6月3日(土)

台風2号の驚異を感じながら

「セキスイハイムスーパーアリーナ」へ向かいました。

 

公演3日前、台風情報は既に入ってきていましたが、あまり影響を考えずにチケットと新幹線を取ってしまったので、当日朝の在来線の遅れや一部運休に不安を抱えながら、予定より早く出発。

 

無事に到着しましたが、前日を含め、航空機や新幹線の運休等で現地まで来れなかったファンの方々のことを考えると、少し複雑な気持ちに…(バスや会場でお会いした方も、皆さん気にされていました)

 

仙台は快晴で、気温は高く感じましたが、とても爽やかな風が吹いていました。

 

この「グランディ・21」の会場は、入口を入るとすぐにリンクが見える、空間を遮断する壁の少ない開放的な造りが特徴で、2019年「FaOI」で初めて訪れた時に、とても驚いた記憶があります。

(入ってすぐ会場が見えるシンプルな構造は、代々木第一体育館と少し似ている)

 

「notte stellata」の時には来ることが出来なかったので、あの3日間にも想いを馳せながら…

 

 

今回はステージ真横、スケーターの登場口が真下に見えるコーナーから、リンク全体が見えるエリアでの観賞。

 

「SOI」の時もそうでしたが、発売直後でない「一般先着」でのチケット購入のためか、購入画面に「座席番号」が表示されたので

S席のほぼ最後列と、S寄りのA席・中程の高さの席で比較し(両方とも西)幕張とは違う位置から観たいという気もしたので、あまり見えなくても仕方ないと「条件付き」のつもりで割り切ってA席に。

(購入するかどうかは選択出来るけれど、座席を選べる訳ではないです)

 

チケット販売時の表示は、結構ギリギリまで

「残席あり ◎」にしているのだなということが分かりましたが

 

感覚としては、私が見た時点で、既にS席は「残席あとわずか △」という方が妥当な気が…

 

(最近の傾向なのか「残席あり」表記の方が、ファンの購買意欲を高めるという「販売戦略」なのかも知れない…などと考えてみたり)

 

この日客席は、ほぼ満席に近い状況で、A席の一番端列の上部は少し残っていましたが

「notte~」を含め、他のアイスショーでは販売されない場合もあるエリアなので

「注釈なし」でここまで販売するのかと、実際に会場を見て、改めて運営に対して思うところも…

 

今回の出演スケーターは、アマチュア選手も比較的年齢層が高く、観客に「見せる」意識を持っているスケーターばかりなので、アイスショーとして全体の意識も以前より上がっているように感じ、幕張公演を経て出演者の皆さんのパフォーマンスも、さらに良くなっていたように思う。

 

会場の雰囲気は最初からかなり盛り上がっていて、羽生君の地元ということが大前提としても、今回は様々なハードルを乗り越え、この場所に集まることが出来た観客の皆さんの、もの凄い熱量が、開演前から場内を満たしていました。

 

 

この日会場の端から観た、部分的な景色の感想です。

 

「オープニング」

登場時の羽生君は、アイスショー本番の登場時としては、いつもより長めに氷に触れていて、しっかりと想いを告げてからリンクに上がっていったように見えました。

 

群舞の中に入り込んで登場し(幕張の時も上からよく見えましたが)ジャンプ前の動作確認のルーティン。

この日は4Tの着氷が上手くいかず、オープニング2曲目の自分のパートでリベンジしていましたが、また成功させられず… もの凄く悔しそうにしているところを、久しぶりに見たような気がしました。

 

 

「if…」

暗闇の中、羽生君の登場に気付いた観客の歓声が、オープニングの時よりも一際大きく、私が今まで会場で見てきた「演技前」の声援としては、今までのどの登場時よりも盛大で、最初の歓声から一拍おいてさらにもう一段階、歓声が大きくなったような会場の盛り上がりと、その「期待値」の高さを、とても強く感じました。

 

まるで、試合でのノーミス・完璧な演技に心が震えた「演技終了後」のような怒涛の歓声で、とてもアイスショーの演技前とは思えないほど、本当に凄かった。

 

ショート観客席側、メインのカメラを意識しているように感じるダンス部分の振付配置や、リンクの半分より向こう側で演技する時間が長く、ステージ寄りの座席に座った方達の言っていた「取り残された感」の意味がよく分かりましたが

 

遠目に観た今回の演技は、幕張のようなキレキレの鋭さから、余裕のある「溜め」と滑らかさが加わり、基本が出来てから「崩せるようになった」ことが感じられ、洒脱な雰囲気を醸し出していました。(あくまで後方からの印象です)

 

演技後3方向への挨拶後、ステージ脇の両エリアへも挨拶にきて手を振ってくれて、フィナーレの衣装に着替えるため、走り出すと同時に上着を脱ぎながら舞台裏へ捌けていき、そのサービス精神で、さらに会場を沸かせていました。

 

フィナーレ周回でも隅々の座席の前まで来てくれて、かなりの時間を割いて全体へしっかり目線を送って手を振ってくれたのがとても印象的で、周回後のジャンプもステージに近い所で跳んでくれ

「4T+3A~3A~スピン」を華麗に決め、オープニングのリベンジを果たすことが出来て、とても嬉しそうでした。

 

最後の「ありがとうございました!」の後に、幕張で「新村さん」達が座っていた進行スタッフ席があった場所に手を向け、頭上の観客に対して拍手を求めてくれたり…

(真下なので実際に誰がいるのかは分からなかったけれど、精一杯の感謝を込めて拍手を)

 

そのエリアの観客が、公演直前にチケットを取り、(全員が知っていた訳ではないかも知れないけれど)演技が見えにくいことを承知で会場に来たことを気遣ってくれている様子が、もの凄く伝わってきて

 

今までで一番長い時間(数分ですが)羽生君の嬉しそうな表情を間近で見る機会に恵まれ、きっと観客全員の幸せそうな姿を見て、羽生君も幸せを受け取ってくれたような気がしました。

 

 

最終日「ライブビューイング」には行かれなかったけれど、千秋楽も本当に素晴らしかったようで、羽生君が観客の皆さんや、スケーター達、アーティスト・共演者の方々と、幸せな時間を過ごせたことを、とても嬉しく思います。

 

 

本当に走り抜けるように、あっという間に終わってしまった前半公演。

他のスケーターの皆さんの演技からも、それぞれのプログラムに懸ける想いが強く伝わってくる、素晴らしい演目の数々でした。

 

 

中1週間のインターバルの後、すぐに始まる後半の「Bツアー」

 

「if…」の衝撃と、その余韻から、2週間も経たずに披露される新しいプログラムの為に、彼はまた、ほんの僅かな休息の後、新しい作品の振付に本腰を入れて取り掛かり、公演の中で回を重ねる毎にブラッシュアップしていくのでしょう。

 

 

羽生君の幸せそうな表情を、たくさん見ることが出来た前半公演。

 

体力面や精神的な疲れ、身体的な消耗を回復して、健康で元気な状態で、後半公演に臨んでくれることを願って…

 

後半はどんな曲で演じてくれるのか、色々と心の中で予想しながら、楽しみに待っていようと思います。