能町さんの本が無茶苦茶面白かったのでhttps://ameblo.jp/lecture12/entry-12576286415.html、最初のエッセイを購入。
読んでみたものの・・・・・うーん・・・・出版当時は面白かったかもしれないけど、今となっては・・・
「結婚の奴」があまりにも名作過ぎた・・・・
へーと思ったのが、男女の違いが腰骨でわかるとか(どこで使う?この知識)、遠くからは骨格的に男とわかるが近くで見るときれいなトランスジェンダーさんがいるということ(えーと・・・どこで使うのかな?この知識)。
あ、何か言われた時の女性の(無難な)返事の「正解」が、「そんなことないよー」なのは膝を打ちました。
確かに。いろんな人の会話を聞いていると、そうですね。
男は、隣で聞いていると内心、「え、その通りじゃねえ?」とか思ったりしますが、女性はそのようなことはしない(してはならない?)。
私はもはやどうでもいい年齢なので、わがボンクラ子供たちに<生きる知恵>として伝授することにしました。
で、同時に見つけて購入した西原さんの「女の子頑張れシリーズ(仮)」(←勝手に私が命名)の一冊。
漫画でもエッセイでも、いろんな場で「女たるもの、こうやって生きろ」と身も蓋もないまでの本音で迫ってくる西原さん。
私はおそらく西原さんファンとしては後続で、名作「できるかな」から愛読しています。
連載当時の週刊SPA!は欠かさず購入していました(松田洋子さんの「秘密の花園 リスペクター」も楽しみだった)。
「人生画力対決」シリーズなども大傑作ですよね。
我が家には全巻そろっております。
さて、本書。
NHKで放送された「最後の講義」の完全版です。
私はリアルタイムで見ていました。
いちいち、なるほどなー・・・・たくましいなあー・・・子供たちに見せたいなあーと思っていたら、先日、BSで再放送され、さらに書籍化!
講義は東京女子大で行われたそうです。
おお。
私の通っていた高校の近くです。
練習のため、汗臭い男どもが変な色のジャージで場違いな吉祥寺を抜けて、井之頭公園の400mトラックまで走っていく最中、きれいなお姉さんが歩いていらっしゃるのをしばしば見かけたものです。
すると、先輩たちが知ったような顔で「あれはトンジョだな」と呟く。
私ども下々の者は、ははぁー、そうでございますか・・・・ところでつかぬことを伺いますが、トンジョとは何のことでございましょうか、と恐る恐る尋ねると、「なんだ?お前、XXか(自粛)?近くの女子大だよ。あそこは(以下、自粛。要はきれいなお姉さんばかりで天国のような素晴らしいところだという趣旨)」とありがたい説法を聞かされたものです。
NHKの放送でも、参加者の皆さん、知性あふれたキラキラした方ばかりで、まぶしかったです(なぜか男が混じっていたのですが、公開講座だった?しかし、勇気あるなあ・・・)
それはさておき。
本書では「上京ものがたり」などで描かれていた、ご自身がお若かった頃のなかなかハードな逸話がまとめて書かれています(第一章)。
ご自身の人生の総括としての「女性の生き方」指南は第二章(山内一豊の妻は間違ってる!は笑った。p50)。
あと、家族が病気になったら、どうする?は、第三章。
これも女性のライフ・ステージを考えるうえで避けられないことですね。
もっとも面白かった(かつテレビでたぶんカットされていた)のが第四章の質疑応答です。
若い女性たちの本音が出ていて、読んでいて質問自体が面白かったりしました。
たとえば「就活メイクをどうするか」(p89)
うーん。生真面目な質問ですね。しかし、地に足ついていて、なんとも面白い。
こういう発想の質問は、男はしないんじゃないかな(印象よく見えるためにどうするかより、自分の優れているところをいかに誇示するかを考えると思う)。
また西原さんの返事が、男として、なるほど、あのー、すいませんでした・・・という感じでした。
能町さんのエッセイでも似たようなことが書いてあったなあ。
おおっと思った名言だけを少々。
あまり書くと、「営業妨害」になるので。
「女の怒りはポイントカード制」(p92)
ここで書かれている、ある事例、私は身近で見聞きしたばかりです。おお怖っ!
「夫の悪口や」「子育ての愚痴」をいうママ友と付き合うな(p117)。
ええ!そういうものですか?
家内に訊いてみよう。
「お金は盗まないけど、人の時間を盗む」。
これはいい言葉。メモメモ。
創作でアイデアが出なかったら?
「積極的に外にでる(略)一生懸命考えて正しい答えがでたことって一度もない」(p125)。
おお、言い切った。
でも、そんな気がします。
いくら考えても答えがでない、で、諦めて飯食いながら、ぼんやりしていたら・・・ああ!!ということ、何度かありました。
この質問をなさったのは藝大の学生さん(?)ですが、先生に「これはお前の絵じゃない」と言われたと。
西原さんのお答え。
「いやいや、何でおまえなんかに言われなきゃいけなんだ、って。じゃあ、お前の絵は何だよ、と」(p126)。
いっそ清々しい。
で、「大学の先生って、要するに世間で通用しなかったから学校の中にいるんですよ」(p127)・・・・・・
・・・・・・えーと、この件はノーコメントで。
私的に勇気をもらったのが、最後の質問。
「つらいときに支えになったもの」(p136)
これは本書をどうぞ。
きれいごとは一切ない、箴言集です。
ロシアのエライ人の名言「幸せは一つしかないけど、不幸せは多様だ」(だいぶ違うけど、こんな感じ)を読みながら思い出しました。
いろいろあった。
でも、今となっては「面白かったよね」と。
そういう人生にしたいものです。
能町みね子「オカマだけどOLやってます 完全版」
700円+税 315ページ
文春文庫
ISBN 978-4-16-777303-8
西原理恵子「最後の授業 完全版 女の子の人生で覚えておいてほしいこと」
1100円+税 144ページ
主婦の友社
ISBN 978-4-07-439144-8