花咲徳栄 001 012 00 |4
京都両洋 111 100 01x|5X
準々決勝、ベスト8の席はあと2つ。
その7つ目の席を争う試合は、関東地方の強豪校花咲徳栄と関西地方の強豪校京都両洋との対戦となりました。
京都両洋のキャプテン、小谷選手はこの大会の開会式で選手宣誓を行った選手。自分の中でこの選手が印象に残っているのは、昨年の春の選抜大会。京都両洋が、履正社高校と戦った試合。京都両洋のエース坂原投手と履正社のエース石村投手の投げ合い、0-0で迎えた最終7回の裏。一二塁間を破るタイムリー安打でサヨナラ勝ちを決めたのが小谷選手でした。
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先発投手は、花咲徳栄が片野坂投手、京都両洋が野崎投手と、初戦の登板がなかった投手同士の投げ合いで始まりました。
1回表の花咲徳栄の攻撃は、3番高橋選手に安打は出たものの無得点。
一方、1回裏の京都両洋の攻撃は、先頭の今崎選手が左翼越えの三塁打を放ち、いきなり得点のチャンスを迎えました。
続く2番、京都両洋主将の小谷選手が2ボール1ストライクから打った打球は一塁側へのファウル。花咲徳栄の一塁手柴山選手が猛然と奪取して追いかけたものの、わずかに届かず2-2となりました。
2-2からの片野坂投手の6球目がデッドボールとなって、チャンスが広がり、無死1、3塁となりました。ここで3番山本選手の当たりは遊撃手へのライナー。これに、小谷選手が戻ることができず、花咲徳栄は三塁走者を返さないまま、一気に2死を奪いました。
ここで迎えた4番筒井選手は、遊撃手への弱いゴロ。取って一塁に投げる遊撃手、一塁に頭から飛び込む筒井選手。ここは筒井選手が気合で内野安打を奪い取り、京都両洋が1点を先制しました。
京都両洋は2回表を三者凡退で打ち取ると、2回の裏は6番宮木選手からの攻撃。四球を選び出塁すると、花咲徳栄は蒲田女子戦でも2番手として登板した出路投手をリリーフとしてマウンドに送ります。
その代わり端に宮木選手が盗塁を決め、続く2球目にはバント…これが、内野安打となって無死1、3塁とチャンスを作り迎えた8番郡選手は遊ゴロで、3塁走者が生還し、2点目をあげ、なお1死3塁としました。
ここで9番、斉藤選手は投ゴロ。この当たりに三塁走者が飛び出し2アウト。さらに、打者走者も一二塁間で挟まれて併殺となりました。
着々と得点を重ねる京都両洋…でも、勝負の神様はまだ、京都両洋に完全に肩入れしている訳じゃないなぁ…という印象を持たせるプレー。
2点を追う3回表の花咲徳栄は、リリーフとしてマウンドにあがった出路選手が右翼線に二塁打を放って出塁しました。
続く9番柴山選手が送りバントを試みましたが、投手から三塁手に送られ、タッチアウト。
1死1塁とチャンスは一歩後退となってしまいました。この1塁走者の柴山選手は初球に盗塁を決めて1死2塁とすると、1番斉藤選手が安打、さらに2番小櫃選手の遊ゴロの間に1点を返し、1点差としました。
1点差と迫られた京都両洋は、直後の3回裏に2番小谷選手が安打で出塁し、盗塁。
2死2塁から4番筒井選手は右翼への三塁打を放ち、点差を2点に広げなおしました。
しかも、4回の京都両洋の攻撃では、花咲徳栄のエース中村投手をマウンドに引きずり出す形となり、その中村投手から小谷選手が押し出し死球を受けて京都両洋は1点を追加し、毎回1点ずつを奪う形で4回までに4点を奪い、4-1と有利な状態で4回を終えました。
