仕事で自動化を進めるうちに、AIがもたらす未来について、自然と考えるようになりました。
既にAIの危険性を説く人も居ますが、AIは人間がより良い暮らしをするための、あくまで道具です(現時点では)。
であれば、当然、それが有害であったり、人間の生命を脅かすもので有ると思う人は、まだ少ないでしょう。
しかし、私も日々AIに準じたものを作っていて、今のところ、それが人を害する様子は有りませんが、間接的な影響を含めて、はたして本当に有益無害な存在かは、分からないと思っています。
過去のブログで、BIの問題点を書いてみましたが、そもそもBIが必要に成るのは、AIが普及していくからです。
今回はAIに問題は無いのかを考察してみます。
日本でのAI導入の目的は変わりつつある
そもそも、効率化によって利潤を追求するのが、自動化-AIの導入の一番の目的でした。
人より早く、正確、お金もかからない。よって、より良い製品やサービスを安く提供できて、お金が儲かる。
ただそれだけのためだったのが、ほんの数年前。
しかし、ここ日本においては、その数年で様子が変わってきました。
少子化によって進む、日本の人口減少。人手不足は、すでに深刻な事態に達していると、私は実感しています。
私のお客様がたも、すでに利益のためでは無く、人手不足によって生産やサービスが出来ない事態に陥っており、自動化しないと事業が立ちゆかない状況になりつつあります。
すでに自動化の選択すらないような個人事業は、後継者がいないために廃業に追い込まれています。中小企業でも、人手不足による倒産も出てきています。
さらには、「人は居るが、人材が居ない」なんて話も良く聞きます。
AIやロボットが居ない会社は、もはや成り立たない
同じ形のものを作り続ける、あるいは、似たようなサービスを提供する場合は、効率化のために、AI無しではもう成り立たないところまで来ています。
多くの企業で人手不足が深刻となり、価格競争でも、もはやこれ以上人件費はかけられない状況に有ります。
さらに最新の機器は小型化のために、ロボットじゃないと作れません。
例えば、スマホを手に取り見てもらえば解ることですが、これを人間の手だけで作れると思いますか?
その他、PCやドローンなど、小さな電子部品が使われる製品の多くは、すでに手作りでは製作出来なくなっています。
しかも、ほとんどの人間が、こういった、AIとロボットを駆使して製作された製品を使用しています。世界を見ても、かなり貧しい地域でもスマホは普及しています。
すでに、人類社会がAI抜きでは成り立たなくなっています。
AIの普及がもたらした、さらなるAIの進化
ではここに来て、なぜ急速にAIが進化しているのか?
それはひとえに、AIの有用性を多くの人が認識し、多くの時間とお金をAIの開発にそそぐようになったからです。
今までは自動化など出来るとも思われなかったような作業も、ものすごいスピードで自動化されています。
それは、AIや制御に関わる基礎研究などに時間とお金がかけられた結果です。
今までAIとは無縁だった企業もAIにお金を出しはじめ、AIがもたらす利益がさらにAIに投資される。
現存するAIにはそんな欲求など有るはずもありませんが、はからずも、AIは存在することで、さらなる増殖をするようになりました。
もはや誰も止められないループに突入しています。
AIが奪い去るのは単なる作業か?
私がAI関連の仕事に関わるようになったころは、誰もが嫌がる単純作業の自動化がほとんどで、感謝されこそすれ、恨まれるようなことは有りませんでした。
しかし今や、金融商品の開発までもが自動化され、一流大卒の大手銀行員が失業の憂き目に会おうとしています。
金融投資テクノロジー、いわゆる「フィンテック」。
これまでの業務をAIに奪われそうな銀行員を、このフィンテックの開発、運用に業務転換させようとしているそうですが、かなりの無理が有りそうです。
私の学生時代の友人の幾人かも、大手企業勤めをしていますが、学生時代と比べると、驚くほど彼らの能力は衰えています。
それは年齢的なものがほとんどだと思いますが、作業分担が細分化された大手企業内で、決まった作業を長年続けた結果でもあると思います。
それは致し方無いことで有り、彼らの衰えを、個人の努力不足として批判する気には成りません。
しかし大手銀行内では、同様の40代~50代が、全く畑違いのAIを覚えようとしているわけです。
そいつぁ、無理だ。
大手銀、いわゆるメガバンクは、ずっと人気の就職先でした。
その銀行員が、今、苦境に立たされています。
人が社会における役割すらも奪われつつあります。
AIを憎みはじめた人々
すでに、今後、AIに仕事を奪われるであろう職業がまとめられています。
そのリストに自分が今就いている職業の名前が挙がっている人は、
その実感が有ろうと無かろうと、いい気分ではないでしょう。
今までも、産業革命が起こる度に(すでに3回有りました)、仕事を奪われる人々はいました。
しかし、過去の革命では、仕事を奪われた人が、比較的に簡単に新しい仕事に就く事が出来ました。
第一次産業革命時には、主に馬の世話係と馬車メーカーが蒸気機関に仕事を奪われましたが、代わりにその蒸気機関の製作やメンテナンスをするようになりました。
第二次産業革命時には、パソコンが仕事に利用されるように成りましたが、作業が効率化されただけで、多くの人がパソコンの操作を覚えて仕事をつづけました。
第三次産業革命時には、インターネットの普及により、多くの人が失業しましたが、新たに生まれたインターネットを利用したビジネスに参加することが出来ました。
そして、今回。
上記したとおり、銀行員をはじめとしたあらゆる人が、AIの技術者に成るか、全く別な(AIに仕事を奪われない高度な)仕事を始めるしかなくなりつつあります。
それは実質的に、かなりの数の人間が、仕事をすることが出来なくなることを意味します。
仕事が無いからと言って飢え死にするのは良くないことだと、多くの国で考えられていますが、この考えはそもそも、全ての人に平等に人権が有ると考える、民主主義の基本理念から来ています。
以前のブログで書いたBIは、この基本理念に沿って考えられたものですが、それが民主主義を脅かすという矛盾。
これらの結論が意味するもの、それは、AIは人間の尊厳を奪うものだということです。
人間の尊厳を奪う代表的な制度が奴隷制度ですが、それは、物理的に、そして社会的に自由を奪うことで成り立ちます。
AIの導入は、経済的に人間の自由を奪うのです。
AIを拒否することはできないのか?
AIが普及する理由は書きましたが、それを拒否することは出来るでしょうか。
AIが作る製品は安価で優秀です。サービスも同様。
それに比べると、今後、人が提供するものは高価で質も不安定です。
あとは消費者が、非AI製品を支持して、あえて購入するくらいしか有りません。
しかしそれは経済原理に反しており、成り立たないでしょう。
現在でも、不当に安い賃金で作られたものじゃないという証明付きの「フェアトレーディング商品」というものが有りますが、それはまだ品質が良いから成り立つと思います。
AIを拒否することは資本主義に反します。人類社会は今までも資本主義以外の経済システムをさんざん試してきましたが、結局全て放棄しています。
AIの登場で、民主主義も資本主義も崩壊する
まあ、つまりは、そういうことです。
全く新しい社会制度を、大急ぎで作らなければならないと思います。
誰のためとかでは無く、人類全体が、不幸にならないためです。
難しい作業に成るでしょう。前回も書きましたが、SF作品にヒントが隠されているかも知れません(まじめに)。
まだ遅くはありません。皆で考えましょ。