それから数日が過ぎて…

朝1番に新聞を読むとぅちゃん

台所でとぅちゃんの弁当を作っていたら

とぅちゃんが台所に来て聞いてきた

 

 

『彼女の名前、何さんだっけ?』


いつも彼女の話をする時

下の名前しか言わないので

実際の名前を知らないとぅちゃん

 

 

『え?〇〇Sさんだよ。え?まさか出てるの?』

 

 


手にしていた新聞を広げてココと指をさした

 



お悔やみ欄に彼女の名前が掲載されている



頭の中が真っ白になった

マジで?え?いつ?何で?どゆこと?


 

手が震えてお弁当作りが進まない

頭の中で色んなことが駆け回る



ウソでしょ?

涙を拭いながらなんとかお弁当を作り

とぅちゃんと子供達を送り出した

 


落ち着こう…

恐る恐るもう一度新聞を見てみる



嘘じゃないか?

違う人の間違えじゃないか?

違うと思いたかった

 


 クローバー最後の別れクローバー

新聞には告別式が翌日の午後になっている

明日は抗がん剤投与の日

行くことは難しい…



葬儀屋さんに連絡してお通夜の情報を聞くと

今日18時から告別式の会場だと教えてくれた

 


ならば今日行くしかない

最後に会わなければ

絶対後悔する



もし、逆の立場だったら…


アクティブで

何でも自分でこなす彼女の事だから

必ず来てくれる

そう思ったらアタシも会わないと…

という使命感がでた

 


そう決めて友人Aさんと連絡を取った

残念ながらAさんと予定が合わず

1人で向かう事に…


仕事を終え、小学校の保護者懇談に行き

帰ってきて夕飯の準備をし

上娘のピアノレッスンの送迎を

近所のママ友にお願いし

慌ただしく準備した



出発準備も整ったが

車で行くか電車で行くか迷った



夕方ラッシュの時間帯

道は国道か高速か山越えの山道か…


ラッシュの時間帯は時間が読めない

動揺して事故ってもいけないし

なので電車で行くことにした



礼服にロングコートを纏い

ストールのマフラーで襟元を隠す

これで礼服は見えなくなった



最寄りの駅までは車で向かい

在来線に飛び乗った


40分程で目的の駅に着いた

駅前でバスを探したがわからず

会場までタクシーで向かった


駅から5分程で到着し

会場の入口に横付けしてくれた


入口には大きな字で彼女の名前が書かれた

案内板が掲げられていた


それを目にした途端

涙が溢れてしまった


ウソでも、夢でも、冗談でもない

これが現実なんだ


中に入ると沢山の方が弔問に来ていた

受付で芳名帳に名前を書くように促されたが

手が震えて書けない



どうにか書き終えると

係の方に案内され列の最後尾に並んだ



元気だった頃のSさんの遺影をみたら

もう涙が止まらなくなってしまった



お坊さんがお経を唱える中

列の前方に皆さんを迎える

Sさんの旦那さんと娘さん達が

気丈に立っていた



列が近づき旦那さんとご挨拶をした

涙が止まらずヒックヒック言いながら


『はじめまして。あの〜Sさんと同じ病気で〇〇市に住んでる……』


旦那さんは直ぐにわかってくれて

少しだけお話した


旦那さんはアタシの体調まで気遣ってくださり

励ますつもりが逆に励まされてしまった

ほんとに素敵なご夫婦で…



直ぐに順番が回ってきて祭壇へ


辛い闘病を終え安らかに眠るSさん

全てのことから解放されたのが伝わってきた


お疲れ様

色々ありがとう

涙を拭いながら伝えるのが精一杯だった



ひと通りお参りを終え

係の方に車を呼んでもらい

しばらく控え室で待った



拭いても拭いても止まらない涙

彼女の死を現実に受け入れられないのと同時にいつか自分にもこうなる日が来るという恐怖


たまたま家族構成が似ていたのも

奏していたのかもしれない



タクシーに乗ってからも涙が止まらず

どこかで大声で泣きたい気分だったが我慢した


駅まで戻り帰りの電車の時刻を確認

電車は1時間に2、3本

5分後の電車を逃すと次は30分後

涙を拭って先の電車に乗ることにした


行きの電車より空いている車内

4人掛けのBOXシートに1人で座る


窓に反射して写る自分

目が腫れて泣き顔だ


周りの目が気になり

うつむきながらスマホをいじる


前々回のブログを書き

現実から少し逃げた



最寄り駅に到着した

駐車場で車に乗り込んでまた泣いた



今度は声を出して泣いた

少しはスッキリしただろうか



しばらくして落ち着きを取り戻してから

自宅へ戻った




彼女と出会ったその日から

お互い病気と闘っていた

いつかはこんな日が来るんだと

わかっていたけど

心の準備ができていなかった



でもがんになっていなかったら

出会うこともなかった友達


アタシを見つけてくれてありがとう

いつも支えてくれてありがとう

そして色々なことを教えてくれてありがとう

まだまだ色々な事教えて欲しかったよ


あなたのことは一生忘れない

そしていつかまた再会した時は

いろんな話をしようね


でもアタシはもう少しコッチにいるよ

まだ呼びには来ないでね🙊😆


ホントにありがとう

あなたに出会えてよかった〜

どうか安らかに

ご冥福をお祈りしますヒマワリヒマワリ


 ピンク薔薇赤薔薇ピンク薔薇赤薔薇ピンク薔薇赤薔薇ピンク薔薇赤薔薇ピンク薔薇赤薔薇


実は翌日、

アバタキ16クールの投与ができませんでした

続きは次回…ガーン


 


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