前回、ゆるキャラのフリー(無料)についてブログにアップした。
そのつながりで、今日はある漫画の「フリー」について述べたい。
 
 
佐藤秀峰氏の漫画「ブラックジャックによろしく」を読まれたことがあるだろうか。
当該漫画は、漫画雑誌「モーニング」及び「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた、大学病院や医療現場の現状を描いた漫画である。テレビドラマ化され、単行本累計発行部数は1000万部を超える。
漫画だって「著作物」であるため、佐藤氏は「著作者」として、「著作権」や「著作者人格権」を有する。端的に言うと、その漫画の使用に関する相対的独占権を有する。
 
 
2012年9月、佐藤氏は当該漫画の二次使用を完全フリー化した。その反響は出版ビジネス界を含め、各業界に大きな波紋を与えた。
伏線は2年以上前。佐藤氏は、漫画家が自主的に発表できる場としてオンラインコミック配信サイト「漫画 on Web」を開設。増版されていない「ブラックジャックによろしく」を無料公開したことにある。
この無料公開の結果、有料の「続・ブラックジャックによろしく」が売れ始めた。
もっと漫画を広く使ってもらうために、著作権をフリー化し、二次使用を自由にできるようにしたということである。
 
 
紙媒体に関する業界は衰退の一途を辿っており、大手新聞社も苦しいんでいる。代わりに電子書籍が伸びてきている状況下で、漫画家が声を上げるのは時間の問題だったのだ。書店流通の市況が落ち込んでいるという外部環境の悪さは、漫画家の生活にも直接影響を与える。
 
「ブラックジャックによろしく」の二次利用に関する使われ方は、アプリケーション、医師転職系サイトのイメージキャラクター、お葬式のサイト、禁煙広告(新潟の新聞広告)、他社による有料出版等がある。これらの二次利用において佐藤氏は一切の収益を得ていないそうだが、間接的な利益や広告効果等、メリットも大きいと思われる。
 
 
 
業界が衰退し始めた場合、(1) 当該業界が放置され衰退する、(2) 立法(法改正)による保護、(3) 公的資金の注入等による保護、(4) 現法律の範囲内で別のビジネスが発生する、等が事象として現れるが、本件は(4) である。従来の慣行に従わない方法でビジネスにつなげている。
 
紙媒体ビジネスが衰退し始め、「電子出版権」というものの導入について、日本弁理士会が提言している。
 
 

個人的には、学者本のようなハードカバー、判例集やビジネス書等については絶対に紙媒体の書籍を購入する。線やマーカーを引きながら読みたいし、何より目が疲れない。仕事でPCを使って、家に帰ってまたスマートフォン等の小さな端末で本を読むのは目に負担がかかり過ぎる。ただ、漫画や新聞については、量も多く、線等も引かないので、電子端末で読んでも良いかもしれない。 


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