以前からわかっていた。

建築設計と、インテリアデザイナーとは、
それぞれクリエイティブに関して
大切に思っているモノが、
きっと正反対なんだろうなあと。

先日、とある工務店のスタッフに向け進めてきた、
スキルアップコーチングの講座が終わり、
アフター懇親会でのこと。

インテリアセラピー効果への意識アップの渦中、
次期モデルルームのコンセプトメイクや、
この家に似合うターゲットの
ライフスタイルの話になった。



『自然がいっぱい感じられる、
アーバンリゾートな感じが合うよね?
ちょっとウェストコーストテイスト、
サーフ&キャンプ好き?
子供にこびない、DINKSなターゲットよね。。。』

そんな談義に盛り上がるなか、
そろそろ電気工事が始まるので、
急いで照明プランを確認して欲しい。
現状、照度が少ない気がする、と。

確かに、ほぼ全部屋天井側に間接照明のみで、
天井にはシーリングもペンダントも、
ダウンライトもブラケットも無い。

建築家は、よく、こう言う。
「基本、照明器具に仕事をさせるのは嫌なんです」と。

ラワン合板にブラウン塗装の天井に、
余計なダウンライトの穴を開けたくない。
スッキリモダンな設計コンセプトに合わないから
吊り下げモノも、ぶら下げないで欲しい、、と。

もし、それが、
その建築家の自社モデルルームなら、
アーティストらしく、
自社ブランディングのモダンコンセプトに徹底してこだわる、それもありです。
家自体が作品だから。

この工務店のペルソナを確認していますか?

クライアントからギャラをいただくということは、
相手にとって、それ以上の集客やファン獲得、
 家がたくさん売れるといった
ビジネス対価が見込めて当然。

ひいては、空間は、
この家に住む家族のココロとカラダにも影響する部分‥
いわば空気のように目に見えない
『居心地良さ』や、そこで子供がすくすく育つ、
幸せな家族像、、、

そんな人の人生を賭けた
ロングランなライフスタイル、
当然そこに繋がっています。

外観や、図面に描けることだけでなく、
素敵なライフスタイル提案があってこそ、

『この家を買ったら、
こんな素敵な暮らしが手に入るんだ』と。

自分達家族の将来の夢やビジョン、
理想のライフスタイルが目に浮かび、
持ち家が欲しくなる。

そんな、
自分達に似合うオンリーワンな
ライフスタイルを提案してくれそうな、
この工務店に頼みたい!となる。
そのための、モデルルームですよね?

インテリアが大好きな人、
流行りのラタン家具や、
BOHOやモロッカンスタイルが好きな人は、
ここに住んだらダメですか?

ガラスのキラキラ輝くペンダントや、
カゴを編んだような照明から漏れる『光と影』
を楽しみながらのディナータイムは、ダメですか?

味気ない作りつけの家具より、アンティークな家具を大事にしてたら、ダメですか?

なぜ、住む人はみんな、
建築家の好きなスタイリッシュモダンスタイルに
合わせなくてはならないんでしょうか?

高い設計料に比例した
『絵に書いた餅』状態の分厚い図面を受けとっても、
それは必ずしも、
自分達家族が好きなインテリアスタイルが
実現するまでトータルにプロデュースしてもらえるわけではない。

家つくりは、まず、インテリアから。

例えば、好きな雑貨や、好きな食器からでも、あなたらしい暮らしが見えてきます。

自分らしいライフスタイルと、ココロを解放してあげれる空間を手に入れましょう。

建築家のブランドや、外観といった、
見栄やステータスにこだわり、
『カッコいいだけでココロに効かない家作り』
そろそろ終わりにしませんか?

今、時代は、明らかにこちらにきていますよ。