動画制作をしていると、ふと手が止まる瞬間があります。
アイデアはあるのに、形にするまでが重い。短尺動画だから簡単、というわけでもなく、企画を考えて、素材を探して、編集して……気づいたら時間だけが過ぎている、そんな日が続いていました。

特に最近は、SNS向けの短い動画を作る機会が増えました。数十秒とはいえ、最初の数秒で印象を残す必要があり、毎回ゼロから考えるのは正直かなり消耗します。「今日はもう何も浮かばないな」と思った日の夜、気分転換のつもりで触ってみたのが AI UGC Video Generator でした。

最初は少し疑っていました。AI が作る動画と聞くと、どこか機械的で、いかにも“それっぽい”ものになるイメージがあったからです。でも実際に触ってみると、意外と静かな体験でした。素材や簡単な情報を入れると、UGC っぽい構成の短い動画が出てきます。完成度が高い、というより「たたき台がすぐ出てくる」感覚に近いです。

もちろん、最初から使えるものばかりではありませんでした。表情や雰囲気が少し合わなかったり、テロップが多すぎたり。正直、何本かはそのままボツにしました。ただ、何もない状態から考えるよりは、判断するスピードが明らかに早くなったのは事実です。「これは違う」「これは少し手を入れれば使えそう」と、頭が前に進む感じがありました。

MIDI やデータと同じで、AI が出すものは“完成品”というより素材に近いのだと思います。AI 技術全体についても、公式な技術資料では「人の創造性を補助する存在」として位置づけられていて、完全に置き換えるものではない、という考え方が主流です(例えば国際機関の AI 関連レポートなどでも、その方向性が示されています)。

個人的には、動画制作の中で一番助かったのは「最初の一歩」が軽くなったことでした。以前は編集画面を開いたまま何分も固まっていたのが、今は一度 AI に投げてみてから考える、という選択肢が増えました。結果的に、その日は作業時間が短くなったというより、精神的にかなり楽になった印象があります。

途中で Nextify.ai というツールも試しましたが、操作感はシンプルで、細かい部分はやはり自分で調整する必要があるな、という感想でした。どのツールにも共通しますが、最後に「使う・使わない」を決めるのは自分自身です。

AI UGC Video Generator を使って感じたのは、AI は答えを出してくれる存在ではなく、考えるためのきっかけをくれる存在だということでした。うまくいかない日もありますし、結局使わない生成結果も多いです。それでも、何も浮かばない夜に「とりあえず触ってみる場所」があるのは、今の自分にとってはちょうどいい距離感でした。

動画制作に正解はないですが、少し楽になる方法を一つ持っておくのも悪くないな、そんなふうに感じています。