男子はワウリンカの優勝で幕を下ろした。
ワウリンカは3回戦のダニエル・エバンズ戦ではマッチポイントを奪われ
あわや敗戦かとなったが、そこは世界第3位、底力を発揮し
逆転で試合をひっくり返した。
それから勝者の勢いで、錦織を撃破、そしてNo1ジョコビッチをくだした。
錦織の両手バックハンドの精度も高いが、
ワウリンカの伝家の宝刀、片手バックハンドも相当な切れ味を持っていた。
ブレイクポイントをむかえても、鬼のような粘りと体力で
ジョコビッチの追撃を振り切った。
さすがに、今大会はワウリンカが王者だなと
素人目線からでも納得できた試合内容であった。
ジョコビッチは相手が不思議とリタイヤする体力温存の試合運びであったが、
逆に連戦練磨のワウリンカは試合ごとに修羅場をくぐって強くなってきた感がある。
優勝の差はその差ではなかったのかと思う。
我ら錦織も相当善戦し、No2のマレーを負かした時は、
マレーの高い壁を超えたのだと嬉しく思えた。
あともう少しの粘り(メンタル)と体力があれば、
ほんとグランドスラムで優勝できる選手である。
天才フェデラーのボールさばきを継ぐ天才錦織も、
日本人だけではなく外国人にも好かれる選手となっている。
観客には知ってか知らずかわからないが、
ハチマキに「闘魂」「忍者」と書かれたもので応援してくれた外国のファンもいた。
2週間で7試合、そして5セットマッチのグランドスラム。
ほんと、選手も観客、クルーに審判と長丁場お疲れ様でした。
ウクライナとのデビスカップは大阪でこれからあり、
10月は日本で唯一、プロテニスが観れる楽天オープンもある。
今回の楽天オープンではエキサイティングな選手も数多く来る。
レフティフォアハンドウィナーのベルダスコ。
復活の巨人アルゼンチーなデルポトロ。
フランスの黒人忍者、モンフィス。
上品なベルギー、ゴフィンに南アフリカのケビン・アンダーソン。
錦織の天敵、フランス、ペールにクロアチア、チリッチ。
そして、天下無双バックハンドの王者ワウリンカである。
いやいや今年はスター軍団満載。
錦織も簡単には優勝できないな。
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