「あたためますか?」
「はぇっ
いくらって温めるんだっけ。
最近のいくらって温めると栄養ふえるんだっけ。
食文化の変遷についていけてないのかしら私。
いくらじゃないのを取ってきたのにいくらのつもりで置いたのかしら私。
と考えること0.9秒
それは矢張いくらだった。
「あ、いえ」
温めないだろー、じゃなくて、温めなくていいです、のニュアンスの「いえ」を言ってしまった。
実習生の彼に、言うべきだっただろうか、「コレいくらですけど」。
若しくは、言わずとも後で自分で気付いただろうか、「あれよく見たらいくらだった」。
親切とは難しい。
まぁ、あのいくらにまつわる失敗も彼の今後の成長の礎とならん事を願って止まない。