最近は仕事関連の本しか読めていません。
十川幸司先生の「フロイディアン・ステップ」。
面白くて2回読んでしまいました。フロイトの読みが変わる素晴らしい本です。
何しろ執筆に6年(!)かかったそうです。十川先生らしい誠実さです。
あとはジョルジュ・アガンベンの「言葉と死」とか、ロラン・バルトの「第三の意味」とか、ポール・ヴァレリーの「カイエ」とか。
さあ、この三冊に共通するのは何でしょう??
さて、週末、私が呻吟しながら(とはいえ楽しみつつ)本を読んでいたところ、子供1がお友達と2人でスター・ウォーズを見に行ってきました(2回目。1回目はパパと子供たち全員で)。
お友達もお父さんがSWファンらしく、長時間語られて、なんとなく見に行こうと思ったのだそうでhttps://ameblo.jp/lecture12/entry-12496117486.html?frm=theme、https://ameblo.jp/lecture12/entry-12562580774.html?frm=theme。
うちと全くおんなじ。
以下、ネタバレ(めいた箇所)がありますので、この時期にファンで未見の方はいらっしゃらないとは思いますが(うちの家内はそうですが・・・)、その場合、とばしてくださいまし。
(始めます)
「で、どうだった?」
子「うん、パパの言う通りだった。最初から、レイ、なんかイライラしていた」
「そうなんだよ、怒りに身を任せていて、あれじゃダーク・サイドにいっちゃうよ。でもパパも2回見て気付いたんだけどね」
子「あと、ライトセーバーを最初から逆さにもっていたよ」
「ええ?そうなの?パパが気が付いたのはカイロ・レンとの戦いのときだったけど、最初からだった?」
子「そう、一人で練習しているときからそうだった」
「へー、全然気づかなかった。あの逆さに持つのはジェダイっぽくないよね、カイロ・レンの持ち方だし。あと何かあった?」
子「チューバッカがレイア姫からメダルをもらったじゃない?」
「あれ、ファンの間で有名なエピソード4でチューバッカだけ勲章をもらわなかった、その回収ね」
子「うん、パパ、そう言ってたじゃない。だからずーっと見てたんだけど、チューバッカ、レイアが死んでからずっと落ち込んでるじゃない?で、戦いに勝ってみんなで喜ぶところなんだけど、後ろの方でメダルを持ってすっごく喜んでいるの」
「まじすか!!気が付かなかった!!」
子「チューバッカ、かわいかったよ」
「なんかさー。よかったよねー」
子「そう、よかったね、チューバッカ、って」
「あとさ、パパ、2回目のとき、寝ちゃったあたりなんだけど、レイとレンがチューするとこ、あれがわかんない」
子「カイロ・レンがレイのことが気になっているんだろうなーというのはあったよね」
「あったけど、レイはどうなの?」
子「カイロ・レン、ストーカー?(笑)」
「うん。でもね、もったいないんだよね。カイロ・レンってさ、誤解されているけどシスじゃないじゃない」
子「え?そうなの?」
「そう。シスは絶滅しているから、ちゃんと訓練受けていない。あの、なんだっけムーミンに出てきそうな名前の悪者は、ダーク・サイドの力は教えられてもシスじゃなかったじゃない。だから師匠じゃない。で、カイロ・レンってジェダイの訓練も終わってないから、カイロ・レンはシスでもジェダイでもないの。シスだったら、ダース・レンとかいうはずじゃない」
子「ああ、そうか。最初、中2病みたいだったけどね」
「そう、パパもさ、最初のエピソードで駄々っ子なんで、なんじゃこのキャラと思ったけど、考えてみると、自分は何者でもないという悩みを抱えている今までにない面白いキャラなんだよねー」
子「うん、あのお父さんとのシーンはよかった。カイロ・レンのああいう話を大きくすればよかったのにと思う」
