毎年、インテリア専門学校の今季卒業生から
謝恩会の案内が送られてくるこの時期に、
インテリアコーディネーター資格試験の
最終合格発表がある。

今年は3人合格という
異例の快進撃らしい。

高い授業料のスクールを卒業し、
社会人になっても
夜間のキャリアアップに通い
受かるまで何度もトライし続けるOB達もいる。

国家試験ではないので、
決して資格が無いと仕事が出来ない訳ではない。

が、受入先の工務店からも、
採用決め手が資格の有無というのも
よく聞く話で、
また専門学校側も、
「ここでは何の資格が取れるのか」
となり、ついそこに力を入れた
カリキュラムになるらしい。

何しろ三十年程前にできて以来、
ずっと独占市場の資格であるにはちがいない。

久しぶりに今時の傾向はどうなってるんだろう?と、
教科書的ハンドブックを
取り寄せてみることにした。

が、これがなんと、
ほぼ三十年前と変わっていない・・

例えば必須出題される、
伝統大工用語ともいえる
和室の細かい名称問題。
宮大工に数寄屋な茶室をオーダーする、
そんなケースがあったとしても、
きっとそれはICではなく、
建築設計のお仕事。

一部屋くらい和室を残しておこうから、
今やダサい和室なんて要らない、
と言う若い世代。

和モダンなモデルルームを取得した
あるクライアントは、
和室を取っ払ってワンちゃん部屋に
リフォームして欲しいと言われた。

いったい日本文化はどうなるのやら。。

ともかく、
30年前という時代には、
インテリアコーディネーターと言う
職種が新しすぎて、
どこへどう着地させるのか模索しながらだった、
その時代のままのような気がする。

例えば、
ルネッサンスやバロック、ロココと言った
中世の家具の歴史問題。
これも、今や、
迎賓館か雅叙園のお仕事でもない限り、
ほぼ実施に役立つシーンは思い浮かばない。

ICを目指す人を応援し、
頑張って覚えたら
役立つスキルであってほしいが、
そうとは思えない広範囲すぎ、
しかも偏った見解。

これほどインテリアトレンドや新素材、
消費者の意識や情報の加速が進む中、
なんと取り残された場所なんだろう。

そして、受かった後のフォローアップもなく。。

仕事の流れ‥
まずヒアリングコンサル‥
この大事な部分はサラッと一行。

何をどう聞く?
全くココロが感じられない。

顧客満足度を上げるために、
どうしたらいいか?
そんなことは、
それぞれの感性にまかせる!
そう言わんばかり。

この難関を突破するまでは
高い目標を持ち頑張れた、
その後何も開けていない現実に
行き詰ってしまう若いICの子たちを
たくさんみてきた。

ハードを造る建築設計、
そして現場監督、
今時はそこを目指す女子もいて然り、

ただ、
一番人のココロに影響する、
肌温度に近い場所にあるインテリア

そこを目指す女子達が、
社会的にも便利使いされやすく、
居心地悪いポジションでいる、
その現実をどうにかしてあげたい、
そんなための資格試験
であってほしいと思っています。