深夜2時。冷めきったコーヒーを横目に、私はPremiere Proの空っぽのタイムラインをただぼんやりと見つめていました。クライアントから依頼された15秒のSNS用プロモーション動画。予算は限られており、追加のストック素材を購入する余裕も、一から撮影し直す時間もありません。疲労でまぶたが重くなる中、「誰か代わりに作ってくれないか」と本気で嘆いていたのを、今でも鮮明に覚えています。

昨今、私たちの業界では作業を自動化するテクノロジーが話題の中心です。私も遅ればせながら、実務でAI動画広告生成ツールを導入してみることにしました。こうした技術は、クリエイティブの「量」を担保する上で避けて通れない道になりつつあります。実際、Adobeが指摘するコンテンツベロシティ(コンテンツの提供速度)の重要性に関する記事などを読んでも、パーソナライズされた動画を大量に書き出すために、AIマーケティング動画生成ツールのバックグラウンド処理がいかに重要視されているかがわかります。

しかし、現実は魔法のようにはいきませんでした。

あるプロジェクトで、生成モデルのモーションスケール(動きの大きさ)を0.8に設定し、1080pのProRes 422で書き出しを試みたときのことです。30秒のレンダリングに約4分かかり、やっと出力された動画を見て私は頭を抱えました。背景のオフィス風景は綺麗だったものの、メインの人物の瞬きが機械的すぎて不気味だったのです。さらに、AIが自動生成したキャッチコピーは、まるで90年代の深夜の通販番組のような、不自然で直訳調の日本語でした。

結局、不自然なフレームを1コマずつ手作業でカットし、テキストを自分の言葉で打ち直し、全体のペーシング(間)を調整するために追加で1時間以上を費やす羽目になりました。

この「意図しない挙動」の検証の一環として、手元にあったいくつかのラフ素材を Nextify.ai に読み込ませて、モデルがトランジション(場面転換)をどう処理するのかも観察してみました。結果として、ある程度のカット割りは機能したものの、やはり細かいフェードのタイミングや音と映像の同期には、人間による微調整が不可欠だと痛感させられました。

クリエイターのワークフローに関する最近の調査データによると、個人の映像制作者の約55%が絵コンテの作成や初期のラフ案出しにAIを活用しているそうです。しかし、最終的な納品物をAIに「丸投げ」している人はごくわずかでしょう。多くの人が私と同じように、生成された素材の修正や調整という新しい形の苦労に直面しているはずです。

結局のところ、現在のAIは「デジタルなスケッチブック」に過ぎません。ゼロから形を作るためのインスピレーションを与え、面倒な単純作業を少しだけ肩代わりしてはくれますが、最終的に視聴者の心を動かすのは、私たちが深夜のデスクで悩みに悩み抜いて注入した「人間としての感情」や「泥臭いキュレーション」なのだと思います。

新しい筆を手に入れても、キャンバスに向かう私たちの孤独な闘いは、まだしばらく続きそうです。