「パパもそう思う。あのカイロ・レンの苦しみを膨らませたらもっと面白い話になっていたと思うと惜しい。あと、子供1の言ってるのって、ハン・ソロとのシーンでしょ?あれ、日本語吹き替えでないとレンが”Dad..."て言ってさ、それでハン・ソロが"I know"ていうんだよ」
子「パパが言ってたあれでしょ。”愛している””知っていたさ”って。あれ泣けた」
「泣けたね。あとさ、レイがすんごい力を持っているのがきちんと描かれていたでしょ」
子「??」
「パパも2回見てから気が付いたことばかりだけど、たとえばレイがお前はXXのXXといわれたとき(自主規制します)、ファルコン号が助けにきてジェット噴射でストームトルーパーたちを吹き飛ばすじゃない?あの時、カイロ・レンは体を傾けて耐えるんだけど、レイはすっと立っているの」
子「ああ、そういえばそうだったかも!」
「あと、レイがちょっとダークサイドよりなのはカイロ・レンを刺すシーン。ジェダイって武器を持ってない人を殺してはいけないの。だけど、あの時、カイロ・レンがライトセーバーを落とした瞬間にレイはカイロ・レンを刺すでしょう?あれジェダイ的にアウト」
子「ああ、そうなんだー。でもあの時の、傷をなおすのはどうなの?って」
「そうなんだよ!!お前はナウシカかよ!って」 (注:同様の指摘を”オタキング”こと岡田斗司夫さんがおっしゃっているようです)
子「そう、そう、そう思った。あの、”おいで、テト、ほら、怖くないよ”みたいなシーンで、ナウシカかよ!って」
「??・・・・ああ、あのD-Oのシーンか。パパと違うところだなあ。パパはあの大きな蛇みたいなのの傷を治したときに思った。”王蟲、森へお帰り”って。ナウシカかよ!って」
子「ああ(笑)」
「あとさ、パンフレットの最初のページの文章ってだいたいタイトルの後に流れるオープニングの字幕と同じ内容なんだけど、今回、違うんだよ。噂だと、いろいろカットされちゃったんだって」
子「そうなの?」
「うん、フィンがさ、レイに何か言いかけるじゃない?あれ、なんとなく愛の告白かなみたいな、でも違う?みたいな感じだったじゃない。で、そのままで終わったけど。あれさ、噂だとXXXXXX(自主規制します。検索してください)」
子「あ!そう思ってた。だって、XXXXXX(自主規制します)」
「ええ?するどいなあ!!・・・・パパは愛の告白ではないだろうけど何かなて、わかんなかったよ。あとさー、ネットで最近、XXXがクローンって言われているけど、あれ違うでしょ」
子「そう?」
「だって、指とか腐っていたでしょ?あれさ、たぶんシス版永遠の命だと思うんだ。エピソード3でアナキンが奥さんを死なせたくなくてさ、ダーク・サイドだと永遠の命を与えられるよって言われるの。今回と同じセリフだよ。"The dark side of the force is the pathway to the unnatural"って。ジェダイだと霊体になるじゃん。でもシスの場合はあんな感じという設定かなって。あのムーミンの名前みたいなだれかが、クローンでいっぱいだったので勘違いされていると思うよ」
子「ああ、なるほどね・・・・ルークとかきれいな半透明になって出てきた、あれ?」
「そう。あと、もう一つわかんないのが、ポーがさ、あの女の人と会話するじゃない」
子「あの人、かっこよかった」
「うん、かっこよかったよね。でさ、あの時の音楽、これまでのエピソードだと不吉なことが起きるときの音楽なんだよ。確かアナキンが奥さんのことが心配のときとか。違うかな。で、あれどういう意味なのかなあって。結局、何も起こらないから、あそこもカットされたのかもしれないね」
子「ふーん、あとわかんなかったのが、カイロ・レンが刺されたら、レイアの体が消えるの。あれ何で?」
