アメリカ心臓病学会(AHA) | 手術室発、日本の医療へ

手術室発、日本の医療へ

毎日の麻酔業務におけるミクロなことから始まり、そこから浮かんでくるマクロな日本の医療全体についてまで、感じること、考えることを書き残していきます。専門的なことも書きますが、一般の方にも読んでいただければと思います。

週末から一週間休みをいただいて、AHA(=アメリカ心臓病学会)に参加している。
今年の開催はシカゴ。

アメリカには5年ほどいたが、シカゴははじめて。
久々のアメリカらしい大都会の風景をみると、こころが高揚してくる。
相変わらず、アメリカ人はでかい。
やはり、国土の違いを思い知らされる。

それにしても、思うのは、学会に参加する費用が年々高くなること。
学会参加費だけで800ドルなのでいまや10万円弱。
これに飛行機代等の交通費で、安いエコノミーを使っても18万円くらい。
さらに滞在費のホテル代が馬鹿にならない。
安いホテルを探してみたが、一泊税込みで200ドル。飛行機の発着時間の関係で、
5泊することになってしまったので、これも12万円
合わせて40万円である。

大学からの援助は教授職であっても毎年10万円しかない。
若い人には、それすらでない。

これでは、若い人がアメリカの学会になど参加できるわけがない。

それでも多くの日本人が参加している。
全く頭がさがる思いである。

私はといえば、専門外の学会ではあるが、心臓病の麻酔をしているという意味では、いろいろと関連があるので、ふと、情報収集をしたいと思いたち、来ることにしてみたが、思いの外の出費に頭が痛い。

今回の海外遠征で、やはり円安は非常に効いているように思った。
前回の海外出張は3年前。
ちょうど、まだ円が80円、90円のころだったように思う。
前回はトータルで30万円かからなかったように記憶している。

そこから3割も円が安くなれば、給料は日本円で変わらないのであるから、当然、相当に割高になる。

アメリカでの学会参加費や、ホテル代がどんどん高騰するのは、彼の地でもインフレが進んでいるからであろう。
それにもまして、円安が誘導されて、さらに日本円の価値が減らされて。。。

折しも、本日、日本ではGDPの7-9月期の実質がマイナス成長になったということで、株価も暴落しているようだが、日本の政策、特に日銀の金融政策は、私のような素人が見てもどうかと思う。
これでは、日本の円の価値を下げて、日本を貧しくして、さらに、貧富の差を拡大しているようなものだからだ。
日本の行き着く先はこのままではあまり明るくないように思うのは私だけだろうか。

衆議院選挙、実は今回は特に重要な選挙であるように思う。
これで現政権を支持すると、これまでの経済政策を容認したということで、ますます
とんでもない方向に加速していくのだろう。
なんとか、ここで、食い止めないといけない。