NHKラジオテキスト、まいにちハングル講座では、連載で旬の食材を使って、季節を楽しむ韓国料理を、エッセイと合わせてご紹介しています。


12月号は「小豆がゆ(팥죽パッチュク)」です。


毎年12月22日ごろは二十四節気の1つ、冬至にあたります。

冬至には、日本ではかぼちゃを食べたり、柚子湯に入って無病息災を祈るという風習がありますが、韓国では小豆がゆを食べる習慣があります。

小豆の赤い色が邪気を払って厄を防ぐと考えられ、1年の無事を祈って小豆がゆを食べるのです。
私も冬至の朝には小豆を炊き、小豆がゆを作ります。ほっくりと炊き上げた自然な甘さの小豆に、しょうがを加えた白玉団子を浮かべた小豆がゆを食べると、心と体が温まり、穏やかな気持ちになります。今年も変わらずに冬至を迎えられたことに感謝し、迎える新年もまた、家族が健康で過ごせるようにと願います。

冬至は1年で一番昼が短く、一番夜が長い日です。そして、また少しずつ日が長くなり
始めます。こうして季節は巡ってゆくのです。

気温も下がり寒さを感じる頃です。寒い日が続くと、冷えから代謝が滞り、風邪を引いたり、体がむくんだりと、寒さによる体の不調が出やすい時。
小豆は食物繊維が豊富で解毒作用があり、むくみを解消してくれると言われています。

12月も半ばを過ぎ、慌ただしい時期ではありますが、少し手を止めて、小豆を炊いてみてください。不思議と心が落ち着いて、穏やかに過ごせますよ。
今年の冬至には、1年を無事に過ごせたことに感謝し、迎える新年の家族の無病息災を願って、小豆がゆを作りませんか。