それは、大昔の事。
未だ、何も得ていない頃の
切ない青さ
その人は青い空の中で
舞い散る桜の花びらと
竹ほうきで戯れるように
無邪気な笑顔で
白い歯を見せて
戦っていた
そのひととなりが
判るまでには
そう日はかからなかった
本当に
一瞬で
惹かれた
そこまでは本当
それを初恋と呼ぶなら
そうなんだと思う
あんなに恥ずかしくて
目を合わせたくなくて
あの人から
逃げる生活が
始まってしまうなんて
その思いは一瞬だった
あっという間に
気持ちは離れた
誕生日にレコードを貰った
タイガースの2枚組LP
と
もう一枚
愛の物語?
幼馴染の彼が言う
あいつはタイガースじゃない
安い方のLP
タイガースは俺だと。
見れば判る
幼馴染の彼が愛の物語を
わたしに渡すはずがない
笑った
そう言う何もかもから
わたしの心は
離れた
彼は好きな人を
『面白い人』と言う癖
わたしは
『面白い人』には
最後の最後まで
なることはなかった
そして、『面白い人』は
何人にもになった
だから、
付き合っていたよね
は、間違いだよ
離れたところから
なんの感情もなく
ぁ、あの子
あの人の
『面白い人』になる
くらいは感じていた
ショートカット
目が一重
日本人らしい顔
マッシュ
スタイルがいい
背が高い
素朴
ふふふ
一つも当てはまらない
わたしには。
春の嵐が
一瞬、わたしを巻き込んだ
ただ、それだけ
中1の春
ほんの一瞬の出来事
それでも
初恋
切ない初恋
呆気なく終わった初恋
大人になって
あの人の留守電は
中1のあの人の声だった
そんなはずない
自分に嘘ついている
誰もが,そう
思うだろう
切に違う
わたしの中の
初恋の人は
中1で
明るくて
正義の人で
嘘のない人
白い歯が
笑顔が
コバルト文庫の
本の中のヒーロー
だから、違うよ
付き合っていない
交換日記の中身は
誰々に好きと言われた
いいなって思っていたから
嬉しかった
とか
大型スーパーの中の
レコード屋にいる
お姉さんが
『面白い人』でね、
とか。
そこお姉さんの妹が
なんちゃらとか、
切なかった
だから
手紙が届いた時
会わないと返事を書いた
何度か届いた手紙,
全てに
会わない
と書いた
だから、
付き合っていないよ
間違いの記憶
なぜ、そうなったのかな
不思議
蚊帳の外のわたし?笑