3点を追う花咲徳栄は5回、この回の先頭、エース中村投手が死球で出塁しました。花咲徳栄は、ここで投手の中村選手がなんと盗塁を敢行。これが決まり、さらに1番斉藤選手の安打、盗塁などがあって1死2、3塁となりました。ここで2番小櫃選手が今度は中堅への犠飛で再び2点差へとビハインドを縮めました。
5回裏の京都両洋の攻撃に対して、花咲徳栄は前の試合で先発をした左腕水野投手をマウンドに送り、無失点で切り抜けました。
2点リードの京都両洋はここまで70球ほど投げている野崎投手から1回戦でもリリーフ登板のあった森川投手へとスイッチ。
逆に2点を追う花咲徳栄は、この回の先頭4番佐藤選手が中安で出塁、続く5番武重選手は犠打、さらに6番竹内選手が右安、盗塁で1死2、3塁とすると、7番柳谷選手はフルカウントからスクイズを決めて、1点差。
なおも、2死3塁で、打席に向かうのは途中からマウンドにあがり、この場面では1塁を守っていた背番号1の中村選手。ここで、京都両洋はマウンドに、1回戦で先発をした、猪田投手をマウンドに送ります。
追いつけるか花咲徳栄、1点差を守るか京都両洋…という緊迫したこの場面。1-1からの3球目をとらえた中村選手の打球は左翼越え。これが適時二塁打となって、ついに花咲徳栄が6回に同点に追いつきました。
その裏、京都両洋は先頭が出塁。犠打、1番今崎選手の安打で1死1、3塁とすると、花咲徳栄は、一塁にポジションを移していた背番号1中村選手を再びマウンドに送ります。その中村投手が盗塁で1塁走者を2塁に進められ1死2、3塁となったものの、2番小谷選手を遊ゴロ、さらに3番山本選手も遊ゴロで打ち取り、京都両洋の勝ち越しは許さず同点のままで最終7回を迎えました。
先に攻撃をする花咲徳栄に対する京都両洋の猪田投手は、渾身の投球で2三振、三者凡退で花咲徳栄の攻撃を退けました。
すると、対する花咲徳栄の中村投手も、京都両洋の4番、ここまで2安打、2打点、3塁打を放っている筒井選手を三振に打ち取り、エース・4番対決に勝つと、中村投手の2三振、三者凡退。互角の投球で7回の攻防を終えました。
延長戦に入って、先に攻撃をする花咲徳栄は、先頭を四球で出塁させると、パスボールと7番柳谷選手の安打などで、2死1、3塁と勝ち越しのチャンスを作りここで打席に入るのは、前の打席で同点の適時打を放っている背番号1エースの中村選手。ここは、左飛に打ち取られて花咲徳栄の8階での勝ち越しはなりませんでした。
逆に京都両洋の8回裏の攻撃は、この回先頭の7番投手の猪田選手が2球で2ストライクと追い込まれてからファウルで粘り、四球を勝ち取り、先頭打者が出塁しました。その後、犠打、遊直、四球があって2死1、2塁。
ここで打席に迎えるのは2番、主将の小谷選手。
1ボールからの2球目をとらえた小谷選手の当たりは中堅へ。飛び込む中堅手竹内選手。わずかに及ばず前に落ちる打球。これがサヨナラ打となって京都両洋が終盤に追いつかれる厳しい試合を勝ち切りました。
小谷選手は、昨年の春の大会の履正社との試合でのサヨナラに続いて、大舞台で、強豪校を相手にサヨナラ打を放ちました。
先制され、徐々に得点差を広げられるという厳しい展開となった花咲徳栄でしたが、終盤同点に追いついた粘りは見事でした。トーナメントで行われている選手権大会…どちらにも勝ってほしい、どちらかが負けてしまうというのが惜しい、と思うようなすばらしい熱戦でしたが、最後の最後に野球の神様がちょっとだけ京都両洋に微笑んだのかな、という試合でした。