筆者ごときが国際政治を語るなという意見も有ると思います。
現在、筆者はずっと続けてきた個人事業主としての請負業務から一歩前進し、法人を作って自社製品の開発、販売に乗り出しています。
製品を作って売るに際しては、国内外のニーズを知る必要が有ります。
そのリサーチの中で見えてきたものを書き記したいと思います。
デジタル化とAIの台頭
デジタル化によって、旧来のやり方が大きく変わりました。
例えば、自動車に使われる技術の多くは電気回路によって制御されてきましたが、今はICを搭載し、プログラムによって制御されています。
それにより、自動車の制御に必要な技術者は、電気回路設計者からプログラム開発者に成りました。
電気回路の基本は、普通科の理科でも教えられます。
つまり比較的に誰でも成れたのですが、プログラム開発は別です。
それにより、製造業の業務の多くが、より難しい職種に置き換えられていきました。
今までは自動車メーカーに就職出来た人の多くが、別業種に入らざるを得なくなったのです。
それにより、中流層の多くが、それより下のアンダークラスと呼ばれる準貧困層に成りました。
移民との競争にさらされるアンダークラス
建設業や製造業に残された単純作業が、アンダークラスの主な仕事に成りました。
そして、それらの仕事は、だいぶ以前から、どこの国でも移民に任されてきました。
親の世代はそれなりの収入が有る自動車産業に就業出来たのに、その下の世代は、給料の低い仕事にしか就けない。
そしてそんな仕事は、すでに移民によって占有されている。
彼らよりも勤勉であることを示せないと、国内のアンダークラスは仕事にすら就けません。
団塊ジュニア世代以下は、大きな不満を抱くことに成ります。
移民の排斥と産業の国内回帰を唱えたトランプ
国内のアンダークラスが、すでに半数にまで迫ることを、トランプはいち早く察知します。
そして、それが良いことなのかは別として、彼らアンダークラスの望みを叶えてやり、自分も大統領の地位に就くことを目指して、現在に至ります。
そして実際に移民を追出し、関税率を上げることで需要を国内産に戻すことで、アンダークラスの仕事を増やそうとしています。
アッパークラスもトランプに迎合
アンダークラスの一部は、既に仕事をすることすら諦めています。
彼らは、生活保護に頼っています。
生活保護が増えれば、国の予算を圧迫します。
それに対して、アッパークラスの所得税を増額する必要が出てきました。
さらには、アンダークラスの一部には、犯罪に手を染めるものも増えてきます。
彼らのターゲットは、当然アッパークラスです。
このように、アンダークラスが困窮することは、アッパークラスにも悪い影響が出てきます。
結果、イーロン・マスクのようなアッパークラスもトランプを支持するように成ります。
これから世界で起こる事
こうしてアメリカは「アメリカファースト」を掲げ、守りに入りました。
そして、世界では第二のトランプと呼ばれる指導者が次々に現れています。
つまり、世界の国々が「自国ファースト」を目指しています。
これにより起こるのは当然、グローバル経済の停滞です。
アメリカをはじめとする先進国では、ブラックマンデーなどの一時期を除けば、全体的にはここ100年間、ずっと株価は上がってきました。
だから海外では、普段入出金する分の現金を除いた資産を、株などに投資しています。
日本人が投資をせずに貯金するのは、銀行や信用金庫の悪影響です。
これまでに無かったグローバル経済の停滞が起こった場合、人類は、史上初めて長期的な株価の下落を経験することに成るかもしれません。
そうなれば、世界中の個人や企業が、資産を目減りさせることに成ります。
大きな混乱が起きることでしょう。
民主主義は資本主義の敵
結局、今まで民主主義の枠組みの中で資本主義がうまく行ってきたのは、人類の技術が未発達だったからです。
文明を維持するには、多くの人手が必要で、それによって多くの人に富の分配が出来ていました。
しかし、現在、デジタルとAIの発達により、それらを支配するごく一部の人間に資産が集中することに成っています。
資本主義的に言えば、圧倒的な資産を持つものに資産が集中することは、当然の結果です。
しかし、その結果を受け入れられない人が圧倒的多数に成った今、民主主義がそれを阻もうとしています。
先日お亡くなりに成った、エコノミストの森永卓郎さんも、生前、大きな構造改革が起こると予想されていました。
筆者も同感です。
シンギュラリティを待たずして、これまでの制度をひっくり返す出来事が起こると思います。
シンギュラリティはすでに起こった
要因の一つは、量子コンピュータの実現です。
シンギュラリティは集積回路の集積度を基に計算されていました。
しかし、量子コンピュータは集積回路を使用しない、全く別次元のコンピュータで、人類などとても及ばない計算速度を持ちます。
これらの技術を基に、これまでには無かった経済システムが構築されつつ有ります。
資本主義そのものが変わってしまう可能性が有ります。
民主主義も、もはや経済活動の妨げに成っています。
これも、構造から変わる可能性が有ります。
もはや、何が起こるか分からない時代です。
誰かに頼る、1人からのアドバイスを鵜吞みにするなどは、注意が必要です。
日々、経済ニュースを見て、ご自分で判断されることです。