しかし、如何なる禍事であろうか。
南の島に大量に漂着している軽石である。なんでも小笠原諸島付近の海底火山の影響で新しくできた島が原因らしい。海底火山の噴火とともに軽石が噴出、それが流れ流れて遥か南の島々にまで到達したらしいのである。
コーラルブルーの海が不規則な灰色の異物に侵食されるさまは、一見すると不思議で幻妖な感もあるのだけれど、当然ながら現地の被害は甚大で、生け簀の魚が壊滅し、船は漁に出られず、果ては、ようやく流行り病が落ち着き初め、観光客を呼ぼうとしている観光産業にも打撃を与えている。これは参った。いや、参ったでは済まされないだけれど。現地で自然と共存している方々の苦悩は計り知れないだろう、と推察される。
とにかく数が数である。キリがないとはまさにこの事だろう。
大型の重機で救っても、広大な砂漠の砂をスプーンですくうが如し、である。映画『ベスト・キッド』で、主人公の少年が、ミヤギさんにひたすら壁を塗らされるってのがあったけど、あれを思い出してしまった。
国も重い腰を上げたようで、早々になんとかして欲しいものではある。しかし、何せ相手は自然。如何ともし難いのがもどかしい。やれん。