腹痛で泊まってった,といっても,実際わたしも家賃を払っている私の自宅であるが。

次の日の朝7時半、Dはわたしを無理矢理起こし,朝食を作らせることはなく、挨拶だけをして仕事へ行った。
わたしはまた二度寝をして,シャワーを浴びて実家に帰った。

この辺りの記憶が全くありません。どうしたんだろう。なぜだろう。
わたしは,この後,このDとの自宅に戻って暮らし始めるのです。

ただ、記憶にあるのは,(Dが一人でかわいそう。友達もいないのに・・)と思った。
そして(実家に迷惑はかけられない)とこの二つがメインだった。
Dにまだ愛情があって,一緒にいたいと思っていたのも少しはあった。まるで,思春期の生意気な子供を,置き去りにして、家を出てしまう、そんなような気持ちで。

今考えると,なぜ?とおもうし,Dだってそんなに相手を虐待するほどいやなら,さっさと出るか,わたしがいなくてせいせいしていればいいのに,「どうしても戻れ」と命令,脅迫等を使って,うまく誘導されたのだ。

そうだった。それはいつもなぜかDの言うことを聞かないといけないような,そんな気になってしまっていた。それは,いまでも続いているような気がして怖い。

3月下旬は結局一緒に過ごし、気づいたらまた同じベッドで一緒に寝てた。

しかも彼はこともあろうに,仕事を辞めてしまったのだ。理由は転勤がいやだったから。転勤だったら,引っ越ししなくちゃいけない。そしたら彼が理由でここを出るなら,彼はキャンセル料を払わなくてはならない。それは嫌だ。(そんな理由で普通は会社を辞めない)
その会社のことも嫌っていた。彼は,ある私立の学校でフルタイムを夏から雇えるということで,それまでそこでパートタイムで働くことにした。そこは元々私の友人の学校で,私が紹介したところだった。

昼間は彼は会社に行かないから,一緒に過ごす時間が長かった。やはり彼のいらつきはひどく,すべてをわたしにぶつけてくる。わたしはやはり彼には家を出てもらいたかった。もしくはわたしが出たかった。このことを話そうとすると,ものすごい勢いで怒る。

「夜に話しかけないでくれ」
「朝から(昼間っから)そんな話はしたくない」
ほんなら一体いつ話せばいいんじゃ!!!

彼はわたしの携帯を度々チェックしていたから,わたしもたまに彼の携帯を見るようになった。なぜだかおなじ行動をとるようになった。
そしたら,彼はある女の子とメールのやり取りをしていて,明らかに気があるそぶりを見せていた。まだこれからはじまるって感じだったが、いかにも誘っていた。
わたしは正直に言った。

ゆ「今は、私と一緒に住んでいて,一緒に寝ている関係で,まだ恋人なんだから,そういう(他の女の子とあそぶような)行動はやめてほしいの。」

D「僕が君と寝るのは,君は性的に魅力があるからで,それ以上の何ものでもない」
と無感情で言った。
それはベッドの上で話していた。わたしは声は出なかったが、涙がぽろぽろと流れていることに気づいた。

私は屈辱だった。こんな冷遇を受けたことはなかった。

結局彼はその女の子とのメールをやめなかった。

彼は本当にちょっとしたことで私に怒りをぶつけまくっていたが,仕事のストレスが減ったせいか,暴れることはなかった。しかし,信じられないほど失礼なことは多々あった。

私はあきらめなかった。
彼を追い出すまで,しつこくしつこく言わないと,私は時間を無駄にしてしまう。
こんな生活はもう嫌だ。お
金まで払ってなんでこんな扱いを受けなければならないのだ。

ついに彼は,アパートを見つけてきた。忘れもしない4月30日に彼は家を出た。たった2日前くらいに,私に家を出ると伝えてきた。決めたのは急だったが,彼は家賃を払いたくなかったのだろう。月末までに出たかったようだ。

車を会社に返却した彼は,車を友人から借りてきて,さっさと引っ越しをした。違う大きな都市へ引っ越すことになった。
引っ越しにはなぜか私も連れてかれた。「君もいくべきだ」
なんでやろ。
どこに住むのかの興味もあったし,暇だったから行った。
男が3人で一つのアパートをシェアする外人アパートだった。

もうすぐゴールデンウィーク。これで彼が引っ越したら、終わり。
そう決めていた。

彼は引っ越しが終わって,電車でそちらのアパートへ行くと言って,出て行く。
私は,涙が止まらなかった。
「じゃあね」とぼろぼろ泣いている私を簡単にハグして,
振り返ることなくさっさと行ってしまった。

この大きな家でひとりぼっちになった。
追いかけたい。
行かないで。
でも,それは出来ない。
もう終わろう。
そう決めて,一人でいるのはつらいから,ゴールデンウィークは実家に帰ることにした。
その連休は完全にダウンして,ほとんどをベッドに横たわって過ごした。

その後,Dからは何の連絡もなかった。

5月4日 
フェイスブックにDが例のメールの女の子とBBQに出席して,仲良く写真がアップされていた。
電話が鳴った。
私は無視した。何十回もなった。
着信拒否した。
メールか来た。「電話に出ろ」「無視することで,君は勝ち誇ったつもりか」「くそ女」「お前はくそと呼ばれたいんだな」などなど。
私は全てを拒否した。もう彼に会うつもりはない。
つらかったけど,私は意志を強く持った。

5月5日 連絡はなかった。

5月6日 夕方。彼のパートタイムで働く会社の上司は,元々私の古い友人だった。その上司である女性,森下さんからの電話だった。彼女は,あらかたの私たちのうまくいっていないことを知っていた。しかし,彼の言葉も真剣に受け止めていたし、モラハラ・虐待をあまり理解していなかった。
彼女はDのへんてこな性格も見抜いていたが,仕事は熱心でよくできるからと,それなりに買っていたし,純粋で子供なんだと言っていた。
夕方レッスン中だったが,彼女から電話があるのは,急な用事のことがほとんどだったから、電話に出た。

レッスン中だったので,簡単に挨拶をして,どうしました?と訊いた。

森下さん「ちょっと,Dがあなたとどうしても話がしたいっていうのを伝えてほしいって,頼まれたの。彼と話をしてあげてくれない?」

ゆ「私はもう彼と話すことはありません。会いたくありません。」

森「彼ね、私のところに涙をぼろぼろ流して頼みにきたの。ゆ~ちゃんと連絡が取れない。もう僕を拒否しているって。頼むから連絡を取ってくれって。今回は私の顔を立てると思って,会ってあげてくれない?お願いよ」

ゆ「・・・でも,私怖いんです。ぼろかすにいわれるから。」

森「私も立ち会うから。一緒に3人で会えばいいでしょ?そうすれば彼も変なことは言わないわよ」

レッスン中であまり話す時間はなかった。

ゆ「・・・・わかりました。いつですか」

森「じゃあ,仕事が終わったら,家のオフィスに来てくれる?」

ゆ「7:30に終わるので,そのあとで電話して向かいます」

そして,レッスンのあと,複雑な気持ちを抱えながら,教室を片付けて,8時くらいに私はオフィスに向かった。

私は神妙な顔をして,オフィスに入った。森下さんが,「よかった~,やっと来たわ~。お疲れさん。ありがとうね。さあすわって~」
Dが座って眼鏡越しにじっとこちらを見ていた。

さあ,話し合いが始まる。
続く


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