死神と悲観

邪心に覆われた暗い空の下
大きな刃を持った死神が
今夜も闇と影に紛れて
翁草の生え渡る大地を移動する
凍り付くような逆風が吹き荒れて
出来事はタイミングを選ばない中
絶好調で出来る限界は実力の限度
絶不調で出来る限界が実力の真価
数え切れない辛苦が生み出されて
衝撃に暴走の堕落は止まらない中
藁人形みんなで堕ちれば怖くない
当然の苦しみに悶える愚かな自滅
次々と深紅の悲鳴が飛び交う中
憎悪の燃え盛る大海を横切れば
すぐ側に明日の欠片は転がって
明日を嫌うのは責めたいからだ
時が経つほど独りに移り変わる
絶望に酔ったハイエナが巣喰い
飾られた意思を失くして人形達
希望を嫌うのは嘆きたいからだ
進む為に欠かせない苦労を拒む
どれほど憐れに映るか気付けず
悲観に縋り付いて離れられない
信じたくないのは守りたいからだ
何の守るほど価値ある物がある?
変えたくないのは戻りたいからだ
過去ばかり振り返り何をしてる?
どんな世界だから悪いんじゃない
どんな時代だから悪いんじゃない
そんな自分だから悪いだけなんだ
擦り付ける事しか出来ない惨めさ
死神は闇の中で立ち止まり呟く
人間は本当の理由に気付けない
そして闇の中を何処かへ移動する