グレゴール・ザムザは朝起きると虫に変身していた。この虫というのは毒虫と訳されたり、害虫という意味であったりする。
家族は父、母、妹のグレーテがいる。女中がいるような家だが父の事業の失敗で親には借金があった。ザムザは商科大学を出て軍隊の中尉もしたが、父が借金している先の会社で出張販売のセールスマンをしている。グレゴールは家族の生活を支えるためと父の借金を返すために一時は頑張ったのだが、結局は仕事がいやで虫になってしまうわけだ。
そこで、父、母、妹はザムザの収入があてにならなくなり、外で働かなくてはならなくなる。妹はザムザに食事を運んだり、部屋を掃除するが、仕事が忙しくなると構えなくなる。グレゴールはまともな食べ物より残飯のようなものを好むようになる。働けないので、ソファの下に隠れたり、部屋を這い回ったりするだけだ。
生活のため、家族は屋敷に3人の下宿人を住まわせるが、虫がいることが知られてしまい、下宿人は出て行くし金も払わないと言い出す。妹もついに、兄とはもう一緒に暮らせないと言い出す。グレゴールは虫のまま衰弱死する。家族はグレゴールが見つけて住んでいた家から引っ越して、3人で暮らし、グレーテにも婿をもらおうと、新たな生活に希望を見い出す。
なので、世間から言われる不条理さは最初に虫に変わるところだけで、これは20世紀初頭のユダヤ系文学者の作品なので、お金にまつわる話で、働けない者は虫のように死んで行き、残された人はかえってそれで生活に希望を見い出すという怖い話だが、読者の目線も最初は虫になったグレゴールなのに、途中から家族の方に移る細工がしてあるようなところも怖い気がする。