また終わってしまいました。
「虎に翼」に続いて。
面白かったなあ。
源氏物語と、道長とまひろの人生が重ねっているのが面白く、源氏物語+栄華物語+紫式部日記+αでした。
セリフが現代風(もちろん敢えてだろうけど。当時の話し方なんて誰もしらないし)とか、音楽がアレ(もちろん敢えてだろうけど。音楽のジャンルが分かれたのはもっと後だから)とか、藤原のなんとかが区別がつかないとかはありました。
でも、道長のお友達だよねとざっくりと見ていても十分に楽しめましたし、宮廷劇でありながら政治劇でもある面白いドラマでした。
そもそもあの時代の服装や行事、建物の構造を見ることが滅多にないし。
ほとんど壁がないことに驚きましたが、考えてみるとああでないと光源氏が若紫や夕顔を「見かける」ことはできませんね。
驚いたのが刀伊の入寇で、あの時代だったのかと。
あと菅原孝標女がちらっと出てきて、「なるほど!」な源氏評を楽しそうに話しているのもよかったです。
だけど、彼女の今後のことを考えると可哀想・・・
後半になってようやく気が付いたのですが、別の本で読んだ「美熟女 源倫子」は道長の奥様だったのですね。
黒木華さん、素晴らしかった。
立ち振る舞いが綺麗で、背筋を伸ばしたまますっと立ってすっと座る。
重たい着物を着ての所作なので大変な筋力を必要とするのではないかと思いますが、高貴さが際立っていました。
ところでやっぱりかっこよかった実資、どうしてロバート秋山さんをキャスティングしたのだろうNHK(でも、名演でした)。
道長は、途中から”闇落ち”して怖い人になるのかなと思ったら、そうでもなかったのは肩透かしでした。
坂東武者の義時と違ってさすがに殺戮はしないとしても、もっと露骨に権力に固執し始めるのかなと思いました。
ただ考えてみると、キャラクターの一貫性という意味ではあのドラマの道長はあのようであるべきだった気もします。
あの感じだと、最初に道長役を予定されていた俳優さんより、柄本佑さんの寂しそうな雰囲気はぴったりだったかも。
ドラマでの道長は、強く求めていたもの(=まひろ)を得ることはできず、むしろ求めてないもの(=権勢)は得てしまったという点で、一種の悲劇的人物でもあり、そこも魅力でした。
有名な望月の句も寂しそうに詠っていたのもぐっときました。
ラストが大団円ではなかったのもいい。
平安の世がやがて終わり、源平の血なまぐさい時代が始まることを匂わせて終わる。
それにしても、結ばれそうで結ばれない(子はいるけど)というシチュエーションに、ぐっとくるようになったのは、やっぱり年齢でしょうか。
私はいわゆる恋愛ドラマ/映画は一切見ないので、ああいう感じが普通なのかわかりません。
たまーに映画館で邦画の恋愛映画の予告をみると、桜が散るシーンと心電図が必ずできてて、たいてい次のカットで体育座りした誰かが泣いているので、もうそれだけでうんざり(先日、邦画の恋愛映画の予告が二つ連続で流れたのですが、「あれ?同じ映画?」というくらい、桜が散って、心電図のモニターがでてきました)。
来年の大河、楽しみにしていいのかなあ。
光る君へ 2024年度 大河ドラマ NHK