小さい頃に、すごく年上の姉がいて、なんかうちには犬とか猫とかいろいろいたような気がするんだけど、よく覚えてない。
猫の場合は、きーことかみーことか、そういう名前だった。雄だったり、雌だったりしていた気がする。犬小屋で犬と一緒に寝ている猫もいた。
猫でも、体格が犬より大きいと、負けないで、フーッ、とかいって一歩も引かないのもいるけども。
きいた話では、うちは店をしていたので、近所の人が犬や猫を捨てていったので、いろいろと動物がいたらしい。
高校生ぐらいの頃だったか、アルバイトの帰りに、公園に捨て猫らしい仔猫がいたので連れて帰った。3匹いたから、3匹連れて帰った。かなり怒られたけど。
その頃は、むしろうちは小中学生の通学路だったので、仔猫が誰かに持っていかれてしまい、1匹しか、いなくなってしまった。白とトラの模様が2匹と、白と黒の模様が1匹いたのだけど、1匹だけ残った、白とトラの模様の1匹にメアリーという名前をつけた。メアリーはしばらくいて、それも実はいなくってしまったのだけど、近所に住んでいる友人が、どこかのうちで飼われている彼女を、見つけて、連れ戻してくれた、というわけ。
そんなわけでうちに戻ったメアリーなんだけど、3年ぐらいは生きた。
名前の理由は、英語ではメアリー、ドイツ語ではマリア、フランス語ではマリー、日本語ではまり、とつけていた。学生の頃だったから、ちょっとインテリぶって、名前をつけたわけだ。通称でまりこ、とも呼ばれていたけど、正式名称はまり、だった。文字は、茉梨、というイメージだったが、確定はしていない。ただの語感であって、文字は当て字。
あのこはいつも、自分の帰りを待っていた。その頃、わけあって、両親とはちょっとした別居をしていたのだけれども、猫とは同居をしていて、うちに帰る時間は決まっていて、その時間にはいつも、おもてに出しているソファーの同じ場所に座っていて、帰ると、鈴をチャラチャラと鳴らして、駆け寄ってきた。たまに戻る時間が1時間とかずれると、そこにはいなかった。いつもあいつは、そこに待っていた。