NHKラジオテキスト「まいにちハングル講座」では、毎号連載で「季節を楽しむ韓国料理」をご紹介しています。

今月は「영양돌솥밥」(栄養石鍋ご飯)です。

栄養石鍋ご飯は米に雑穀、豆や野菜、銀杏や栗、干しなつめなど滋養のある食材をたっぷり入れて石鍋で炊き上げたご飯です。
手に入れば、生の高麗人参を加えると、さらに栄養効果が高まって、本格的な味わいになります。



韓国は日本と同様にお米が主食です。四季が明瞭で季節ごとの食材が豊富な韓国では、お米に旬の恵をふんだんに炊き込んだ四季折々のご飯を楽しみます。

お米が貴重な時代には雑穀や野菜を米の代用として炊き込んで大切に食べていたのでしょう。今は、ご飯に入った旬の食材で、季節の移り変わりを感じることができます。

ご飯も滋養食の1つと考える韓国の人々の思想が表れているように思います。

韓国の食堂では、栄養石鍋ご飯定食があり、イシモチの塩焼きと数種類のナムルやジョン、野菜のしょうゆ漬けやキムチなどの豊富なおかずとテンジャンチゲがテーブルいっぱいに並びます。

まず、ふっくらと炊き上がった炊きたての石鍋ご飯を口に運ぶと、もっちりとしていて甘味があり格別な美味しさです。

葉野菜にご飯やおかずを包んでひとしきり食べたら、石鍋の底に出来たおこげにお湯を注いで、香ばしいおこげのお茶をいただくのが楽しみです。




これから新米の季節です。
石鍋がなくても、厚手の鍋でも炊くことができますので、ふっくらと炊きあがったご飯と香ばしいおこげ茶をお楽しみください。