戦後しばらく、日本では老後の備えは年金のみで十分でした。
しかし、少子高齢化により、年金事業は苦境に立たされており、支給額は平成11年をピークに下がっています。
そこで国は、定年後の再雇用と、NISAなどの資産運用を進めています。
資産運用については、上記のブログ内でも書きましたが、その中でも注意が必要なのがマイホームです。
FPのお勧めは本当か
ファイナンシャルプランナーが良く勧めるのが、資産を3つに分散する方法です。
分散することで、リスクを減らす目的です。
その3つとは、貯金、不動産、証券です。
基本的に、まずローンを組んで土地を買い、家を建てろと言います。
そして残りを貯金と投資に半々に分散して積み立てるわけです。
土地の購入もマイホームが目的だと、補助金が出たり、金利が有利に成ったりといったメリットが有ります。
また、戦後、土地の価格はずっと上がっていましたから、投資としても有効でした。
バブルがはじけるまでは。
家の資産価値
以前から書いていますが、日本の家は寿命が短く、30年で価値は0に成ります。
実際、筆者の実家がそうでした。
老後に差し掛かったころには、建屋の資産価値は0。
土地も値下がりしています。
値上がりしているという意見も有りますが、それは都市部の人気の有る土地に限ります。
建屋は価値が無いので、解体して更地にし、土地だけ売るしか有りません。
解体費用まで差し引くと、手元に残るのは、購入時の3分の1ほどのお金です。
そして、老後資金を得るために手放せば、住むところが無くなります。
子が建てた家に同居すれば良いと考える人も居るようですが、今時、親と同居を望む子は少ないです。
さらには、筆者同様にマイホームを所持することにリスクを感じ、最低限の間取りの賃貸に住み続ける人も増えています。
マイホーム商法に騙されるな
以前も書いていますが、不動産投資で儲けている人は、基本、都心の価値が下がりにくい高層マンションを購入し、自分は割安な賃貸に住んでいます。
この事実が何より、地方にマイホームを購入することが、結果として損に成ることの現れです。
さらには、いざという時に、最低限の手数料ですぐに現金化出来なければ、資産として意味が有りません。
家は不動産業者を介さないと売ることが出来ず、必ず安くない手数料を取られますし、売れるのに時間がかかります。
そして何より、増える前提で保有すべきなのが資産です。
確実に資産価値が目減りする家は、資産と言えるのでしょうか?
では、なぜみんなマイホームを買うのでしょうか?
それは、上記のブログにもちらりと書きましたが、銀行の仕業です。
さらには、それに不動産業者と建設業者が乗っかっています。
そして、彼らから何らかのマージンが、ファイナンシャルプランナーに渡っている可能性が有ります。
家を売れば売るほど、これらの業者が潤うために、プロパガンダ的にマイホーム購入が常識化されたのです。
うちの父なども、いまだに「家を建てて初めて一人前」なんて言ってます。
日本人の常識に成ってしまっています。
日本の住宅の寿命が短いのも、上記のことと無縁では有りません。
欧米などでは、住宅の寿命は100年以上が普通です。
家は建てたまま転売され、リノベーションして再使用するのが普通なのです。
技術的にも、長寿な家を作ることは、すでに可能に成っています。
それでも普及しないのは、上記の業界の仕業です。
この一連の流れを絶つ試みが、日本でも始まっています。
マイホームの購入には、慎重に成る必要が有ります。