「SOI」大阪公演が無事に幕を閉じました。

 

開演直前のタイミングでの公式サイトの誤表記問題を含め、色々と緊張感が漂う中での始まりでしたが、スケーター同士やスタッフとの温かい交流も感じられ、日毎に変わるプログラムの素晴らしい演技と、当初の不安を吹き飛ばすかのように予想以上に現地へ足を運ばれた大勢のファンの方々から、もの凄い興奮や感動が伝わってきた3日間。

 

初日と2日目のCS放送で観て感じたことなどを…

(羽生君部分のみ書いています)

 

 

オープニング。

 

広大な土地や風景が思い浮かぶ(いかにもジェフらしい選曲に感じる)オルタナティブロックの、メッセージ性の強い歌詞に乗せ、その苦悩する様を身体全体で表現。

体幹の強さとバランス感覚を改めて感じさせる上半身の大きな動きと、エッジワークのみで滑らかに移動していくソロパートに、いきなりその「世界」へと引きずり込まれました。(そして、あっという間に終わってしまった)

 

 

1日目「オペラ座の怪人」

 

2014-2015シーズンFSを

「GIFT」に続いて再演。

 

これまで以上に感情が込められた力強い「ファントム」の演技。

仮面を愛おしそうに引き寄せるような表情が、とても印象的でした。

 

GPS中国杯の事故の後、この会場で行われた2014年のNHK杯。

怪我の影響で練習も思うように出来ず、不安要素が大きく残る中での出場で、表彰台を逃し4位に。僅差でGPF出場を決めましたが、この悔しい思いを絶対に忘れないようにと、リンクサイドで表彰式の様子を目に焼き付け、表彰台の選手達を讃えていた姿を今も覚えています。

 

「GIFT」と同じように前半3本のジャンプを終えた後、中盤のステップシークエンス部分から演技をスタート。

 

「GIFT」では、公演の終盤に差し掛かる全体の8曲目、かなりの疲労が伝わってくる中での演目で、あの時点で後半5本のジャンプを全て跳ぶこと自体にとても驚かされましたが

 

最初の4Tがステップアウトしてしまいコンビネーションに出来なかったことに対して、もう一度挑戦し、完璧な演技を披露したいということもあったのだと、

 

終演後のインタビューで、このプログラムを選んだ理由を聞き、改めて2つの落とし物を回収出来て、本当に良かったと感じました。

 

 

2日目「阿修羅ちゃん」

 

ファンの要望の多さから期待に応えて選んでくれたのか、曲が始まりスポットライトを浴びた瞬間の会場の興奮と歓声の凄まじさが、画面越しにも伝わってきました。

 

「GIFT」の時以上に激しいダンスと、小刻みで細かいステップ、リンクを大きく行き来するスケーティングも、フレーズ毎にクルクル変わる感情をむき出しにしたような表情も、氷上に体を打ち付けるほど強い勢いで倒れ込み、のたうち回るような振付も追加されていて…

 

その上、今回は通常のアイスショーでの演技として、あの「高さを抑えた回転の速い3Lo」を加え、ランディングの勢いを止め逆回転するという、ジャンプさえもダンスの一部のように組み入れた振付と、最前列の観客の前で披露するパートもたくさん加えられていて

 

「ダンスをどういう形でフィギュアスケートに落とし込めるかということを考えている」と、昨年話していたその「現在形」は、あまりにも凄まじく進化したものでした。

 

 

2つの「単独公演」と「大きな意味のある」アイスショーを終え、既存のアイスショーとしてはプロ転向後、初出演となった「SOI」

 

 

1人1プログラムということで、その一つ一つの演技に全力を注ごうと、3日間の「プログラム」をブラッシュアップし、さらに様々な要素を詰め込み、より深めてきてくれたことが、いつものようにその演技から、また強く伝わってきました。

 

 

3日目「あの夏へ」

 

大阪公演、最終日。

美しく幻想的で、より神秘性を高めたプログラムを再び披露してくれたことを、SNSやNEWSで知りました。

 

演技後のコメントでは、当初は「GIFT」のみ披露される予定のプログラムだったと話していて、久石譲さんの楽曲ゆえ権利等のハードルが高いのか、その関係で最終日の放送や配信がなかったのかなと想像したりしていますが、たとえ時間が掛かったとしても、いつか何らかの方法で世の中に公開されることを願って、映像を持っているTBSの運営に強く期待しています。

 

 

今回の「SOI」で「GIFT」で初めて披露されたプログラムを再び滑ってくれたことに、とても感謝しながら…

 

あっという間に始まる次の「奥州公演」では、どのプログラムを披露してくれるのか

(ライブ配信も観れるか分からないけれど)とても楽しみにしています。

 

 

2日、いわて花巻空港に「SOI」メンバーが到着したというNEWSが。

 

この後7日間にわたって、1日も休みなく続くハードスケジュールが心配な気持ちはありますが、

どうかスケーターの皆さんが最後まで心身ともに健康で、素晴らしい演技を披露してくれることを心から願っています。

 

そして、羽生君の「全身全霊」の演技を現地へ観に行ける日を、心待ちにしています。