,かつ特攻種族値165+強力な特性との噛み合いである。素早さ種族値150はザシアンをも抜き去る禁止級最速であり,襷を持たせればほぼ全ての剣の王ザシアンに対面で勝てる(HD特化やバークアウト持ちには返り討ちに合うが,汎用性を落とす型故に採用率は低い)。特攻種族値165も,珠ダイホロウで無振りザシアンを94%の超高乱数1発であり,そこから更に黒の嘶きで火力を上げられる。緊張感もイバンやカシブ等による逆襲を防ぐかなり優秀な特性。ゴーストタイプであるが故に,神速や電光石火が効かず,これらで切り返すことも出来ない。ダイサイコを撃たれると影打ちや不意打ちすら無効にされてしまう。
とはいえ,先述の通り,物理耐久が低過ぎる点(B80は流石に低過ぎる。このせいでガラル禁伝では種族値配分に最も無駄がある*)や高耐久悪タイプが非常に苦しい等,完全無欠ではなく欠点も多い。HPが削れている状態でメタモンにコピられるのも最悪である。対策を怠らなければあっさり突破出来ることも。しかし,対策用のポケモンも持ち物や戦況,噛み合い次第で突破される可能性がある(択になりやすく不安定でもあるが)。総じて弱点が明白でありながら,それを持って有り余るスペックを持った非常に強力な禁止級伝説といえる。特に禁止級の襷枠として汎用性が非常に高く,抜き性能や選出のしやすさもザシアンに引けを取らない。勿論耐性面では大きく劣る上に役割も異なるので単純比較は出来ないが。どの禁伝にも言えることだが,採用に関してはPTと要相談。まあ禁伝統一なら大体両方採用するでしょうけど。

*あくまでもガラル禁伝の中で配分が悪いだけで,過去の禁止級と比べたら良配分である。他のガラル禁伝の配分が無駄がなさすぎるだけであり,仮に黒バドの攻撃と防御の種族値が逆だったら最も配分が良いと言われていた可能性が高い。