「ええ?そうだっけ?ジェダイは死んだら霊体になるけど・・・レイアも一応ジェダイの訓練は受けたものね」
子「パパ、そう言ってたじゃん。でもずっと死体あったよ。いつまであるんだよって思ったんだけど」
「言われてみれば遺体、しばらくあったね・・・・ああ、気づかなかったなあ。なんでだろうね・・・・・まま、でも、面白かったよね」
子「うん、面白かった」
子ども2「面白かったー」(後ろで聞いていた)
こども3「僕も面白かったー。寝なかったー」(後ろで聞いていた)
「あのさ、みんなくらいの年齢の子が<面白い>のが大事でさ。なんかネットで、エピソード9はだめだって批判があるの」
子「ええ?そうなの?」
「そう。でもね、これ繰り返しているの。パパが小さいころに見たエピソード6は、パパはすっごい面白かったし、イォークもかわいいと思ったけど、当時のお兄さんファンが<つまらない><駄作だ>って大騒ぎしていてね」
子「ええ?どうして??」
「わかんない。なんか帝国軍がぬいぐるみにやられるのはけしからんとかさ、ダース・ヴェイダーが真っ白な禿のおっさんなのはどうかとかさ」
子「(笑)ぬいぐるみって。今回も出てたよ。あと、確かにダース・ヴェイダーはお面とったら誰って?感じだった(笑)」
「でも物悲しくていい終わり方だったじゃない」
子「うん」
「あとエピソード1だって、めちゃくちゃ批判されたの」
子「ええ?・・・・でもパパと見に行った時は、長くて眠っちゃったけど」
「3Dで再公開されたときに見に行ったね。まあ、子供向きではないところはあったけどね。あの時もすごく叩かれたんだよ。ジャージャー・ビンクスていうキャラとか。長くて退屈だとかさ。そんなに言うほどかな・・・と思ったけどね。あの部族との戦いはローテクVSハイテクでかっこよかったし。エピソード3もパパは大好きで、共和制の崩壊と帝国の勃興は昔のローマ剣劇を持ってきていると思うし。最後のオビ=ワンとアナキンの戦いだって、師匠と弟子だから戦い方がほとんど同じで鏡合わせのようになっているのが凄く悲しかったし。でも、あれもつまんないって批判する人がいるの」
子「ふーん、なんか難しかったけどね」
「まあね。難しいというより、つまんないという批判。内容がないとか。でもさ、パパ、今回、思ったのがさ、スター・ウォーズって、子供が見て面白いと思えば、それでOKっていう映画だったはずなんだよね。エピソード4のパンフレットにさ、ジョージ・ルーカスが<子供たちへ、そして、かつて子供だった大人たちへ>って書いているの。要は子供目線で楽しむ映画だよね。それがさ、成長したファンが大人目線でうるさくなっちゃって。あれが矛盾だ、これがおかしいってね。そういう映画じゃないのにね。面白かった映画をあれこれ言われると、なんだか悲しくない?」
子「うん。うるさいなあって」
「そうなんだ。パパ、君たちと一緒に見て気が付いたんだよね。エピソード6のときの、なんだか理屈っぽいこと言っているお兄さんたちに映画を台無しにされたという悲しい気持ちと、<そういう映画じぇねーよ!>っていう腹立ちがあったのを思い出してさ。という訳でパパ的にはスター・ウォーズは終わりました。卒業します。いろいろあるんだろうけど面白かったじゃない?今みたいに深堀りできるしねえ」
子「だねー。パパ、もう見ないの?」
「・・・・うーん・・・・・たぶん、見ます・・・・・えーと、3回目をママと見に行きます・・・・」
子「・・・でしょうね・・・・」
こども3「僕も一緒にみてあげるよー」
「君はまず、仮面ライダー01を戦闘シーン以外も楽しめるようになりなさい」
こども3「えー、むりー」
J.J. エイブラムス監督「スター・ウォーズ エピソード9 スカイウォーカーの夜明け」 原題 Star Wars episode 9 The rise of Skywalker 2019年 日米公開