沿道にはお年寄りから子供までたくさんの応援の方達がいた。
おじさんが一眼レフで写真を撮っている。
オールスポーツではない。
きっと、趣味なんだろうな。
その写真どこで見れるんだろうか?
おじいさんがガラケーで一生懸命写真を撮っている。
エリートランナーを撮るのならまだしも、こんな一般ランナーを撮ってどうするんだろう?
被写体、私で良いんですか?
あのガラケーでSNSをやってるのかな?
さいたま国際なう。みたいな?w
いや、ないない、ないでしょー
そんなどうでも良いことを考えてる余裕もまだあった。
そして、R×Lソックス部長さんが遠くに見えた。
まだ、部長は気づいていない。
近づいて手を振った。
部長が大声で応援してくれ、写真を撮ってくれた。
mie!
速い、速い!
頑張れ~
などなど…
部長の前を通り過ぎても、その声は私の背中に届き、まるで背中を押すかのようだった。
25キロまで 22:36
前半の貯金もあるのでまだトータルでは4:30/kmペースは維持してるはず。
集中して走っているから、目の前の景色しか目に入らなかった。
折り返してから、仲間を探した。
Kちゃんの姿を見つけたが声かけられず。
その後もみんなの姿を探し声を掛け合った。
シゲ子さん、あっちん、まみこちゃんは終始元気で私に笑顔をくれた。
相変わらず、がんちゃんが見つからない。
25キロから30キロあたりから少しずつ疲れが出始めた。
それでも、まだ諦めていないし、頑張って走った。
部長が道路の反対側からまた声援を送ってくれた。
写真も撮ってくれた。
28キロくらいで、かずんさんが応援してくれた。
ここも笑顔で応える余裕はあるが、脚の方はどうだっただろうか…
アフロな人がmieさーんと叫んだ!
私、振り向く。
隣の女性も振り向く。
手を振る。
ん?
知り合い?
隣をずっと併走していた女性の顔がやっと見えた。
え?
あれ?
まさか?!
もしかして⁈
あなたは…
がんちゃん⁈
アフロの人が、一緒に走ってんだーみたいなことを言っていたような…
ここにきて、あなたがんちゃん?とも聞けない。
半信半疑のまま、気づいてた振りを装って、さっきの誰ですか?と聞いてみた。
あれ、sugizoさんだよ。
普通に答えてるじゃないかー
そうだったのか!
私にぴったりついていたのは、知らない人でなく、がんちゃんだったのか!
そりゃー 探しても見つからないはずだわ![ゲロー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/038.png)
![ゲロー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/038.png)
まさかの展開でかなり動揺した。
ちょっとしたショックを受けた。
精神的ダメージ。
いっそ、最後まで気が付かない方が良かったのかも。
知ってる人だと分かった瞬間に、なんか変な甘えが出たか?
上り坂で思わず、キツイですねーなんて言葉を口にしてしまった。
たしかに、キツイけど言葉にしてしまったのが良くなかった気がする。
さっきから左の足裏が痛い。
足裏の中足部あたりにマメができてる感覚があった。
きっと水に濡れたりしたので、靴下の滑り止め部分と足裏の皮膚が摩擦でマメになったのだろう。
それに上り坂を走る時、足裏の前よりに重心があったのも理由のひとつかも。
そうしているうちに、がんちゃんから少しずつ遅れをとりはじめた。
頑張って付いては離されを繰り返す。
途中でシンさんが応援してくれた。
がんちゃん元気だな…
ここからどんどん離されて行く。
ついて行けない。
がんちゃんの背中がどんどん遠くなる…
さっきまで曇っていた空に晴れ間が見え始めた。
暑い。
日差しが気になる。
頭にかけていたサングラスをかけた。
給水所では水をかけた。
最初は顔と首を冷やす程度だったが、途中から頭にかけ始めた。
なんとか粘って走るが、ペースが落ちる。
周りも少しずつ落ち始めていた。
でも、まだ、諦めたわけではない。
前から落ちてくる人を拾っていく。
ラップを見ると4:40前後。
20キロでヴェスパを投入し、25キロでジェルを投入した。
この時はピーナッツバター味。
そして、30キロで復活を願ってさらにヴェスパを投入した。
これで少しでも脚が持ってくれたらとの希望を持っての投入だ。
がんちゃんが見えなくなり大分たつ。
前には黒の上下のランナーが少し崩れたフォームで走るのが見えた。
あれ?
あれはがんちゃん?
走り方が変だぞ?
まさか股関節かどこかが痛んだ?
勝手に黒いウェアをがんちゃんと思い込む。
待ってて今行くから!
そんな思いでその人に少しでも近づこうと頑張った。
自分もやばい区間であったが、それ以上に周りもくたびれてる人が多かった。
びっこひくように走るランナーに追いついた。
‼︎
がんちゃんじゃない!![ゲッソリ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/041.png)
![ゲッソリ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/041.png)
ただの勘違いだった。
良かった、がんちゃんは元気に前を走ってるってことだ。
辛いながらも上り下りを終え、コースはいよいよ35キロ地点。
よし、ここからだ。
途中から30キロから35キロは中だるみ区間として割り切ることにした。
だから、その分は残り7キロをいかに頑張るかだった。
そう言えば、沿道にとよちゃんがいた。
久しぶりに会うのがこんな再会。
でも、嬉しかった。
ところでかっきぃはどこにいるんだ?
忘れたころにうさ耳したかっきぃが立っていた。
なんだか、今日のメイクいつもと違う気がするな…なんて思いながら、かっきぃに愛想を振りまいて通過。
もう少しで35キロ。
本当の勝負はここからである。
茶番はおわりだ。
つづく