私は生まれて27歳まで、

自分は「純粋な日本人」だと思っていました。


27歳のある日。

姉からの電話で、突然聞かされたのです。


「あんた…びっくりするで。


 おじいさん、韓国人やった…」



は?なんのこと?びっくり


母の父は、母が8歳の時に亡くなってます。

つまり、もちろん私が生まれた時にはいません。


物心がついた時には、

父方の祖母、母方の祖母しかいませんでした。

「おじいちゃん」という存在がいなかったのです。


父方の祖父も父が小学生の時に亡くなっていて

家の中では、それが当たり前だったので

「おじいちゃん」に興味を持つこともなく、話を聞こうとしたこともありませんでした。


父方の祖父は写真さえもなく

仏壇にあるお位牌だけが祖父でした。


母方の祖父は一枚だけ写真がありました。

着物を着て正座し、背筋を伸ばして毅然と座る祖父。

それが唯一の祖父でした。


しかし、母からはあまり父親の思い出話を聞くこともなく、

「どちらのおじいちゃんもお酒で体を壊して亡くなった」ということしか聞かされていませんでした。


そこへ、祖父が韓国人だという衝撃的な情報が飛び込んできたのです。


叔父が、当たり前のように

「知ってると思うけどさ」的な感じで

姉に話してきたそうです。驚いた姉が私に電話をしてきたのです。


初めて聞かれた時の私の気持ち。

不思議と落ち着いていました。


(あ、純粋な日本人じゃなかったのね)


その程度でした。

それはたぶん、まだちゃんと理解できてなかったからだと思います。

現実的なこととして、受け止めきれてなかったんですね。

どこか他人事。


いつもそうですが、

私はその意味を知るのに時間がかかるのです。


おじいさんが韓国人?

…?…キョロキョロ


ここから、約30年。

今の私まで長い時間がかかります。