思想と思考のはざまで | レさんのブログ改めジャンク・エッセイ

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 抜けるような青空が続く。ここ数日、天気予報は当たらない。ひょっとすると降っている場所もあるのかも知れないけど。

 そういえば、数年前サバゲの帰りに凄まじい雨に遭遇した。

 三十度を超える中、お子(下)とその友人を連れての参戦だった。さんざん遊んだし、そろそろ…ということで、ラストゲーム残してフィールドを後にした。その時から入道雲いっぱいの空は不穏なうなりを上げていたのである。岐路についてしばらくすると、雨粒がフロントグラスを叩いた。「タン!」と言う大きな音はもう雨粒というより何か固形物が当たったような音である。間もなくバケツをひっくり返したような雨が降り出した。後部座席でお子(下)とその友人はすやすやと寝息を立てている。車内は空調が効いていて、外界の騒音とは無縁だ。僕は一人ハンドルを握りながら、「こんな夏の点景もあるのだな…」と妙に厳かな気持ちになったのである。

 

 今日は終戦記念日である。それとお盆の終わり。

 小学校の頃は出校日だったような。それとも8月6日だろうか。そんな出校日や学校のプール開放の日の帰り道にも雨にあった。抜ける空がにわかにかき曇り、僕らの肌をやはり雨粒が「タン!」と叩く。痛い、痛いと笑いながら僕らはわざと雨に打たれながらアスファルトを駆け回った。焼けたアスファルトからは雨が蒸発する熱気が、もんわりと立ち込めるなかを。

 

 僕らの時代は夏といえば、戦争が妙に近くに感じられる季節であった。拙い子供の想像力でも、である。

 今は諸々の事情で出校日自体無くなってしまっているようである。なんだかなあ、と思う。

 ニュースで他国の戦争を見るのも良いだろう。でも、真の戦争の恐怖は驟雨の絨毯爆撃を逃げまどった方々の話のリアリティたるや、である。

 

 夏の日差しは、より死の影を濃くする。そんな時代があったのだよ。