ブックカバーチャレンジ Day 5 | Le ciel d'azur~藤倉梓blog

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脚本,作曲,演出,出演,訳詞,ピアノ弾き and so on...

「ブックカバーチャレンジ」は
お気に入りの本の表紙の写真を1日1日、7日間で7冊紹介して、1日1人を後任に指名するというもの。
ほんとは説明しないで写真だけupするらしいですが、
どうせなんで説明をブログに書こうと思います

の、5日目。

江國香織×辻仁成『冷静と情熱のあいだ』。
高校生くらいの時にブームだったかな?
江國さんがRosso(赤)、辻さんがBlu(青)で、
同じ恋物語がほぼ同じ時系列で女性目線と男性目線に分かれて書かれた、2冊の小説。

ロッソから読んだけれど、高校生の自分には主人公の女性がお洒落すぎて大人すぎた。
雨ばっか降って風呂ばっか入って似たようなことばっか考えてるし。
淡白すぎるし。
後から読んだブルーは1行目から心を掴まれ、ロッソよりも少しだけ先の未来が書いてあって、ブルーを後にしといて良かったと思った。

それから10年も経つと、変わるもんだ。
ロッソの女性の、年の刻まれ方や心の刻まれ方がなんて細やかに繊細でうつくしいのだと思ったし、
ブルーの男性、おまえちょっと自分に酔ってんなって思った。

そこから更に5年経つと、一周まわってやっぱりブルー好きですけど。

The Last 5 Yearsみたいにシーンが重なるところが中盤に何度かあって、わぁ、って思うし、ロッソでこうなってる時ブルーではどうなってるんだっけ、とお互いの本を行き来したりして、あー、1冊に纏まってロッソとブルー一気にに読めたらいいのに、と思っていたら、
まんまと1冊に纏まった愛蔵版がでた。
しかもなにこのお洒落なケース。

晴れて一挙に楽しめるようになったこの物語、
Facebookにも書きましたが、
さけるチーズをさかないでがぶりと恵方巻き食いできるような、カタルシスにも似た爽快感があります。

ではまた次回。