スタッツを見ても差は歴然の4-0圧勝。
あの場にいた者全てが、今年への期待感を確かなものに
したであろうし、リーグ開幕前とは思えないデキ。
そもそもあれでもフルメンバーではなく、パギとエジガルどころか、
回復をアピールしていたエリキすらメンバー外にした中での
あのゲーム。
もちろんシドニー側からすればエクスキューズはあって、
あるはずの2試合が無くなって3週間ぶりのゲームになり、
コンディション調整に難しさがあったこと、
あちらはあちらで枠の関係もあってフルメンバーではないこと、
新型コロナウイルスの関係もあってか、ゴール裏含めて
アウェーと言えどサポーターはほとんどゼロに近かったことなどなど、
色々あったとは思うけれど。
ボール持たれたらああいうゲームにはならなかったのだろうと思うが、
恐らく相手の想定を超えていたであろう圧のプレスで、
全くと言って良いレベルで自由を与えないことに成功、
それに比べて向こうは前線から圧がかからず、
こちらは仕掛けたい形で仕掛けられていた。
事前のリサーチでは相手の守備は縦・横共に
相当コンパクトにして来る予想も、ウチに好きにやられたせいか
かなり幅が取れている状況だった。
一番効いたのはオナイウがフルタイム、
ディフェンスの最初のスイッチとして休まなかったことか。
相手陣内でのインターセプトが増えたのも、
ディフェンスの最初の時点ですべきことが明確にされているからこそ。
裏へ抜けるところのストロングポイントがチーム内でも浸透しつつあり
それが2ゴールという結果に繋がったのももちろんだが、
高い順応性を示せたことは大きい。
テルも2ゴール、変にまだゴールがない、みたいなプレッシャーと
戦わずにリーグ戦に入ることができるし、
梶川、伊藤もクリーンシート達成で自信になったはず。
そして何より2試合で勝ち点6、カードもゼロ、
3人の交代枠をリーグ開幕戦を視野に入れた形で、
『休ませる交代』に使えるというこれ以上ないゲームになった。
前回も書いたが、
去年のGLを見ると、2位通過のボーダーラインが勝ち点9~11。
これで俄然優位、最悪あと4試合で1つ勝てば可能性はある、
というレベルまで持って来れている。
4月5月の連戦で、場合によってはメンバーを大幅に落とす余裕が
出る可能性も出て来て、そうなれば経験を積ませる意味でも、
厳しい日程を乗り切る意味でも、とてつもなく大きな意味を
持つことになろう。
そんな中、唯一と言って良いレベルで足りなかったもの。
観客。そして、このゲームを観てくれた人の数。
あの場にいたサポーターの声の質・量を問題にしているのではない。
6年前に比べれば、大きく増えたのも理解している。
平日開催、仕方ないのかもしれない。
ただ、それでも、あのゲームをもっとたくさんの人に
現地で見て欲しかったし、スタジアムを埋めたかったし、
DAZNで見られないことで、
ダイジェストしかご覧になれていない方も多々いるはず。
スカパーに支えられた時期があったことも重々承知の上だが、
今の放映体制は何とか改善されないものかと思うのである。
【チーム採点・寸評】
横浜Fマリノス 7
やりたいことをやり、相手にはさせない形で、相手に決定機らしい
決定機もほとんど与えない完勝で2試合で勝ち点6.
最初の目標のGL突破に向け、大きく前進に成功。
【横浜|採点・寸評】
GK
21 梶川 裕嗣 6
押し込まれるシーンはあまりなかったため、プレー機会はそこまで
多かったわけではないが、安定したプレーぶり。
移籍後2試合目でクリーンシートを達成、
大きな自信になっただろう。
DF
27 松原 健 6.5
縦に鋭くパスを入れることに昨季以上に力を入れている印象で、
ゲーム内容もあるだろうがどちらかと言うと攻撃面で存在感。
マルコスが外してしまったコーナーフラッグを入れ直す場面も。
誕生日おめでとう。
13 チアゴ・マルチンス 6.5
そこにチアゴがいるだけで、尋常ではない安心感。
そもそも危険なシーン自体があまりなかったが、この試合の中では
やるべきことをやってクリーンシートという結果を得た。
試合後にはテルにありがとうと言われる前にどういたしまして、
と答える新しすぎるコミュニケーションを披露。
チアゴ、いいね!ありがとう。
15 伊藤槙人 6
前にいるボランチ2人との連携を欠かさず、手堅く相手を抑え込んだ。
畠中不在だから、ではなく、畠中が戻って来ても、というところまで
畠中を追い込むところまで地位を高めることができるか。
5 ティーラトン 6.5
テルへの2点目のアシストの鋭さは抜群、
テルからもあったが、あのタイミングで
あそこにボールが出た時点で7割決まっていた。
リズム良くオフェンスを推進。
MF
6 扇原貴宏 6.5
去年と仕様が変わっているとの指摘もあるが、どちらかと言うと
ここ2戦はそもそもオフェンス機会が多いことに
起因している可能性が高い。モデルチェンジしたのかどうかは、
リーグ戦を見てからの判断になろう。
持ち味の展開力は存分に示した。
8 喜田拓也 6(66分 OUT)
的確に相手が自由にしたいスペースを潰しながら、
アタッキングサードでは回収しきれなかったボールを
早々に好判断で回収する場面も多かった。
9 マルコス・ジュニオール 6.5(66分 OUT)
アタッカー陣がゴールを重ねる中でまだ一発は出ていないが、
効果的な仕掛けで攻撃のアクセントに。
リーグ開幕戦で一発が出れば、更に乗って来るだろう。
FW
23 仲川輝人 7(75分 OUT)
引き続きかなり相手の警戒は受けたが、その中で2ゴールと結果。
ディフェンス面でも前線からのプレスで相手から自由を奪った。
今年も止まらないハマのGTR。
45 オナイウ阿道 7 MOM
XEROXから数えて3試合目となるが、劇的なスピードで
戦術理解を進めると共に、チームに馴染んで行っている。
2ゴールという結果も得てこれで気持ちの面でも楽になったはず。
エジガル・エリキからCFのファーストチョイスの座を奪えるか。
11 遠藤渓太 6.5
左サイドをティーラトンとのコンビでほぼ支配。
アプローチも多様で、引き出しが増えていることを実感。
途中出場
FW
7 大津 祐樹 6(66分 IN)
全北戦と比べると出場時間が少し伸びた中で、トップ下に入ったが、
久しぶりにFW大津然とした突破も見られるなど、
クローザーとしての役割だけでなく、本懐を示した。
MF
33 和田 拓也 6(66分 IN)
既にこのチームでも十分にやれることは示しているが、
この日も終始安定したプレイでボールポゼッションの一翼を担った。
ボランチとしてきちんとゲームを収めた。
MF
18 水沼 宏太 6(75分 IN)
やはりまだ少し気負いが見える。
取り巻く環境を考えても早く1点欲しいのは良く良く気持ちもわかるので
ネガティブに捉えるつもりは全くないが。
早く1本出るとガラッとプレーというよりも、結果が変わりそう。
監督
アンジェ・ポステコグルー 6.5
中3日のリーグ開幕戦を見据えた交代を含めて盤石の2連勝。
4月5月の4戦は、展開次第では大きくメンバーを変更する可能性も。